投資物件価格は収益還元法により決まる
皆さんこんにちは。
和不動産の仲宗根です。
今回は【マンション投資は需要と供給が大事!】という内容で書き進めて参ります。
アットホームが2月19日に発表した「全国主要都市の『賃貸マンション・アパート』募集家賃動向(2020年1月)」によると、「平均家賃は、2015年1月比で、東京23区・大阪市・福岡市が好調。特に東京23区のマンションは、全面積体で10%以上上昇。一方、都下と仙台市は同年を越えられず」と公表しました。
東京23区のワンルームマンションの平均家賃について前年同月比で見ると、「30㎡未満(シングル)」が9万217円で前年同月比3.2%増と賃料が上昇しています。
同様に、2019年の11月27日に一般社団法人日本不動産研究所が発表した第13回「国際不動産価格賃料指数(2019年10月現在)」によりますと、東京・大阪の賃料が緩やかに上昇していることがわかります。
10年10月時点の賃料指数を「100」とした場合、それから9年後にあたる2019年10月は、東京が108.7ポイント、大阪が101.6ポイントとなりました。
それでは、なぜ?賃料は上がっているのでしょうか?それは、「需要>供給」になっているからです。
一般的に、不動産を購入するときに一つの指標になる利回りですが、この数字は入居には関係ありません。入居者は、利便性の高い地域で快適な暮らしを求めています。入居者が住みたいと思う物件の「需要」とそこに供給されている物件の「供給」のバランスで、家賃は決定します。
つまり、住みたい物件が余っている=供給のほうが多ければ家賃は下がり、住みたい物件が余っていない=需要のほうが多ければ家賃は上がると考えてもいいでしょう。不動産投資家が得る賃料とは、住居を提供し、その対価として支払われる家賃という対価が「付加価値」を生んでいれば、対価は上がっていくというメカニズムになっています。
投資家が提供する付加価値は、充足していれば価値は下がり、不足していると価値は上がる関係性があるのです。長い間、価値を維持したいのであれば、入居者が住みたい地域の供給が少ない物件を選ぶことがポイントでしょう。近年の東京のワンルームマンション賃貸市場は、「需要>供給」の傾向にあるため、賃料は上昇傾向だということです。
ワンルームマンション規制により23区のワンルームマンションは年間1万個未満の供給に抑えられています。ワンルームマンション規制に関しては、コチラ(https://mbp-japan.com/tokyo/nagomi-fudousan/column/1348824/)で確認ください。
ワンルームマンションは、ホテルやオフィスの需要に負けて、適正な立地に供給することが難しくなっているのが現状です。
一方で、都内の人口は右肩上がりで増えています。人口とは、つまり需要です。東京都の調べによりますと、令和元年(2019年)8月1日時点の東京都の人口は、13,937,664人です。都内の人口は約1300万人と長らく言われてきましたが、2020年の4月を越えれば1400万人を超えるとも言われています。
「対前月増減数の月別推移」を確認しても、1~3月は就職や転勤で若干人口は減りますが、4~5月に3~4万人弱の流入があるため、この時期だけで6~7万人の人口が増加していおり、需要も高くなるのです。
新規のワンルームマンションの供給が年間1万個未満で、人口流入が約6~7万人の状態が続いていれば、需要に追い付かないのは明らかです。不測の状態が続いているわけですから、家賃という付加価値が増しています。
私が代表を務める和不動産の管理物件もこの時期は、物件が足りないので、入居者は内見せずに入居申し込みをするケースがほとんどです。つまり、価値を維持するということは「需要>供給」という当たり前の経済理論が働いているのです。
最近、賃貸仲介会社の苦戦が報道されました。入居者も物件が少ないことを理解している人が多く、新規に物件を探すより、今の部屋に長く住む傾向があるようです。新規の賃貸契約は減少傾向、賃貸の更新は増加傾向のため、ワンルームマンションのオーナー様の空室は少なくなるというメリットが享受されています。そのため、新規契約が減っている賃貸仲介が苦境に立たされているのが現状です。
物件が足りないことが、マンションオーナー様に大きなプラスを生むのは理解していただけたでしょう。一方、人口が減っている地域では、自分の物件が入居者に選んでもらえなければ、入居を確保すること自体が困難になるかもしれません。入居者の需要と、そういったマンション投資パフォーマンス以外の要素もしっかり検討して、収益を確保できる物件を選択していくことが必要でしょう。
最後に、和不動産が地方ではなく都内のワンルームマンション投資をおすすめするポイントをお話ししたいと思います。
①ワンルームマンションを借りる人達のほとんどは、毎日通勤か通学をしています。こういった人達は、1日のほとんどを職場か学校で過ごし、夜眠るために家に帰ります。借り手にとって、最も優先すべきことは職場や学校へ通いやすい立地であること。
大半の場合、電車で移動することが多く、最寄り駅からバスや車、自転車などを使わずに自分の住まいに到着できる物件が好まれます。交通の発達した東京では、徒歩15分でどこかの駅にアクセスできることが、候補のワンルームマンションと言えます。
②ワンルームマンションが誕生した1980年代、その広さは15㎡、バス・トイレ一体型でした。
時代とともにその仕様も変わり、現在人気がある物件は、広さ18~22㎡で、バスとトイレが分離したタイプが主流となっています。
③現在はバス・トイレ別が好まれています。ワンルームマンション投資のための物件を探す時、古い物件では、一体型もありますが、立地がとても良く高い家賃設定が可能なら、リフォームでバスとトイレを別にすることができます。
④カーペット敷きのフロアは家具による凹みが残るため、入居者が代わるたびにカーペットの交換が必要になります。交換費用は敷金アップにもなりますし、張り替えの手間やわずかな数日でも空室期間が長くなれば、長い目で見て利回りにも影響してきます。
これらはワンルームマンション全体の広さや総戸数、物件の広さによって変わってきます。
経済情勢により、これらの経費はアップすることもあります。
ワンルームマンション投資は、できるだけ物件を長期で所有し、利回りの良い家賃収入を得ることが成功のポイントと言えます。たとえ新築ではない中古物件の購入価格が相場より安く売却されても、維持費用が高い場合は実質利回りをよく調査してください。今回の話をまとめると、マンション投資が需要と供給の分析大事ということです。また市場の状況の理解は不可欠です。不動産はローンを組んで購入するような個人としては高い買い物なので慎重さが大事です。
今回のコラムは、ここまでです。最後までお付き合い頂きましてありがとうございます。次回のコラムもお楽しみに!
和不動産 仲宗根和徳