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国連報告の記事「移民流入、人口減を相殺」メルマガ第182回、2019.9.1発行

折本徹

折本徹

テーマ:過去のメルマガ、85号から

国連報告の記事「移民流入、人口減を相殺」 

メルマガ第182回、2019.9.1発行
<平成14年(2002年)10月創刊>

行政書士の折本徹と申します。
ひところよりは、涼しくなってきました。
でも、中旬ぐらいまでは、暑い日があるかもしれません。
健康に留意して過ごしてください。

今年も、時期に関係なく(古くても)、新聞・雑誌・書籍に掲載された、
外国人にまつわる内容で、興味深い記事を紹介・簡単なコメントや、
このメルマガは、平成14年(2002年)の10月から発行しているので、
過去と現在は、どのように違ってきているのか、の視点で書きたい、
とも考えています。

 随分前ですが、日本経済新聞に
「変わる人口地図 国連報告から」という記事が6回にわたり掲載されました。
想像できると思いますが、将来の見通しとして、
ある地域の人口は増えるが、別の地域の人口は減る、全体としては増加。
そして、高齢化が進む(2050年には6人に1人が高齢者)
となるそうです。

西暦2100年、人口増加する地域は、サハラ砂漠以南地域で、
例えば、人口が大幅に伸びる国として、
コンゴ共和国、ナイジェリア、という国があがっています
(ニジェール、アンゴラ、タンザニアが2095年-2100年の人口伸び率のベストスリー)。
人口増加に伴い経済が発展すれば良いけれど、そんなに発展しない場合、
社会不安になることが懸念されるとあります
(日本は、先だってのアフリカ開発会議(TICAD)で、アフリカ諸国へは、
援助から投資、というスローガンを掲げました)。

他に、2027年頃、インドの人口は中国の人口を上回り、世界最多となるが、
やはり、持続的な発展が課題になるそうです。

一方で人口が減少する地域は?ですか、
多くの先進国が人口減少になる、と予測されています。
日本の人口は将来減少することは、以前からマスコミ等で報じられていますが、
人口減少については、日本だけの問題だけではなく、先進国も同じで、
働き手の確保が先進国の共通の課題となるようです。

更に、国連の予測によると、
日本、ロシア、イタリア、エストニア、セルビア、ハンガリー、ウクライナ、
ドイツ、ベラルーシの9か国は、死亡者が出生数を上回るものの、
その人口減少分は今後数十年にわたって移民流入で相殺されることになるようです。
移民の受け入れに厳しくなかった、米国やEUが移民の受け入れに慎重になれば、
移民の受け入れ先にも変化が生ずる、との見通しも示しています。

最近、マスコミでは「移民の受け入れだ」報道されても、
政府は「移民の受け入れではない」と言っていますが、
一般の人達は、この違いがわからないと思います。

国連の説明では、
「移民」は

国際移民の正式な法的定義はありませんが、
多くの専門家は、移住の理由や法的地位に関係なく、
定住国を変更した人々を国際移民とみなすことに同意しています。
3カ月から12カ月間の移動を短期的または一時的移住、
1年以上にわたる居住国の変更を長期的または恒久移住、
と呼んで区別するのが一般的です。

としています。

そうすると、
長期的に住むにしても、やがては本国へ帰国することを考えており、
普通に働くために入国・在留しても、「移民」ととれます。


一方、日本政府は、
「移民」の定義については、衆議院議員の質問主意書とその答弁書を読む限り、
明らかにしていないです。


私見ですが、日本政府の移民の見解として、
在留資格「永住者」を得ている人や、日本国籍に帰化した人で、
一生涯、日本に住むことを自らの意思で決めたから、
そういった人たちは移民、とみているのかな、と推測しています。
(ただ、親に連れて来られて入国してきた外国籍の児童が、
自分の意思とは関係なく、
在留資格「永住者」や日本国籍に帰化することもあります)


ちなみに「難民」ですが、

難民とは、迫害のおそれ、紛争、暴力の蔓延など、
公共の秩序を著しく混乱させることによって、
国際的な保護の必要性を生じさせる状況を理由に、
出身国を逃れた人々を指します。
難民の定義は1951年難民条約や地域的難民協定、
さらには国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)規程でも定められています。


話を戻しますが、国連は
「東南アジア諸国で手稼ぎ労働者が増え、
シリアやベネズエラで社会不安や紛争などが起きている」
と指摘し、
政治経済情勢が移民を生じる最大の要因となるとの見方を示したらしいです。

(もし、そうだとすると、東南アジア諸国は、
手稼ぎ労働者が増えるので、このまま貧しさから抜けられない、
シリアやベネズエラは、社会不安や紛争が当分解決しない、
ということにもなってしまいますが。。。)

果たして、人口減少分を補えるくらい、
今後数十年にわたって外国人の受入が可能なのか、
又、外国人が日本行きを希望するのか?になりそうです。

「日本行きを希望するのか?」に関して、興味深い記事がありましたので、
2つ紹介します。

国家戦略特区を活用した、外国人家事代行サービスがあります。
家事代行サービス大手の合計で、約3,000人強を受け入れる予定のところ、
現在の来日数は約950人と、予定の3分の1程度らしい、と報じられました。
その原因として、在留が3年しか認められていないから短すぎる、中国や香港、シンガポールといった、諸条件の良い他の地域に流れている、らしいです。
ただ、受け入れ企業の中には、
「現在は、需要以上にスタッフがいるので、待機している人もいる」
旨のコメントもあり、足りているのか、足りていないのか、
わからないこともありますが。

また、以前メルマガで紹介した、
「日系4世(ひいおじいちゃん・ひいおばあちゃんのどちらかが日本人)」
の受入人数も、芳しくないようです。
当初の在留資格許可のときはN4レベル、期間更新許可のときはN3レベルという、
一定の日本語能力を求めており、在留年数も最長5年と限定していることから、
予想よりも下回っているようです。
4,000人の受け入れ枠で、43人(2019.6.17時点)と、約1%のようです。

一定の日本語能力を求める、在留年数を限定する、
みたいに入国・在留のハードルを上げてしまうと希望する人が減り、
ハードルを下げてしまうと、招かざる客みたいな人が入国してくるので、
要件次第で、海外に居住する外国人が、どのような反応をするのか?
予測できない面もあります。
外国人政策で、人口減少や労働力減少を補うことは難しい感じがしてきますね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

このメルマガも、平成14年(2002年)の10月から発行していて、
何気に、16年目に入りましたので、今後も引き続きよろしくお願いします。

このメルマガは、まぐまぐを利用して発行しています。
解除は 
http://www.mag2.com/m/0000097197.htm
よりできます。

過去のメルマガが読めます(85号から)
http://mbp-japan.com/tokyo/orimoto/column/?jid=1300156

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折本徹(行政書士)

折本 徹 行政書士事務所

日本に住んでいるフィリピン人コミュニティを開拓し、相談を受ける事からスタートしました。その後、中国人、ネパール人、ベトナム人などの外国人、取扱う分野を拡げ、経験を積み、20年以上になります。

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