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自分の居場所を持っていますか?

寺田淳

寺田淳

テーマ:50歳からの人生


【今日のポイント】

 行動制限が解除された中で、日常生活を取り戻しつつある中、
自分の居場所がないという悩みを相談されるケースが増えてます。

 年齢は多岐にわたるのですが、やはりシニア世代が過半を占めていました。

 今日は、特にシニアのおひとり様には欠かせないと考える
仕事を離れた中での「自分が寛げる場所」「自分の居場所」について
紹介したいと思います。

【自分の居場所は?】

 定年退職後の相談に、社会との接点を喪った。孤独感が強まった…
といったものがあります。

 会社、同僚、得意先、この3つを同時に消去されてしまい、
それまで社外の、仕事以外の繋がりを持った場を持っていなかったことが
一気に表面化したのです。

 趣味としてやってきたゴルフは、原則4人揃わなければ出来ませんし、
思いついてすぐに出来るものでもありません、高額でもあります。

 麻雀やパチンコの場合は、
逆にいつでもいつまでも出来る点で要注意です。

 趣味の世界に居場所を見出すのは適当な選択です。
ですが、相談に訪れるサラリーマン経験者の中には
「仕事が趣味でした。」と言った「無趣味人間」のケースもあり、
今から新たに趣味を見つけることに抵抗を覚える方も少なくありません。

 もともと在職中から会社とは無縁の趣味の世界を持っている方は
そもそもこの手の相談には無縁の方です。

 では、特にシニア世代の我々にはどんな居場所があるのでしょうか?

【私の場合:その1】

 ここからは私自身の話になります。

 おひとり様の私から見れば、
家庭を持っている方ならば、考えるまでもなく家庭が居場所では?
と、考えるのですが、現実はいろいろあって?そうでもないようです。

 以下の事例は、基本的には「おひとり様シニア」を念頭に置いた
居場所の事例紹介になりますので、その点はご了承下さい。

 さて、おひとり様の場合、
外食を全くしないというケースはまずないでしょう。
さらに、食事=酒を飲む機会というのもごく普通の流れだと思います。

 最初からお酒が主目的と言った方もいるでしょう。

 ただこの場合でも、
仲間同士で連れだってでしか外飲みをしない、または出来ないという方。
一人でも平気、却ってひとり酒が好きといった方。

 いろいろなタイプが混在しています。

 サラリーマンの場合は、
ほぼ毎回同僚や得意先と連れ立っての飲み会が常です。
いわゆる「内輪話」「内輪受け」の話に終始して、お開きという流れです。

 この手の飲み方の場合、
定年や早期退職などで組織から離れた途端に酒場に縁遠くなる、
要は一人では外飲みに行けないという方がいます。

 幸か不幸か、私はサラリーマン時代から一人飲み愛好家でした。 
柵の無い場で、息抜きを兼ねて飲む酒は、また格別な味わいでした。

 その流れで、シニアになった今でも一人で飛び込みで新規開拓も平気です。
さすがに大人数が前提の大箱の居酒屋やビアホール等は無理ですが、
一流の繁華街にあるオーセンティックなバーには足繫く通い詰めています。

 バーカウンターで他のおひとり様のお客さんとも普通に会話しますし、
グループ客の会話にも自然に加わったりすることにも抵抗ありません。

 尋常でない酒の知識を持つバーテンダーとの会話や、
秀逸なオリジナルカクテルや、無名の銘酒を勧められ、衝撃を受ける。

 その話を、今度は初対面のお客との会話のきっかけにしたり、
いつの間にか見知らぬグループ客の会話の輪に参加していた。
など等、ほぼ予想外の出会いとその後の深い繋がりのきっかけとなってます。

 余談ですが、会話の中から業務に繋がる話に拡がったケースや、
その場で受任に至ったケースも、無いわけではありません。

 意図せずして、趣味と実益を兼ねられる場、
私にとってはオーセンティックバーという場所は
終生変わらぬ落ち着ける居場所になると思います。

 「私は下戸だから最初からその選択が出来ません。」

 ある相談者からの言葉(愚痴?)でした。

 ですが、私の知り合いに全くの下戸なのに
無類の「酒場」好きという「変わり種」がいます。

 常にソフトドリンクオンリーですが、
酒の肴系の食べ物が大好き、居合わせたお客さんとのやり取りが
この上なく楽しいというのです。

 居酒屋でも、バーでも、
ノンアルでの来店客はコロナ禍で増加したとの声もありました。
店舗スタッフに聞いてもむしろ歓迎の意向でした。

 変な常識や自身の思い込みに囚われずに、
まずはバーの扉を開いてみては如何でしょうか?

 特に開店直後で、まだ先客がいない時間帯ならば、
マスターやスタッフに、自分が初心者である旨も話し易いでしょう。
店でのマナーや酒の飲み方等をレクチャーしてくれるかもしれません。

 コロナ禍のおかげで、
従来の団体客の大声での会話や嬌声が絶えて久しいです。
仲間同士でしか盛り上がれないような酔客がいない今のうちに、是非。

【私の居場所:その2】

 これはやや特殊な事例になると思いますが、
私の仕事上、墓じまいや改葬、葬儀の選択等の相談で
寺や霊園や納骨堂等の施設に頻繁に出入りしています。

 今は無期限休止状態ですが、
月に1,2回定期的に行われる法話会等の場で
終活関連のセミナーや講習会を開催していました。

 そこでで出会った私より年上の御夫婦や
まだ若い夫婦、さらには配偶者に先立たれた方など等、
色々な人生経験を積んだ方々との日常会話、世間話は
非常に心に響くものがあります。
 
 相談への回答というものは
経験を重ねれば重ねるほど、「定型的な回答」に集約しがちです。 
いつの間にか「自分基準での視点、考え」を垂れ流してしまいます。

 10人いれば10通りの考えや行動がある。
そんな当たり前の事を再認識させてくれる場でもあるのです。

【まずは一歩踏み出す決断を】

 上記の事例は、あくまでも私個人にとっての「居場所」です。
その人に適した居場所は、まだまだいろいろあることでしょう。

 ひとつだけ言えることは、
「初めての出会いを楽しむこと」を心がけて欲しいということです。

 特におひとり様シニアにとっては、
自ら行動を起こさなければ何も始まりません。

 酒場以外にも、
コンサート会場、スポーツ観戦、舞台や観劇、名所旧跡巡りなど等…
一人で出来て、社会との接点となり、自分の居場所になり得る候補は
多岐にわたります。


 終活を前提にするならば、
菩提寺での法話会や季節毎の法要等への参加もいいでしょう。

 私自身若い頃は一ミリも考えていなかった場所ですが、
この年代になると、あまり抵抗なく足を運べると思います。

 どこに居場所を定めるかを考えるだけでも意外に楽しめます。
まずは考えること、そして一歩踏み出す事。

 行動をためらったあげくの孤立感、寂寥感から
引きこもりになるような事態だけは避けて欲しいですね。 

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寺田淳
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寺田淳(行政書士)

寺田淳行政書士事務所

 起業・独立や転職、再就職を考えるシニア世代に対して、現時点での再就職市場の動向や起業する際の最低限の心構えを始め、私自身が体験した早期退職から資格起業に至るまでの経験やノウハウを紹介します。

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