副業について
【はじめに】
最近の傾向として
子供が独立した結果、今の住まいは夫婦二人の手に余るようになった、
その為自宅を売却し、後々「負動産」となって子供の負担にならないように
賃貸物件で第二の人生を送りたいといった想いを持つ方が増えたようです。
ですが、賃貸の場合ネックとなるのが「年齢の壁」です。
夫婦二人ならまだしも、おひとり様での家探しの場合は
多くの業者は「孤独死からの死後放置」を恐れています。
持ち家からの賃貸物件への転居の他にも、
現在の賃貸物件からより便利な賃貸物件への転居を目指すケースもあります。
ここでも年齢の壁や、おひとり様という問題から
先と同様に物件の候補探しに苦労することが多いようです。
そんな中、高齢者向けに用意された物件や制度も
ここに来てかなり増えてきています。
今回は、高齢者の賃貸暮らしについて
現時点で、制度として提供されている主なものについて紹介したいと思います。
【都市再生機構の場合】
先ず都市再生機構が提供する住宅は以下の通りです。
〇 高齢者向け優良賃貸住宅
ざっと紹介するに留めますが、主な特徴は以下の通りです。
床の段差をなくす、手すりの設置等設備面に加え
有料サービスではありますが、緊急時対応サービスや
安否確認サービスが利用出来ます。
ただ、申込者には条件がありまして、
1)平均月収がURの定める基準月収以上であること
2)申込み本人が満60歳以上の「単身者=おひとり様」の場合
3)申込み本人が満60歳以上で同居人が配偶者の場合
4)申込み本人が満60歳以上で同居人が満60歳以上の親族、
又は特別な事情により申込み本人との同居が必要と
URが認めた親族
先に紹介した有料の緊急時対応サービス等への加入が必須。
等が挙げられています。
私のような60才以上の単身者、
同じく私と90才の老父が同居する場合には
1)と4)に該当するので資格はあるということになります。
〇 高齢者等向け特別設備改善住宅
主な申込みの条件は以下の通りです。
1)平均月収がURの定める基準月収以上であること
2)満60歳以上の高齢者、または障がい者
3)又は2)に該当する方を含む世帯の方
主な設備改善としては
1)キッチンのコンロ台の高さを調整
2)浴室内外の段差の解消や手すりの設置
3)トイレの暖房便座用のコンセント設置や手すりの設置
4)予め登録した連絡先に緊急時にボタン一つで通報出来る
緊急時の通報装置の設置
等があります。
〇 健康寿命サポート住宅
転倒防止の為に改修し、外出したくなる環境も備えた住宅です。
主な申込みの条件は以下の通りです。
1)平均月収がURの定める基準月収以上であること
2)但し世帯収入が月額48,7万円を超える場合は申込出来ません。
3)逆に世帯収入が月額15,8万円以下の場合は家賃減額の適用があります。
※上限を25,000円として、家賃から20%減額が適用されます。
4)申込み本人が満60歳以上の「単身者=おひとり様」の場合
5)申込み本人が満60歳以上で同居人が配偶者の場合
6)申込み本人が満60歳以上で同居人が満60歳以上の親族、
又は特別な事情により申込み本人との同居が必要と
URが認めた親族
主な設備としては
1)玄関やトイレ、浴室へ手すりの設置
2)モニター付きインタホン
3)多機能便座
4)浴室ヒーター
5)トイレの入り口、浴槽の段差解消
等が用意されています。
参考までに以下にリンクを貼りましたので詳細はこちらからお願いします。
都市再生機構 UR賃貸
【民間の場合】
民間の場合はこれが代表的です
〇 サービス付き高齢者向け住宅
いわゆる「サ高住」 ~説明は省きます。
バリアフリーや安否確認、生活相談を備えた賃貸物件です。
この他にある賃貸物件への居住支援制度としては以下があります。
〇 住宅セーフティネット制度
住宅確保が難しい人向けに入居を拒まない物件の情報提供や居住支援です、
詳細は省きますが、一例として東京都の制度にリンクを貼りましたので
関心のある方は以下を参照して下さい。
住宅セーフティネット制度(東京都の場合)
〇 高齢者等世帯入居支援事業
保証会社のあっせん、保証料の補助などがあります。
東京都の場合、区が主体の事業となっており
一例として以下に渋谷区のサイトにリンクを貼りました。
渋谷区における高齢者世帯入居支援事業
【賃貸暮らしと費用】
賃貸のいい点は転居が比較的容易ということでしょうか?
今の住まいに飽きた、隣人と険悪になったといった理由もさることながら
天災等で居住困難になった場合でも持ち家とは異なり速やかに
次の新居探しが可能なことは大きなメリットと言えるでしょう。
但しそれもある程度の年齢までの話、
先に述べたように年齢の壁でなかなか転居が叶わないといったケースも
少なくありません。
うまく希望の住まいへの転居が叶ったとしても
今度はいろいろな出費が発生し、意外な高額に面食らうケースもあります。
念のため、賃貸暮らしの場合、どんな費用が発生するか?
次に紹介したいと思います。
冒頭で紹介したような高齢者に特化した物件ではなく
一般的な物件への入居を前提としていますのでご了承ください。
毎月発生する費用
賃貸ですから月毎の「家賃」は当然ですが、
場合によっては家賃以外に「共益費」や「管理費」が別途かかります。
中には家賃に「管理費込み」等の注釈が付いているケースもあります。
概ね賃貸マンションの場合はこの3項目は必須と考えていいでしょう。
定期的(1年毎)に発生する費用
更新料や保証料は1年毎や2年毎に請求されます。
中にはUR賃貸のように更新料なしと言う案件もありますが
一般的な民間マンションは必須と見た方がいいでしょう。
この他、借家人賠償責任補償として火災保険等への加入も
求められることが多いようです。
最近問題になっているのが管理費の問題です、
入居者が減少し、管理費もそれに伴って減少、
そのあおりで居住者への負担が増額となり、
ますます退去者が続くといった負のスパイラル。
共益費や管理費の規定などは
慎重に目を通しておきたいものです。
家賃改定での値上げも考えれば
家賃相場の想定を慎重に行う必要があります。
【賃貸へ転居する場合】
持ち家からでも賃貸から賃貸でも
以下の項目はほぼ確実に発生する費用です。
敷金・礼金
礼金礼金不要はかなり増えたようですが、
敷金に関しては未だに健在な物件が多いようです。
また場合によっては初期家賃(1~3か月分)を前払いするケースも。
仲介手数料
不動産不動産業者を介しての転居であれば当然発生する費用です。
借家人賠償責任補償
転居すれば改めて契約を結ぶことになります。
転居費用
距離や搬送する品数、作業人数等で費用は大きく変動します。
概ね転居に関する費用は一括支払いが殆どです。
下手をすれば100万単位の一時金を用意しなくてはいけません。
【賃貸店舗の場合】
蛇足ですが、
起業・開業を目指し事務所を開設する場合も
上記の費用項目はほとんどそのまま当てはまります。
家賃相場が大きな比重を占めるのは自宅の場合と同じですが、
それ以外に自分の仕事のターゲットユーザーがいる場所でないと
家賃がリーズナブルでも意味がありません。
同様に立地が良くても競合がひしめく様な場所では
安定した売り上げの確保が覚束ないケースも考えなくてはいけません。
立地も顧客層も問題なくても肝心の家賃が想定外の価格では
契約を結ぶのを躊躇して当たり前です。
自身の売り上げ計画、それに基づいた事業計画を確立させておかなければ
事務所と言った「箱もの」だけの存在となり兼ねません。
何事も自分の許容範囲での選択をすること、
賃貸物件の場合は特にこの点に注意が欠かせませんね。