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入国管理局の在留資格申請手続きをサポートする行政書士

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コラム

外国人の歌手を日本でデビューさせたい/日本でコンサートや演奏会をしたい

2011年8月23日 公開 / 2018年8月14日更新

テーマ:外国人芸能活動

コラムカテゴリ:法律関連

外国人の歌手を日本でデビューさせたい、と考えていますが、どのようにしたら良いでしょうか?
ホステスさせるわけではなく、純粋な音楽活動です。
又、外国で人気があり、日本で公演しても客席が埋まる見込みのある歌手や演奏家はどうでしょうか?

歌手の在留資格は、「興行」という在留資格になります。
興行の在留資格は、芸能活動によって、9つの区分になります。
招へいを希望する歌手の活動に合わせて説明いたします。

入国管理局の考え方として、
まず、(日本国内で)有名か、どうかで区分が違ってくるようです。
日本国内で有名では無い場合、上記の9つの区分より、
1 レコードの録音活動(及びプロモーション活動)
2 有名になってきた上での、客席定員が100人未満の会場での興行に係る活動
3 客席定員が100人以上の会場での興行に係る活動
とステップを踏んでいくようです。
特に、2が、かなりのハードルの高さです。
在留資格は同じですが、活動内容によって、許可基準ありますので、
資格を得ているからと言って、勝手には活動ができず、期間更新申請の中での、
審査となります。たぶん、事前相談をしていく形になろうかと思います。

1については、基準4号該当と言う区分になりますが、審査として、
歌手の実績とプロダクションサイドの外国人管理能力を問われますが、
2のように細かい取り決めは無いようです。
もっぱら、レコードの録音となり、人前で歌うことは、NGでありますが、
プロモーション活動の一環であれば、認めることもあるようです(レコード店で歌うような場合を想定しているようです)。
人前で歌う場合、どこまでプロモーション活動として認めるかは、ケースバイケースのようです。
お給料は、日本人が従事する場合と同額以上です。職業芸能人として、日本国内で生活できる額です(職業芸能人なので、外国人歌手の育成は駄目、とのことです)。

2 については、基準1号ロ本文該当という区分になり、
歌手、招へい機関、施設にそれぞれ詳細な要件があり、該当しなければならないです。
例えば、招へい機関を例にあげますと、
外国人の興行招へい業務に実務経験3年以上を有する経営者又は管理者がいること。これについては、各招へい機関は、従業員リストを入国管理局に提出していますので、そのリストに記載されている人物。
5名以上の常勤職員がいること。
経営者又は常勤職員に、過去、入管法等の犯罪歴が無いこと。
などです。
ですので、かなりハードルが高くなり、特に、外国人歌手については、
日本国内で誰でも知っているような歌手ではないと該当しない、らしいです。
例えば、TVに出演したり、有名な雑誌に掲載されるような知名度がある、
ということなのでしょう。
基準1号ロ本文該当として認められなければ、ライブハウス等で歌えないです。
ですので、招へい機関、施設が要件に該当しても、歌手が有名にならなければ、
ライブハウス等で歌えないことになるようです。

3 については、基準2号二該当(又は、基準2号ホ該当。下記を参照)という区分になり、
客席において飲食物を有償で提供せず、かつ、客の接待をしない施設で
営利を目的としない国内の公私の機関が運営するもの(民間への委託は駄目)
又は、100人以上の会場で歌う場合です。
2を経て3になるようです。
これに該当する歌手は、かなり有名な外国人歌手なのでしょう。
ですので、招へいする側や施設も、基準1号ロ該当の要件は、当然クリアーされていて、入国管理局的に問題が無いところ、が前提としての審査になるのでしょう。

結論としては、
歌手のプロフィールと予定している活動、会社の業況・実績と外国人歌手に対する管理能力があることを示しながら、
まず、基準4号該当で、入国管理局に在留資格認定証明書交付申請をする。
外国人歌手の「興行」の在留資格が認められ、滞在する。
それで、レコード録音、プロモーション活動をする。
「興行」の在留資格なので、引き続き滞在していくには、期間更新申請をすることになります。
外国人歌手が有名になり、ライブハウス等の公演を希望する場合、
会社と施設が基準1号ロ本文の要件に該当すれば、
時期を見て、事前に相談し、
基準1号ロ本文該当として、「興行」の期間更新申請をする。
認められれば、客席100人未満の会場で歌手活動をする。
という形でステップアップしていく、となると思います。
尚、施設の書類については、他の外国人歌手等の興行活動のため、既に、入国管理局に書類を提出しているところもあるので、施設に確認し、書類提出の必要・不要については、更に、入国管理局に確認されたし、ということです。

又、ある程度の名の通った歌手で、コンサートをしても不入りにならないような場合ですが、
基準2号二該当または基準2号ホ該当になります。
(1)基準2号二ですが、演劇等の興行に係る活動に従事しようとするときに
・客席において飲食物を有償で提供しない
・かつ、客の接待をしない施設(営利を目的としない日本の公私の機関が
 運営するもの 又は 客席の定員が100人以上であるものに限る)

注意A 劇場やコンサートホールでは、客席部分と区分されたロビーなどに
   自販機や売店があり、これらで購入し、客席に持ち込んで飲食しても
   客席において飲食物を提供することに当たらない
   有償で提供することにあたるもの
   例1 客席と一体性のある一角にバーカウンターを設けて提供する場合
   例2 施設への入場料と飲食料金が区別されている場合
   例3 入場料に飲食料金が含まれている場合

注意B 施設の運営主体は、非営利目的の機関であること
    国・地方公共団体や公益法人等々が運営主体になっている施設。
    市民ホール等の公民館を想定。
    運営主体が営利目的の機関である場合は、駄目。
    民間への委託も駄目で、施設から同意書をもらうので、それで判明する

(2) 基準2号ホですが、演劇等の興行に係る活動に従事しようとするときに
 ・当該興行により得られる報酬の額が1日につき50万円以上
  (団体[2人以上]で行う興行の場合にあっては、当該団体が受ける総額)
・かつ、15日を超えない期間、日本に在留

注意  飲食物の提供する施設でも、可。
    高額な報酬、短い滞在期間を想定。
    例えば、ホテルのディナーショー、ライブハウスでのショー
    コンサートツアーの場合、準備・移動期間の全部を含めた期間が15日を超えないこと
 
尚、公演をせず、プロモーションや独立性のあるイベントに従事するときは、
前述の基準4号該当のようです。

外国人モデル、外国人タレント、外国人俳優(興行形態以外で行われる芸能活動)
http://mbp-japan.com/tokyo/orimoto/column/1351823

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折本徹

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