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コラム

相続法の改正、外国人配偶者に影響はあるか!? 第179回、2019.6.1発行

2019年6月1日 公開 / 2019年10月18日更新

テーマ:過去のメルマガ、85号から

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 相続 手続き

メルマガ第179回
相続法の改正、外国人配偶者に影響はあるか!?  2019.6.1発行
<平成14年(2002年)10月創刊>

行政書士の折本徹と申します。
暑くなってきましたね。
先月、東京では、真夏日が続いた時期もありました。
このまま暑い日が続くのか、はたまた、梅雨空が続くのか、
ここ数年は、なかなか見通せませんね。

今年も、時期に関係なく(古くても)、新聞・雑誌・書籍に掲載された、
外国人にまつわる内容で、興味深い記事を紹介・簡単なコメントや、
このメルマガは、平成14年(2002年)の10月から発行しているので、
過去と現在は、どのように違ってきているのか、の視点で書きたい、
とも考えています。

2018年10月1日発行(第172回)
「留学生に就職有利な働く在留資格が誕生!? 」を伝えましたが、
5月30日から運用されることになりました。 

当時、伝えた内容ですが、留学生の就職条件を下記のように
・日本国内の大学、大学院に留学し卒業した外国人が
・年収300万円以上で
・日本語を使う職場
で働くのであれば、業種や分野を制限しないで在留を認める旨
を検討している、でした。

今回決まった趣旨をざっくり紹介すると、
飲食店,小売店等でのサービス業務や製造業務等が主たるものである場合は、
就労目的の在留資格が認められていないが、
本邦大学卒業者について、日本語能力を生かした業務に従事する場合は、
その業務内容を広く認めることとし,
在留資格「特定活動」により,当該活動を認めることとした、です。

・年収300万円以上ははずされました
(日本人が従事する場合と同額以上の報酬)
・日本語能力N1又はBJTビジネス日本語能力テスト480点以上を有する人

どのように運営されるかは、まだ情報の蓄積がありませんから、
様子見です。

さて、本題です。
注目されているので、知っている読者様も多いと思います。
7月1日から改正相続法が施行されます。
もちろん、既に施行されているもの、まだ、施行されないものもあります。

1 配偶者の居住権を保護するための方策
2 遺産分割等の関する見直し
3 遺言制度に関する見直し
4 遺留分制度に関する見直し
5 相続の効力等に関する見直し
6 相続人以外の者の貢献を考慮するための方策
が、改正点です。

1の配偶者の居住権を保護するための方策は、7月1日には、施行されません。
3 遺言制度に関する見直しですが、一部分、施行されました。
 (公的機関における自筆証書遺言の保管制度の創設は、まだ、施行されません)

外国人配偶者に影響はあるか?ですが、
そもそも、外国人は、相続時に、日本の法律が適用されるのか?があります。
外国人が、日本国内で死亡した場合は、その人の本国の法律です。

例えば、中国人が、日本国内で死亡した場合は、中国の法律で進めることになります。
しかし、中国の法律で、日本の法律が適用される規定があれば、
例えば
「中国以外に居住している場合は、定住地の法律が適用される」
旨の法律があれば、
日本の法律になります。

では、外国人配偶者の場合ですが、
配偶者が日本人であれば、日本の法律によるので、影響があります。

1の配偶者の居住権を保護するための方策、は影響が大きいですが、
まだ、施行されないので、
今回は、
2の遺産分割等に関する見直し、は影響があるでしょう。
この見直しも
A 配偶者保護のための方策
B 遺産分割前の払い戻し制度の創設等
C 遺産の分割前に遺産に属する財産を処分した場合の遺産の範囲
がありますが、
A配偶者保護のための方策
だと思います。

婚姻期間が20年以上である夫婦間で居住用不動産の
(居住用建物又はその敷地)
遺贈又は贈与がされた場合については、
原則として、遺産分割における配偶者の取り分が増えることになります。
要するに、居住用不動産の生前贈与について、
今までは、遺産の先渡しなので、相続とみなされていたものが、
改正相続法では、遺産の先渡しではなくなるため、
相続とはみなされなくなったので、
残された配偶者は、より多くの財産が取得でき、
老後の生活が安定するということです。

ただ、婚姻期間が20年以上なので、日本人男性・外国人女性の夫婦は、
離婚が多いことから、恩恵を受けられる外国人女性がどれだけいるか?
が気になります。

又、日本人の夫から相続財産を取得した、外国人の妻が亡くなった場合、
その適用される法律は、外国人の妻の国の法律なので
(その国で、日本の法律が適用される、としていれば、日本の法律)
不動産を取得してしまうと、かえってややこしくなる、可能性もあります。
ご夫婦の子どもは、日本の法律と違うことに戸惑うでしょうから、
日本人男性は、思案のしどころでしょう。

尚、自筆証書遺言をしたためる場合、
財産目録に関しては、全文パソコンで作成できるようになりました。
ただし、遺言書の本文は手書きとなります。
この改正は、今年の1月13日から施行されています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

このメルマガも、平成14年(2002年)の10月から発行していて、
何気に、16年目に入りましたので、今後も引き続きよろしくお願いします。

過去のメルマガが読めます(85号から)
http://mbp-japan.com/tokyo/orimoto/column/?jid=1300156


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http://www.mag2.com/m/0000097197.htm
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