夏期講習2024言問学舎・「立つ」と「立てる」など(算数の文章題に関して)

テーマ:総合学習塾・言問学舎

 算数の文章題です。校門から運動会特別ゲートまで30メートルの直線の通路の両側に、5メートル間隔で旗ざおを立て、旗をつけます。最初の旗は、立っている校門の柱に直接つける時、旗ざおは何本必要ですか。運動会特別ゲートも、これから立てる旗ざお(最後の1本)で作ります。次の中から正解を選びましょう。

①14本 ②12本 ③10本 ④7本 ⑤6本

 今日、5年生にこの問題を出してみました。3人の生徒の答えは、①が1人、④が1人、③が1人でした。③と答えた子は、植木算の原則が今一つよくわかっていなかったと思われ、④の子は「両側」の見落とし(その時はもう少しわかりにくかったので、「通路の」をあとから加えました)、①の子は、植木算の原則がしっかりわかっていて両側もわかっていましたが、1本目の「立っている校門の柱に旗をつける」の条件に戸惑ったようです。正解は②となります。

 この問題で、ポイントは「立つ(立っている)」と「立てる」です。国語の文法で言えば、「立つ」は自動詞、「立てる」が他動詞で、他動詞の方が「旗ざおを」などの目的語を必要とします。

 ① を答えに選んだ人は、校門側から数えて1つ目の旗は「もともと」立っている校門の柱を使うことに、気づかなかったと思われます。問題文は「もともと」をわざと省いているため、30÷5=6に、1つ目(手前の旗)の1を足し、両側だから✕2と考えてしまったのでしょう。いっぽう、正解の②を選んでいても、植木算の原則「両端に植える時は+1が必要」ということを知らずに、単純に30÷5=6だけで答えたのだとしたら、単にラッキーな◯であるに過ぎないです。

 何にせよ①を選んだら、「立てる」旗が何本必要かを考える問題なのに、「立って(立つ の連用形+接続助詞の て)いる」校門の柱につける旗の分を数えてしまったための間違いです。

 もちろん、5年生では(6年生でも)、日本語の「自動詞」「他動詞」は、まだ教わっていません。小学生のうちから「国語の文法」として知っている必要もありませんが、知っていても良いことです。何より、自動詞、他動詞という文法の知識でなく、その言葉が表しているところ(意味内容)を理解できることが重要です。

 算数の文章題では、このような微細な言葉の差異を知らないと解けない問題が、ままあります。今日はひとつの例として「立つ」「立てる」という自動詞、他動詞の問題を上げましたが、文の形や言葉遣いで悩んでしまう問題には、いろいろな種類があります。計算は得意でも文章の意味がわからずに文章題で得点を下げてしまうのは、何とももったいないですね。

 言問学舎では、小学生の夏期講習の授業は希望する範囲に合わせることもできます。文章題もきちんと教えますので、この夏休みに苦手を克服したい方は、ぜひ言問学舎の夏期講習をご利用下さい。夏期講習説明会は以下の通り今度の三連休(土曜日と海の日)。ほか平日のご相談も(面談は事前予約をお願いしていますが、ふらっとお立ち寄りいただいてもかまいません)歓迎します。

 ◇2024言問学舎夏期講習説明会〈7月分日程〉

・7月13日(土) 09時50分~/13時00分~/17時45分~
          ※午前の会は開始時間変更の可能性があります
・7月15日(月) 11時00分~/13時00分~/17時45分~

※各回とも所要時間は50分程度の予定です。また予約不要、当日飛び込み参加可ですが、全体説明後の個別相談は予約を含む先着順となります。ほか、土曜日のご都合がつかない方は、事前予約制で平日に個別相談を設定致します。

 ご不明な点などありましたら、メールまたは電話で、お気軽に言問学舎舎主・小田原漂情までおたずね下さい。お待ち致しております。


国語力に定評がある文京区の総合学習塾教師
小田原漂情
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小田原漂情
専門家

小田原漂情(学習塾塾長)

有限会社 言問学舎

自らが歌人・小説家です。小説、評論、詩歌、文法すべて、生徒が「わかる」指導をします。また「国語の楽しさ」を教えるプロです。みな国語が好きになります。歌集・小説等著書多数、詩の朗読も公開中です!

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