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寺田淳プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

こんな相談には要注意です!

寺田淳

寺田淳

テーマ:新橋事務所日記

ニュー新橋ビル外観

【はじめに】

 今回は特に最近士業での事務所を開業した個人事業主の方は
知っておいて損はないかと思います。

 いったん引き下がったらそこが基準とされてしまうのが
この世の商売の基本です、いい意味でも悪い意味でも

 最初が肝心、譲れない基準は最初から堅持しましょう。

【困った事例その1】

 困った事例の大半は電話での問い合わせでした。
メールでの相談では「足跡が残る」ためでしょうか?

 当時はナンバーディスプレイを使用していなかったので
電話相談では会話で先方の情報を聞き出す他ありませんでした。

 その中で「名乗る前からいきなり用件を依頼する」ケースがありました。

「もしもし、明日までに〇〇の申請お願いします!」
期限まで勝手に決め込んで、それも今日の明日です。

 こういった時に限りませんが「はい」「わかりました」は禁句です。
電話のやりとりという記録に残らない中ではうかつなひと言で
勝手に都合のいい解釈をする相談者は少なくありません。

 言質を与えないよう発言には十分注意し、
あくまでも相談者の身元を明らかにし、
原則として対面での相談、契約の受任を行う。
この姿勢をこちらのペースで伝えることです。

 切羽詰まるまで自分で何とかしようとしたあげくに
どうにもならず無理筋の依頼に奔ったというケースです。

【困った事例その2】

 ひたすら費用を聞いてくるケースも困ったものです。
「安ければ仕事を任せたい」と言うケースや
「〇〇円でやってくれるなら任せたい」など
勝手に報酬額を決めてかかるケースもありますし

「〇〇円出すから、引き受けてくれ!」という
逆に平均以上の金額で無理を通そうというケースもありました。
 
 おカネ絡みでは
「実は他の事務所にも聞いている、他はいくらでやるといってるが?」
「この仕事、いくらで受けてくれたら今後も仕事を回そう。」

 どこかでこのやり口で成功したことがあるのでしょうか、
変に自信のある口調で切り出してきました。

【困った事例その3】

 個人的に最も厄介で面倒だったのが「昔のよしみで」パターンです。

 開業したことを知ってひと言挨拶したいという切り口から
「実はこういった件で困っているんだが」等、本論を切り出します。

 あわよくば電話で全てを聞き出して「タダで相談」狙いは明白です。

 事務所迄相談に来るケースでも図々しいい輩はいます。

 事前に
「筆記具は自前で」
「ペン一本、コピー一枚でも使えばその時点で有料相談になる」と
伝えているにもかかわらず「うっかり忘れてきた」「そんな水臭い」
と馴れ馴れしい態度をとる輩や、もっと厚かましいのは
「今の話、紙に書いてくれませんか?」「そのコピーください」
「見本を書いてくれませんか」といって申請書原本を手渡すなど等…

 さらには
「その値段、もう少しなんとかならない?」
「同じ釜の飯を食った仲じゃないか~ 特例で何とか?」

 最悪な言い分が
~これでやってくれたら大いに宣伝する、約束する!
~同じ問題を抱える仲間何人もいるから
~こう見えて俺の人脈、豊富なんだ。

 といういかにもな交換条件を持ち出すケースです。

 宣伝は実際するのでしょう、ですが内容が問題です。
「俺の知り合いだから安くやってくれるよ」
「俺からの紹介と言えば大丈夫」といった安請け合いは必至です。

 負の宣伝力はあっという間です。
一度でも「昔のよしみ」に負けてハードルを下げたら
その後はその低くなったハードルが基準となるまで時間はかかりません。

 悪貨は悪貨を呼び込むといったところでしょうか。
よく飲食店が陥る罠に集客欲しさにランチタイムだけ料金半額等の
出血サービスを始めるケースがありますが、一度主力品の値段を下げたら
お客はその価格でしか足を運びません。

 その結果定価設定を見直し、改悪の方向に進まざるを得なくなるのです。

 変な情けは容赦なく我が身を脅かす刃となるのです。

【困った事例その4】

 自分のことをなかなか言わないケースも往生します。

 こういうケースは口調も重く、暗く、ため息が多い。
「実は~ 今~ 悩んでます~」
その後が続きません! 沈黙になるのです。

 住所氏名は名乗らず、相談のはずなのに自分から相談内容を話さない?
しびれを切らしてどういう悩みかを尋ねると漠然とした内容しか口にしない。

 経験上こういうスタートを切る方はほぼ愚痴を聞いて欲しいだけ、
自分の環境に共感して欲しい、自分が正しいと言って欲しいといった
相談ではないケースでした。

 実害は少ないのですが、単に時間を浪費するだけの相手です。

【困った事例その5】

 最後は逆に過大な相談や依頼をしてくるケースです。

 要は行政書士の業務範囲外のことまで全面依頼してくるのです。
最初の依頼では業務範囲内の案件で、恙なく遂行したことで感謝され
その後もいろいろな案件を相談されるのですが、過大な信頼からか
他の士業が行う業務まで拝み倒して依頼してくるケースです。

 「そこまで私のことを信頼してくれて」
嬉しい気持ちには違いないのですが、さすがに違反行為をしてまでとはいきません。

 何とか角が立たない様、でも変な期待を与えないように
言葉を選びながら諦めてもらうのは結構時間と労力を費やします。

【終わりに】

 いかがでしょうか?
僅か10年ちょっとの経験でもこの様なタイプの困った相談に遭遇してます。

 特に開業2年までは経験不足もあってなかなか自分のペースに
引き戻すのに苦労しましたが、そこはサラリーマン時代に営業経験を
積んできた強みで、何とかペースを取り戻してこちらの思う結論に導くことで
大きな失敗をせずにここまで来ることが出来ました。

 手前味噌になりますが、
やはり利益の反する相手との交渉経験は
この業務でも大きな武器となりました。

 事務所で電話が鳴るのをひたすら待つといった
受け身の営業ではなく、各所に出向き名刺配りを徹底したことや
今の業務のひとつの柱となった終活関係のきっかけとして寺や納骨堂への
営業は当時はあまりメジャーではなかったこともあって
大きな支えとなりました。

 開業当初は何のつてもなく、開業費用の回収や運転資金の関係で
目先の仕事にどうしても執着しがちですが、その結果却って自身の
仕事の幅を狭め、最後は廃業となってしまっては元も子もありません。

 貧すれば鈍す

 開業時には出来る限り生活資金に余裕を持った状態である事
最低1年間は無収入でも生活の維持が出来るような余裕は
個人的には不可欠な起業の要素だと今も思います。

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寺田淳
専門家

寺田淳(行政書士)

寺田淳行政書士事務所

 起業・独立や転職、再就職を考えるシニア世代に対して、現時点での再就職市場の動向や起業する際の最低限の心構えを始め、私自身が体験した早期退職から資格起業に至るまでの経験やノウハウを紹介します。

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