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こんなこともあるんです! データを鵜吞みにしないことの大切さ

寺田淳

寺田淳

テーマ:新橋事務所日記


【はじめに】

 ある程度仕事に慣れてくる、それはいいことでもあり
好奇心と向上心を阻害する要因にもなるのです。

 これは最近私が実際に体験し、無駄な時間を重ねた話です。

【車検時の法定費用】

 あまり自慢できる話ではありませんが、
私は今回を始めとして過去3回にわたって車検時の自動車重量税を誤判断され
ワンランク高い税額で見積もりを提示されています。

 金額にして1万円以上の差額です、見過ごせる額ではありません。

 最初の2回の時には他でもよくある「勘違い」が原因と釈明されました。
「~以上」と「~を超える」の解釈のミスでした。
 
 私のクルマは課税対象となる車両重量が「1,5トン」ジャストでした。
ここで先の「~以上」「~を超える」の解釈を間違えたのです、2回連続で。

 法令では重量税の区分が
「1,5トンを超える」クルマから高い金額設定です。
そこを「1,5トン以上」と読み違えての見積もり作成でした。

 ですが今年に関しては「税率が改正されたので」という
今までとは異なる釈明でした。

 さすがにこういった根拠を説明されれば
既に20年近く乗っている中古どころか老古車?でしたので
なんとなく今度ばかりは年貢の納め時とその場では納得しました。

 ですが知人からのアドバイスで
国交省のHPに、自動車重量税自動照会サイトという
個人で、自宅で重量税を照会できるサービスがある、
そこで確認したらと言われ、早速必要事項を打ち込んでみたところ…

 やはり従来通りの税額が表示されたのです!
 
 その場でディーラーに連絡を入れ先方にも国交省の当該サイトでの確認を
してもらった結果、(当然ですが)当方のミスですということになりました。
 
 3度目ですからミスの原因を追究したのは言うまでもありません。
その結果分かったことは以下の通りでした。

 メーカーの方でもデーター入力をすれば
自動的に対象の自動車重量税額が掲示される独自システムを使用していました。
必要事項として「車検証に記載されている車台番号」を打ち込めば
税額が出てくるという国交省と同じようなシステムで算出したそうです。

 ですが、その車台番号の社内での括りに問題がありました。
先にも書きましたが私の乗用車は既にとっくに生産完了のクルマで
現在は全て3ナンバーの「1,5トンを超える」車種の番号の括りに
変更されていたのです。

 ただ、番号のうち最初から何文字までで区分が可能だということから
全ての番号を打ち込んでの検索・照会ではなかったとのことでした。

 実に可能性としては極めて低いケースに私のクルマが該当していたのです。
さすがのメーカーも国交省のシステムに疑義を持つことなどあるはずがなく、
まさに平謝りの結末となったのでした。

【慣例・慣習で陥る人為的ミス】

 ここでわかったことは、人間の注意力が緩慢になることの怖さです。
哀しいことに人間は検索システムや照会システムからのデータには
無条件に全幅の信頼を寄せてしまいがちです。

 所定のクルマのデータさえ間違いなければ、
算出されたデータは間違いないと思っても当然でしょう。

 たぶん、もはや超レアケースとなっているオールドカーの為に
わざわざ検査・照会項目を追加、増設するのは運用コスト面からみれば
割に合わないことかもしれません。

 で、あるならば「附則」として注意書きを残すべきでした。
システム導入時には記憶(経験)で人力で選別や区分を確認出来たとしても
10年もたてば現場のスタッフにその記憶を持つ方はほぼいないのでは?

 さらに法改正での税額の変更という話も問題です。
仮に実際に重量税の区分変更や金額の改定があったとして
それに私の車種が該当するかどうかまで確認すべきでした。
(うろ覚え、思い込みでの釈明であればもはや論外の話ですが…)

 ここからは私の独断ですが、(相当穿った見方です)
社内照会で重量税が算出された、たしか重量税に改正があった
この2つの事実を結び付ければ、前回より高い税額で問題ない・・・
 
 都合のいい事実の解釈で導き出した結論だったのか??
 
 
 自動化やシステム管理の平準化は確かに業務効率を向上させ、
人的コストの削減にも繋がるものです。

 ですがあまりに依存度を高め、注意や視認での確認を怠ると
こういった本来起こるはずのない不具合を生じるのです。

 所詮データ入力もシステム構築も人力によるものです。
ミスが発生するリスクは当然想定しておくべきでした。

 これは通常の仕事に就いている場合にも全く同じことが言えます。

 貴方自身、昨年と同じだから、社内規定には沿っているからなど等、
従来と変わりなく、前例に従って業務をこなしていないでしょうか?
 
 仕事に慣れてきた時ほど、改めて最初の頃以上の注意と関心と
好奇心、向上心を持ち直す事です。

 また私の事例に戻りますが、車検証のホルダーには
以前の見積書の控えと正式な請求掲載の控えを車検証と同封してます。
車検証の確認と同時に前回の内容確認と言ったひと手間さえかけていれば
そこに印字された金額と社内システムでの金額の際に容易に気付けたはずです。

 余談ですが、仮に金額ミスに気付かないままでも
車検場ではしっかり精査されるので即座に重量税のミスは指摘され
ユーザーに実損を与えることはないとのことでした。

 身近な例では、今が旬?の確定申告の記載があります。
毎回同じ記載で済ませていると新規の項目や記載事項の変更等を
うっかり見落としたり、肝心の経費の集計時に前回のデータを使用したり
保険料も改定後の金額を忘れて過去の金額で申告する等、
単純な記載ミスは少なくありません。

 私自身、初めての確定申告の際には丸々3日間を費やしました。
疑問点や解釈に不安が出たら即電話相談センターへ問い合わせましたし、
数字の記入には2度3度と確認を繰り返したものでした。

 それが今ではほぼ流れ作業に等しい処理で
ほぼ半日で済ませるようになりました。

 ですが、記載場所の間違いや金額のご記入などの
ケアレスミスは遺憾ながら毎回必ず発生しているのです。

 完全に慣れからくる油断の典型ですね…
典型的な慣れから来る油断であり怠慢です。

【終わりに】 

 以上、私的な内容からのコラムとなりましたが
言いたいことはわかってもらえたと思います。
 
 特に個人事業に携わる場合、
注意するも責任を負うのも被害を受けるのも全て自分です。 

 生じた結果は全て自分が負うわけですから
一般の業務や日常生活の中でも発生するやりとりに関して、
慣れる事は大切ですが、その結果行動に弛緩が生じることは厳禁です。

 今は効率のいい仕事の進め方も
 今は評判がいいサービスも

 さらに一歩進めるにはどうすればいいか?
 今の流れの中に問題発生のリスクの芽はないか?

 こういった緊張感を維持することは
結果的に自分の仕事への自信となり、
ユーザーからの信頼を生む結果を招くのです。
 

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寺田淳
専門家

寺田淳(行政書士)

寺田淳行政書士事務所

 起業・独立や転職、再就職を考えるシニア世代に対して、現時点での再就職市場の動向や起業する際の最低限の心構えを始め、私自身が体験した早期退職から資格起業に至るまでの経験やノウハウを紹介します。

寺田淳プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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