9月の入塾は、特にこんな方たちに向いています!
お盆明けに、旧知の先輩から電話をいただきました。岐阜県揖斐郡、すなわち西濃地方にお住まいで、昔お世話になった短歌の結社、「歌人舎」での唯一の男性先輩歌人だった方です。私が名古屋に住んでいた頃は、栄で飲み、名東区の私宅に泊まってもらって、翌日また飲んだことなどもありました。
お電話を下さったのは、拙著『さらば北陸本線 鉄路の韻き』をお読み下さり、「そして揖斐川~『しらさぎ』との出会い」に関連して、ご当地のことや西濃の人の気風など、お聞かせ下さるためでした。はじめて耳にすることで印象に残ったのは、岐阜県の美濃の中でも(岐阜県は「美濃」と「飛彈」から成ります)、西濃は近江(現滋賀県)の影響が強いということでした。そして東濃は、信州の影響が強いということです。地理的に考えればなるほど、というところですが、こうしたことは、やはり実地にお住まいの方に伺うからこそ、身に迫る力を帯びるものです。「言葉」についても西濃は、近江経由で関西のそれに近いということを教えていただきました。
近江の影響が強いということは、「近江商人」の考えがしみとおっていることでもあるそうです。その近江商人を象徴する言葉として、「三方よし(さんぽうよし)」を知っているかとたずねられ、私は率直に、「はあ、聞いたことはあります」とお答えしました。たしかにいく度か、何かの記事で読んでいて、その言葉には覚えがあったのです。
その「三方よし」とは、「売り手よし、買い手よし、世の中よし」だそうです。「買い手よし、売り手よし、世の中よし」(Ⓒ三方よしを世界に広める会2010)としているサイトもありました。まさに近江商人を創業者に持つという伊藤忠商事も、ホームページで「『商売において売り手と買い手が満足するのは当然のこと、社会に貢献できてこそよい商売といえる』という考え方」であると解説しています。たしかにそのような内容を以前読んだ覚えはありましたが、電話を下さった先輩とお話ししていて、それはまさに塾のことではないかと私は考えました。
塾においては「買い手」にあたるのが生徒と保護者です。そして塾は「売り手」の側であり、この業種においては特に前者に重きを置くべきだと私は考えていますが、買い手である生徒に常に良い教育を提供するためには売り手の経営的な充足も不可欠のことであり、その両者に「よし」が必要なのは自明のことです。また、塾の教育が学校等公教育の足りない部分を補い、育てた生徒たちがその学びを生かして自己の人生を充実したものとしてくれるなら、「世の中よし」の世の中にも、大きく貢献するといえるでしょう。
加えて、わが言問学舎には、「真の国語」教育で子どもたちの国語力を豊かにするという、塾および出版社としての責務があります。平成16(2004)年の会社設立時の定款に記載して内容を追究しつづけ、実際に出版事業に進出してから5年になりますが、正直に言って出版事業の方は、まだまだ「三方よし」の境地に至ってはおりません。来年からの新企画を含め、二十年かけてすすめて来た出版事業を「三方よし」とするべく、さらに力を尽くす所存です。どうぞよろしくお願い申し上げます。
2024年5月刊『国語のアクティブラーニング 音読で育てる読解力 小学2年~4年対応3』
ISBN978-4-9910776-9-2 A4判150ページ 定価2200円(本体2000円+税)
2024年7月刊『さらば北陸本線 鉄路の韻き』
ISBN978-4-9913636-0-3 B6判290ページ 定価1650円(本体1500円+税)
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小田原漂情
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