平成28(2016)年の国際離婚件数、メルマガ第174回、2018.12.1発行
技能実習生への交際禁止、結婚禁止、妊娠したら契約解除は有効か?
メルマガ第180回、2019.7.1発行
<平成14年(2002年)10月創刊>
行政書士の折本徹と申します。
蒸し暑くなってきましたね。
先月、東京では、暑い日、梅雨寒の日、雨で蒸し暑い日が、ありました。
台風も来ました。
7月も地域によっては続くと思うので、体調が不調になることもあるので、
健康に留意してください。
挨拶・テスト配信
https://youtu.be/qqilT854c5E
国際結婚した後の外国人配偶者等の在留資格の申請手続・テスト配信
(双方とも国際結婚は初婚)
https://youtu.be/1uGKzBj1-cw
在留期間1年と3年、5年の違い。
国際結婚が成立した後の外国人配偶者の更新申請手続き
https://youtu.be/lUvaUQXEsUw
http://mbp-japan.com/tokyo/orimoto/column/1353715
国際結婚と婚姻要件具備証明書・テスト配信
https://youtu.be/I0GdpTEhrLA
国際結婚をした外国人配偶者の在留資格「日本人の配偶者等」得るまでの流れ
テスト配信
https://youtu.be/2zv1QLMb30c
中国人と日本人の国際結婚手続き 日本で先に結婚手続き テスト配信
中国人が日本で離婚し再婚も含む
https://youtu.be/-PeJCWEJCmc
タイ人と日本人の国際結婚手続き。タイ人が独身で、日本で先に結婚手続き テスト配信
https://youtu.be/3UWj3RjmBNU
ベトナム人と日本人の国際結婚手続き。ベトナム人が独身で、日本で先に結婚手続き テスト配信
https://youtu.be/EpmL4_rA048
恋人である技能実習生が、
実習先と交際禁止、結婚禁止、妊娠したら契約解除、で契約したらしく、
(又は、表には出せないので、密かにさせられた。又は、告知された)、
実習先からも色々と言われているが、
交際を続けたいのに困っている、という相談を受けます。
「ひどいんじゃないか」と思う人もいるでしょうし、
「それって、無効でしょ」と思う人もいるでしょう。
「無効」と一口に言いますが、どうやって無効にするか、
裁判をして無効にするのか、
時間とお金をかければ解決するのか?になります。
まず、「妊娠したら契約解除」ですが、
技能実習生は労働法規が適用なので、
いわゆる男女雇用機会均等法に違反することになります。
このことを検索すると、たいてい下記のことが解説されています。
「事業主は、
女性労働者が婚姻し、妊娠し、又は出産したことを
退職理由として予定する定めをしてはならず、
女性労働者が婚姻したことを理由として、
解雇してはならない(第9条1項、2項)。
また事業主は、
その雇用する女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、
労働基準法上の産前産後休業を請求し、
又は産前産後休業をしたことその他の妊娠又は出産に関する事由であって
厚生労働省令で定めるものを理由として、
当該女性労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない
(第9条3項)。」
なので、
「第9条3項は強行規定であるので、これに違反する行為は無効となる
(最判平26.10.23)。」
と主張して、撤回させなさい、ということなのでしょう。
それでは、労働契約で「交際禁止」「結婚禁止」はどうか?ですが
(実際に労働契約に載せるか、どうか、はともかく)、
そのものずばりの言葉で、明確に禁止して、
すぐに無効にさせてしまう法律は無いみたいです。
当然ながら、
憲法上の人権を侵害している、民法上の公序良俗に反している、
という考えはあると思います。
いわゆる技能実習法では、
技能実習生の外出その他の私生活の自由を不当に制限してはならず、
これに違反して、
実習生に対し、
解雇その他の労働関係上の不利益
又は制裁金の徴収その他の財産上の不利益を示して、
技能実習が行われる時間以外における他の者との通信
若しくは面接又は外出の全部又は一部を禁止する旨
を告知したときは罰則の対象になること、
が定められています。
他にも、労働基準法第3条に該当するか、どうか?になります。
労働基準法第3条(均等待遇)
使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、
賃金、労働時間その他の労働条件について、
差別的取扱をしてはならない。
という条文なのですが、
検索をすると、
「「国籍、信条、社会的身分」は限定列挙と解され、
これら以外の理由で差別的取り扱いをすることは本条違反ではない。
また、
正社員と臨時社員とのように職制上の地位によって待遇に差を設けることは本条違反ではない。
また、雇い入れにおける差別は含まれない
(三菱樹脂事件、最判昭48年12月12日)。
ここでいう「労働条件」とは、職場における労働者の一切の待遇をいう。
賃金や労働時間のほか、解雇、災害補償、安全衛生、寄宿舎に関する条件も含まれる(昭和23年6月16日基収1365号、昭和63年3月14日基発150号)。」
と解説されています。
外国人である技能実習生が、日本人との交際、結婚することによって、
労働条件が不利益・悪くなるのであれば、違反しているのだろうな、
と思います。
しかし、実習先が、
「「禁止する」と言っているだけで、労働条件を落としていない。
そもそも技能実習で日本に来たのだから、それを全うして欲しいだけ」
「技能実習ではなくて、結婚相手をさがしにきたのでは?」
と主張する可能性は有ります。
でも、実習生と恋人が
「交際禁止と言われても、交際を続けたり、結婚したら、
辞めさせられるかもしれない、
違約金みたいなものをとられるかもしれない、と思った」
「私生活の自由を制限しているのだから、不当だ」
と反論。
実習先は、
「交際は、技能実習の妨げになる可能性があるから、
交際禁止は不当ではない」
と、苦しいながらも主張を続け、平行線になる可能性もあります。
実習先が恐れている事態として、
技能実習生として半年程度経過したときに、
日本人と交際をはじめ、結婚してしまう。
それで妊娠し、産前産後休業をとり、さらに育児休業も取得し、
2年目と3年目のほとんど、技能実習をしてもらえない状況になってしまい、
技能実習が修了、ということのようです。
尚、育児休業は、
育児介護休業法に基づき、
育児休業制度を受けられる条件は
原則「1歳未満の子どもを養育する従業員」としていますが、
その従業員は
•その会社に雇用された期間が1年以上続いていること
•養育する子どもが1歳6か月になるまで、その労働契約(更新される場合は、更新後の契約)が満了することが明らかでないこと
を満たす必要があります。
結局、どうするか?ですが、
技能実習の場合、実習先を監督する監理団体という団体があるのですが、
そこで相談するか、
そこで、だめでしたら
(実習先と監理団体は、一体化、グループ化しているケースがあるので)、
労働基準監督署か、
都道府県労働局の相談コーナーで相談するしかないようです。
労働局の相談コーナーは、事業所(の社長や代表者)に対して助言、
厚生労働大臣の名前で勧告することができるらしいので、
間に入ってもらうのが、ベターなのかな、と思います。
実際は、これ幸いに辞めてしまう、という可能性はありますが、
実習先・技能実習生・日本人の恋人は、
円満な関係を築いて、技能実習を契約満了まで続けるという選択もあると思います。
[[外国人研修生(技能実習生)と日本人の婚姻事案について
http://mbp-japan.com/tokyo/orimoto/column/1303949]]
国際結婚手続き
「入国管理局の手続きと国際結婚」のテーマの記事の一覧表
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
このメルマガも、平成14年(2002年)の10月から発行していて、
何気に、16年目に入りましたので、今後も引き続きよろしくお願いします。
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