夏期講習2024言問学舎・実際の受験で驚いたこと、困ったこと

テーマ:総合学習塾・言問学舎

 このところつづけて、高校入試の「仕組み」に関することをお伝えしましたので、今日は大学受験、中学受験も含め、実際に入試指導をしていて驚いたことや困ったことを、お話ししたいと思います。少し軽い読み物として、お読みいただければ幸いです。

 驚いたことの筆頭は、MARCH10学科完全合格の男子です。この人は(10年近く前)まずセンターから受けて、センターの国語は大失敗し、半分泣いているような声で電話をして来ました。「先生、しくじっちゃったあ~(泣)」聞いてみると、自己採点結果は89点とのこと。私は即座に笑い飛ばしました。「やっちまったか!そんなもん、きれいさっぱり忘れろ!」何しろ私大のみ受験ですから、センター利用での合格はなくなるにしても、一般入試ではその得点は一切関係ありません。「困ったこと」にすらならない、ただのひとつの失敗でした。センター受験前にも言っておいたことですが、失敗した時はただちに忘れる、それだけを翌日以降も繰り返しました。

 そして迎えた2月。彼は最初に専修を受け、まずまずの手ごたえでした。さらに、つづく法政も。「どうだ、センターなんか関係ないだろう?」納得した彼は言い放ちます。「よーし、このあと全部合格してやる!」そこからつづいた快進撃。法政の合格の際、本人からの報告でしたから、家に電話して、お父さんに「よかったですね」と申し上げました。やはりMARCHの合格は、受験生にとって大きなものですから。お父さんも嬉しそうでしたが、その時点ではまだ誰も考えていなかったMARCH受験大学10学科すべての合格を、彼は成し遂げたのです。最後の早稲田には及ばず、私の後輩として明治(彼は商学部)に進学しましたが、スケジュールもびっしり詰まっている2月の連日の受験を(ラスト以外)すべて合格で切り抜けたのは、何ともすばらしいことでした。ほぼすべてで(笑い話となったセンター以外)国語が稼ぎ頭になっていたと思われます。

 センター試験(現・大学入学共通テスト)は、逆のケースもありえます。その3年後、センターで国語90%(150点中)、日本史91%を取って國學院5学科、武蔵4学科に合格した生徒は、2月の私大一般入試では失速し、第一志望には届きませんでした。本人もすべて受験が終わってから、「(センター9学科合格)あれで少し、気がゆるみました」と本音を言ってくれました。国公立の一次として受ける人はそんなはずもありませんが、私立が本命で共通テスト利用も使おうとする方は、以上のセンター試験にまつわる二例を、参考になさってください。言問学舎の去年(2024年1月・2月受験)の受験生は、共通テスト利用で法政以下6学科の合格を手にした上で、一般でも法政の第一志望学科に合格して進学したのですから、まずまずの成果だったと言えるでしょう。

 困ったことの最大の話は、東京都立高校入試に関することです。言問学舎では、すべての都立一般入試受験者に、冬期講習の最終日から3回、直近3年分の過去問を使用した「実践模試」を受験させます(そのため過去問を購入しても、直近3年分は手をつけないように、と指導しておきます)。そして3回分の平均点と内申点(出たばかりの2学期の通知表の評定)と、「合格の目安」との差を算出して、第一志望をそのまま受験してよいか、第二志望にするべきか、あるいはその中を取り、第一志望の倍率によっては取り下げ・再提出による第二志望への変更を視野に入れるべきか、などの綿密な指導を行なうのです。

 平成20(2008)年の都立一般入試(一次・分割前期)では、旧第4学区の竹早高校は女子の倍率が2倍を超えていました。小6時代から通ってくれていた女子は、素内申が42あり(当時の内申点8割の推薦入試では、合格できませんでした)、先日お伝えした内申3割、入試7割の1000点満点で、入試当日に380点取れば、まず合格できるだろうという見通しでした。そしてその子は、3回の過去問模試で、1回目413点、2回目442点、3回目462点で、平均439点という結果だったのです。受験指導をする先生方も、この事前の成績で不合格になる子がいるとは、まず予測をしないところでしょう。実際に、私も恩師と慕っている家内の中・高時代の塾の恩師の大先達の先生も、「2割落とすとは思わないよねえ」と、言って下さいました。やはり、1割程度得点を落とすことは想定しますが、都立共通問題で2割以上のマイナスが起こるとは、「入試本番の魔物」の恐ろしさを、軽く見てはいけないのです。
 
 受験というものは、時に子どもの一生にかかわることのある重大事である、ということを、私はつねづね語っていますが、それはまさにこのケースのような「入試本番の魔物」の存在を熟知すればこそなのです。

 もちろん逆に、入試は何が起こるかわからない、という鉄則が、プラスになる例もあります。特に中学受験で、「全部受かった」という大成功が出やすいように思います。中学受験では、麻布・栄光学園・海城にトリプル合格した子、鴎友学園女子が第一志望で、豊島岡女子学園とダブル合格した子がします。高校受験では、慶應義塾志木、早大本庄高等学院に合格し、慶應義塾高校も一次は受かった(二次面接の際、志木の合格を申告)子の例が、印象に残ります。みなが強気な子ばかりでなく、三者三様、本当に「受験の妙」を感じるところです。
 
 夏期講習説明会は、7月13日土曜日と、15日の海の日に開催します。すでにご案内している通り言問学舎は小回りの利く少人数制ですから、今からのご相談で、出遅れることなく実りの多い夏期講習にご参加いただくことができます。

・7月13日(土) 09時50分~/13時00分~/17時45分~
          ※午前の会は開始時間変更の可能性があります
・7月15日(月) 11時00分~/13時00分~/17時45分~

※各回とも所要時間は50分程度の予定です。また予約不要、当日飛び込み参加可ですが、全体説明後の個別相談は予約を含む先着順となります。ほか、土曜日のご都合がつかない方は、事前予約制で平日に個別相談を設定致します。

 ご不明な点などありましたら、メールまたは電話で、お気軽に言問学舎舎主・小田原漂情までおたずね下さい。お待ち致しております。


国語力に定評がある文京区の総合学習塾教師
小田原漂情
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小田原漂情
専門家

小田原漂情(学習塾塾長)

有限会社 言問学舎

自らが歌人・小説家です。小説、評論、詩歌、文法すべて、生徒が「わかる」指導をします。また「国語の楽しさ」を教えるプロです。みな国語が好きになります。歌集・小説等著書多数、詩の朗読も公開中です!

小田原漂情プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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