投資用ワンルームマンションはレバレッジを意識しよう

仲宗根和徳

仲宗根和徳

テーマ:マンション経営メリット

本日テーマは、【投資用ワンルームマンションはレバレッジを意識しよう】についてです。

投資用ワンルームマンション運用のレバレッジの効果から見る、資産形成のはじめ時

ある程度の自己資金を有して行うのが、投資の第一段階です。株式などへの投資では、基本的に自己資金以上の投資はできないのが原則です。

それゆえ、いざ投資用ワンルームマンション運用をはじめようとしたとき、まったくの元手ゼロではじめることができないといったことも理解いただけることでしょう。
ただ、マンションをはじめとする不動産投資においては、少額の自己資金を元手により大きな運用を行い、資産形成をすることができます。

そこでポイントとなるのが、日本語で「てこの原理」を意味するレバレッジという考え方です。そして、レバレッジの効果を量るためには、「イールドギャップ」「ROI」という数値があり、そこからも効果的な投資の条件やタイミングを推し量ることが可能となります。

ここでは、超低金利時代である2015年現在と、不動産投資華やかかりし時代であったバブル期との投資に対する考え方の差などの比較も含めて、投資に関わるレバレッジの効果の現実を実際の数値例を元に紹介していきます。

本当の「資産形成のはじめ時」がいつであるのかを読み解くカギとなることでしょう。

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どのような投資にも、まずは原資となる自己資金が必要

投資用ワンルームマンション運用を含め、何かの投資をはじめる際には、当然のことながらいくらかの自己資金が必要になります。そもそも投資とは、何らかの原資を運用などによって増やすことを目的にしたものなので、まったくの元手なしでは、どのような投資も行うことはできません。

例えば株式への投資であれば、値上がりを見越して特定の企業の株式を購入するところから始まるのですが、100円の株式を1万株購入するのであれば、単純に100万円の資金が必要となります。基本的には、この100円の株式がどれほどの値動きをして、どのタイミングで売り買いをするかによってのみ、投資による収益が決まります。自己資金を100万円しか投資にあてることができないのであれば、それ以上の商いはできないのが原則です。

中には、借金をしてまで資金を調達し、株式投資にあてる人もいます。しかし、株式は相場によって大きく値動きする金融商品であり、確実に収益を上げられるという保証はどこにもありません。仮に大きく値下がりするなどした場合は、借金の利子と合わせて大きな損益をもたらすことになるのです。

よほどの運がない限り、投資によって借金の返済分まで獲得し、なおかつ大きな収益をもたらすような一攫千金は、限りなく可能性が低いと言わざるを得ません。一般的に、借金をしてまで投資を行うことは無謀なことと言えるでしょう。

不動産投資なら、「レバレッジ」で大きな投資ができる

借金してまで投資を行うということには、その収益の確実性が厳しいという現実があり、参入障壁の高さから二の足を踏む人も多いことでしょう。
しかしながら、こうした現実の中で唯一、安定した収益を見込みながらローンを活用して行うことができる投資があります。それが、不動産投資なのです。

ローンといえども借金の一種ですから、上記の株式投資の例と同じく、大きな危険性を感じる人もいるかも知れません。
しかし不動産投資は、元々の商品の価格が高額であるため、借入を前提として購入しなければならないケースがほとんどです。投資用ワンルームマンション運用でいえば、東京23区内の中古ワンルームマンションは、安くとも1000万円以上の値がついています。一般的に考えれば、全く借入をせずに自己資金で1000万円貯めることは現実的でありません。それゆえ、投資用ワンルームマンション運用になかなか踏み切ることができないのではないでしょうか。

そこで知っておくべきなのが、「レバレッジ」という考え方なのです。
レバレッジとは、日本語で「てこ(レバー)」による作用のことです。機械の一部などに存在する「レバー」という言葉自体は、日常的に馴染みのあるものでしょう。小学校の授業などで聞き覚えのあるように、てこ(レバー)を利用することによって、小さな力で重い荷物を動かすという効果のことを「てこの原理」と呼びます。

不動産投資における「てこの原理=レバレッジ」は、てこの原理における力点(力をかけるところ)が自己資本であり、作用点(力点にかかる力によって動くところ)が実際に運用する資産であると置き換えれば良いでしょう。つまり、小さな自己資本によって大きな資産を運用し、より高い収益を生み出すことをレバレッジと呼ぶのです。

具体的には、例えば100万円の自己資金を持ち、ローンという他人資本を利用することで1000万円の物件を購入して運用、高い利回りで安定した収益を上げるということが、不動産投資においてレバレッジの効果を活かすということになります。

前述したように、投資用ワンルームマンション運用は、決して安価なものではありません。そのため、ローン利用によるレバレッジの効果も見込まなければ、資産を所有して運用することはできません。
一方で、こうしたレバレッジの仕組みを知り、上手く活用することができれば、その効果は長期的に見て大きなものとなり、より確かな資産形成につなげることができるのです。

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現実的な数字を当てはめて、レバレッジの効果を実感

実際の金額を当てはめて、投資用ワンルームマンション運用のレバレッジを確かめてみましょう。
先ほどの例の通り、自己資金100万円、借入900万円で1000万円の投資用ワンルームマンション運用をするケースを見てみます。年利2.5%で借入期間25年の場合、月額の返済額は約4万円になります。

現状において、東京23区内の中古ワンルームマンション運用の利回りは4~6%とされていますので、仮に6%=年間想定家賃60万円(維持管理費・修繕積立金・諸経費を含まない手取り額。月額5万円)に設定した場合、家賃をそのままローン返済にあてることができます。返済期間中は常に満室であることを前提条件とすれば、オーナー様は1円も出費することなく、最終的に1000万円の資産を形成できる、ということになるのです。

25年で1000万円の現金を貯めようと思えば、銀行等の定期預金金利を考慮しても、最低でも月額3.3万円ほどの積立が必要となります。積立にあてるということは、月額においてその分だけ手元に残る現金が少なくなることと同義です。しかしレバレッジを利かせたマンション投資においては、オーナー様の現金が手元から出て行くことはありません。
これらの計算は、諸条件によって細かな差異はありますし、不確定要素も多く存在します。ただ、現金貯蓄よりレバレッジを利かせた投資用ワンルームマンション運用が、いかに資産形成しやすいかを一目瞭然で比べることができるでしょう。

また、ローンを完済する25年後以降は、月額の家賃がそのままオーナー様の収入となります。一般的にマンションの耐用年数は60年以上あると考えられますから、残りの35年間は安定した収入が期待できることになります。
加えて、計画的に繰り上げ返済を行うことで、1000万円の資産形成に至るまでの期間は大幅に短縮できますし、その分だけ安定収入をより早く見込むこともできるのです。
将来的な安定収入を望むのであれば、まずレバレッジの効果を期待してマンション投資を行うことが効率的であり、いかに現実味のあるものかが容易に想像していただけることでしょう。

「イールドギャップ」で、レバレッジの効果を判断する

では、そのレバレッジの効果は、どのような基準によって判断されるものなのでしょうか。
ある物件を購入する際に借入を行い、そのレバレッジの効果を考えるとき、有効か否かの目安となるのが「イールドギャップ」という数値です。
レバレッジはそもそも、投資を行うために借り入れをするのですから、その借入によって投資の利益が上がらなければ意味がありません。その借入によって期待できる利益の値がイールドギャップと呼ばれるもので、投資対象となる商品(この場合、中古ワンルームマンション)の利回りと借入金利の差によって現され、投資による成果の一つの判断基準となります。

先ほどの1000万円のマンションをローンで購入した例で、イールドギャップを計算してみましょう。ここでは計算上、自己資金無し・1000万円全額を借入したと仮定します。
手取りの年間想定家賃を60万円としたとき、1000万円の購入価格から計算すると利回りは6%です。これは、現状の東京23区内の中古ワンルームマンションにおける利回りの一般的なレベルの数値です。
一方、近年の借入金利は2~2.5%前後という非常に低い値で推移しているため、こちらも一般的な数値として1000万円の借入に対する金利を2.5%と置きます。

上記の数値の場合、見た目上の利回りである6%から、返済の金利である2.5%を差し引いた3.5%がイールドギャップです。これは、1000万円の投資に対する成果が3.5%=35万円に値するという評価になります。

不動産業界における評価基準としては、投資用ワンルームマンション運用におけるイールドギャップは、3%程度あれば家賃収入だけでローン返済を行うことができる数値であると考えられます。
元金の返済や納税などもあり、計算上の値である35万円がそのまま手元に入ってくる訳ではありませんが、この35万円は投資による収益の源泉と考えるべきものです。つまり、イールドギャップの値がプラスであれば、そのマンションに投資したオーナー様に利益が生じているという判断となります。
また、しっかりとした資産形成を目指して投資用ワンルームマンション運用を行うのであれば、逆算してこれらの数字を意識し、確実にプラスの数値を確保できる物件・条件を選択すべきなのです。

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バブル期と低金利時代の現在における投資効率の差

こうした収益効率の判断材料とするべく、不動産投資が華やかに行われていたバブル経済全盛期には、投資用ワンルームマンション運用によってどの程度のイールドギャップがあったのかを比較対象として紹介します。
当時の投資用ワンルームマンション運用は、3000万円クラスのものが一般的でした。これは、バブル崩壊によって物件価格が大幅に下落した現行の価値においては、先述した1000万円のマンションと同程度の投資対象とみなすことができます。

しかしバブル期において、このクラスのマンションにおける手取り計算の利回りは1~2%ほどしかない物件が多く、利回りによる利益を生じさせることは難しい状況でした。加えて、バブル期における3000万円の借入金利は8~9%と高い水準にあったため、イールドギャップは少なく見積もっても6%以上のマイナスであったとされています。

簡単にいえば、バブル期のマンション投資は、主に転売による売却益を見込んだ一時的な投資でした。そのため、現在からは想像もできないような低い利回りの数値であっても意に介することなく、それが現実的な値であると認識されていたのです。このような投資の方法は、決して安定した収入が見込めるものではなく、バブル崩壊のような出来事があれば価値は急落し、投資の有用性が簡単に崩れ去ってしまうという、半ば博打的な投資であったのです。

もしバブル期に、利回りが2015年現在と同等の6%程度あったとしても、バブル期のような高金利の時代においては、イールドギャップは大きなマイナスを示します。家賃収入だけでローンを返済し、利益を生じさせることは至難の業であったことが理解いただけることでしょう。

比べてみれば、2015年現在のイールドギャップ3.5%のプラスというのが、いかに有益な数字であるのかがわかります。今後、大きな社会情勢の変化があっても、投資用ワンルームマンション運用資による収入の安定性が揺らぐことはないでしょう。
仮に、バブル崩壊のようなことがあって、投資したマンションの価格が30%も下落したとしましょう。それでも家賃が急激に下がることはありませんから、相対的に手取りの利回りが上がるという現象が起きるのです。1000万円のマンションの価値が700万円に下がったとき、手取り家賃が下がらなければ利回りは8.5%にまで跳ね上がり、むしろより大きなプラスのイールドギャップを生むこととなります。

バブル期のような高金利時代は、すでに過去のものとなりました。現在のような低金利時代は大きなプラスのイールドギャップを生み出す時代であり、投資用ワンルームマンション運用にはうってつけのタイミングであることがわかります。

レバレッジ効果によって生み出される「ROI」に注目

投資に対する成果の基準としてのイールドギャップを計算してきましたが、前提としていたのは「自己資金無しで、全額借入」という条件です。実際のところは、相応の自己資金がなければ、1000万円の借入は難しいことでしょう。

1000万円程度の借入を行う際には、10%程度の自己資金を有していることが最低条件となります。より現実的な収益の成果を判断する上では、自己資金に対する収益の比率を考慮する必要があります。この比率をROI(Return On Investment=出資に対する利回り)と呼び、自己資金に対してどれほどのリターンがあり、資産がどのように増えていくのかを判断する指数となります。

先述の1000万円のマンションを購入価格の10%にあたる自己資金100万円を元金に、900万円の借入を利用して購入したとしましょう。金利2.5%、25年返済(元利金等方式)としたとき、年間の返済額はおよそ49万円です。これが、投資にかかる年間の支出額となります。

1000万円の物件で利回りを6%として考えると、年間の収入額は60万円。先ほどの支出と合わせると年間の収支は11万円のプラスです。つまり、「100万円の自己資金で、年間に11万円のリターンがあった」という計算となり、出資に対する利回りの指標であるROIは11%という高い数値になるのです。また、年間に11%の利回りがあるということは、自己資金は9年ほどで回収できることにもなります。
もともと6%というスペックのある投資用ワンルームマンション運用が、11%もの利回りを期待できる物件とみなすことができるのが、レバレッジの効果によるものなのです。

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確実な資産形成のはじめ時

ここ数年は、2020年の東京オリンピック開催などをにらみ、中古マンションの価格相場は上昇気流にあります。不動産取引の目安となる公示価格を見ると、東京は前年比1.9%上昇、また商業地に限れば2.9%という高い水準で上昇しています。もちろん、これらは中古ワンルームマンションにおいても、購入価格に反映されていくことになります。
しかし、徐々に高くなる物件価格だけを見ていては、本当の買い時、投資のはじめ時を逃す可能性が高いのです。

都心におけるワンルームマンションは、新規建築の規制などがあり、供給が滞りがちです。一方で、東京を目指して転入してくる若者世代は全国レベルで見れば上昇傾向にあります。つまり、需要過多の状態あり、人気の高い優良な中古ワンルームマンション物件は数が限られるため、投資用ワンルームマンション運用として購入するのはまさに「早い者勝ち」の状態なのです。

ここまで見てきたレバレッジ・イールドギャップ・ROIという3つのキーワードや社会情勢、人の動きなどから現在の超低金利時代を紐解けば、価格が上がりはじめた現在においても、投資用ワンルームマンション運用には今がチャンスであるということができます。
さらに、バブル期のように売却益という一時的な儲けを期待するのではなく、長く物件を持ち続けて安定した収入を得続けることを考えるのであれば、少しでも早く投資用ワンルームマンション運用をはじめることで、確実な資産形成を行うのが最適であると言えるでしょう。

今回のコラムは、ここまでです。最後までお付き合い頂きましてありがとうございます。次回のコラムもお楽しみに!

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仲宗根和徳
専門家

仲宗根和徳(不動産コンサルタント)

株式会社和不動産

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仲宗根和徳プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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