夏期講習2024言問学舎・「併願優遇」とは?

テーマ:総合学習塾・言問学舎

 昨日お伝えした高校受験の仕組みの中で、都内の私立高校の「併願優遇」について、まったく知らない、聞いたことはあるがどんなものかよくわからない、という方も、おられるかと思います。

 まずひと言で説明すると、「併願優遇」とは、「推薦入試に準じ一定の内申基準を満たしていれば、事前相談でほぼ合格がもらえる仕組み」です。

 順序として、「推薦入試」について詳しくご説明します。都内の推薦入試は毎年1月22日から実施されます。大半は、各学校が定める推薦の内申基準を満たしていて、12月15日の在籍中学校からの「推薦相談」が受理された上で受験すれば、確実に合格となるものです(試験を白紙で出したり、面接で悪態をついたりしなければ、です)。

 ただ、早慶及びMARCHの付属高などの「推薦入試」は、示されている「37」「38」「40」といった基準が「受験資格」を示しているだけで、試験の結果で合否が決まる、すなわち「落ちることもある」入試ですから、ご注意下さい。このケースは、2月10日からの一般入試と合わせ、「二度受験の機会がある」ととらえればよいでしょう。ただ入試の難易度は、1月の推薦入試の方が総じて易しいです(ただし中央の付属は、推薦だと5教科が出題されます)。

 先に述べた通り大多数の学校の「推薦入試」は、内申基準を満たしていれば「全員受かる」入試であり、その基準は学校ごと、コースごとに、たとえば「5科10、5科16、9科29」、「5科18、9科30」などのように決められています。また、3科、5科、9科の基準がある場合、「どれか(または2つならどちらか)を満たせばよい」「どれも(すべてまたは両方)満たさなければならない」などの違いがありますから、各校の募集要項で確認し、不明であれば説明会や個別相談会で質問して下さい。繰り返しますが、この基準はそれぞれの学校が独自に決めているものであり、学校の数だけ基準があります。各種入試資料に載っている数字は過去のものが多いですから、受験する人は必ず受験年度のその学校の「募集要項」で確認するようにして下さい。

 そして、この「全員が受かる」推薦入試は、一般に「単願推薦」と呼ばれ、合格したら必ずその学校に入学することが大前提の入試です。合格を辞退することはできません(試験を受けに行かなければ事実上の「辞退」となりますが、合格後の「辞退」はできないのです。入学金等を納めない、本人も学校にまったく顔を出さない、となれば、首に縄をつけて引っ張っていくことはできませんが、在籍中学校からの翌年以降の推薦入試、併願優遇は一切受けつけてもらえなくなるでしょう。ほかの人や学校に迷惑をかけることになります)。

 さて本題の「併願優遇」ですが、「推薦入試」と同様、学校が独自に定める「併願優遇の内申基準を満たし中学校からの推薦相談を経て」受験すれば、ほぼ合格をもらえる仕組みです。ここでは「全員合格」ではなく、あまりに試験の点数が悪ければ、不合格になる場合もあります。ただその「あまりに悪ければ」というのは、300点満点の半分である150点に満たないとか、120点に満たないなど、「入学しても学力的についていけないのではないか」と心配されるような「悪い成績」であって、183点の人は合格で182点の人は不合格、というような、上位から何人までという厳しい競争の結果ではなく、ある意味絶対評価的な、「最低レベルの点数のクリア」が必要だということで、ほぼ確実に合格がもらえる仕組みであることは、間違いありません。

 なぜこの「併願優遇」を利用すべきかというと、受験生(お子さん)の心理面のサポートとして重要だ、ということです。中3の1月から2月、受験本番の時期になると、先述の通りまず1月22日から推薦入試の合格者が出ます。クラスの中で、「自分は決まった」と安心する子が、必ず何人かいるのです。そして2月10日からの一般入試の時期には、併願優遇を含めかなりの数の人が合格を手にしますから、クラスの中で、自分だけまだ合格がないという状況になるかも知れません。都立志望の場合、そこから10日間近く、「もしダメだったらどうしよう」(行き先がきまっていない)という精神状態で本番を迎えるのでは、合格する力があっても失敗してしまうかも知れませんね。それよりも、「万一都立が不合格でも納得できる進学先が決まっている」状態で都立本番の時までを過ごす方が、絶対に有利でしょう。これが、「併願優遇の利用をおすすめする」理由です。

併願優遇の制度は、各学校が設定する者ですから、学校によって、「併願先は都立(公立)のみ」の学校もあれば(この方が多いです)、「併願先が私立でもOK(私立併願可)」の学校もあります。私立併願可の学校の併願優遇をもらえば、より上位の私立高を第一志望としてチャレンジすることもできます。正式な合格がでるのは同時期ですが、12月15日の推薦相談の時点で併願優遇が取れていることは確定するわけですから、やはり安心して第一志望校の勉強に集中することができます。昨年慶應義塾志木高校に進学した子も、都内の私立高の併願優遇を得た上で、一連の入試に挑み、合格を手にしました。なお併願優遇の場合は、もし事前に本命に合格していれば、受験しにいかないことで「辞退」ができます(受験料は納めたままになります)。

言問学舎は、このような入試制度に精通し、一部の私立高校には太いパイプも持っています。併願優遇先との折衝も含め、全力で受験成功のサポートをします。夏期講習説明会は以下の日程です。また事前予約制で個別相談、かつ無料体験授業にも対応致します。ぜひお早めにご相談下さい。

 ◇2024言問学舎夏期講習説明会〈7月分日程〉

・7月6日(土)  13時00分~/17時45分~ 
         
・7月13日(土) 09時50分~/13時00分~/17時45分~
          ※午前の会は開始時間変更の可能性があります
・7月15日(月) 11時00分~/13時00分~/17時45分~

※各回とも所要時間は50分程度の予定です。また予約不要、当日飛び込み参加可ですが、全体説明後の個別相談は予約を含む先着順となります。ほか、土曜日のご都合がつかない方は、事前予約制で平日に個別相談を設定致します。

 ご不明な点などありましたら、メールまたは電話で、お気軽に言問学舎舎主・小田原漂情までおたずね下さい。お待ち致しております。


国語力に定評がある文京区の総合学習塾教師
小田原漂情
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小田原漂情
専門家

小田原漂情(学習塾塾長)

有限会社 言問学舎

自らが歌人・小説家です。小説、評論、詩歌、文法すべて、生徒が「わかる」指導をします。また「国語の楽しさ」を教えるプロです。みな国語が好きになります。歌集・小説等著書多数、詩の朗読も公開中です!

小田原漂情プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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