音読はすべての学力向上の原動力です‐真の国語から「真の学力」へ

小田原漂情

小田原漂情

テーマ:総合学習塾・言問学舎

 先日来、言葉や文章の持つ「音韻」を生かした音読が、お子さんたちの読解力、国語力向上に役立つということを動画でご紹介しています。せんだっての一連はその仕組みの部分をお話しするのが中心でしたから、今日は実際に、お子さんたちの勉強の場でどのようにそれが生きるかということを、ご紹介したいと思います。二つの場面を例にとります。 

①国語で文章を読む場面

②算数など他の教科で生きる場面  の二つです。
  
 まず①について、川端康成の『雪国』の冒頭の文章をお借りします。

<国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。>

https://www.youtube.com/watch?v=vV3jhVRfCI8 動画「雪国」引用部分の音読(及びこの文章の該当部分)

 「音韻」を生かした音読とは、この文章の「国境」「長い」「トンネル」「雪国」などの言葉が持つリズム、アクセント、意味、そしてそれらが組み合わせられて生み出している文章としての味わいを生かして読み、聞き手である子どもたちに、何かを感じとらせることです。それが最初の一文でできていてこそ、国語がさして好きでない、得意でもないお子さんにも、二文目の「夜の底が白くなった。」の味わいが、ある程度伝わるのです。

 もし、好きでも得意でもない子がこの文章を黙読したら、「夜の底、ってなに?」、「それが『白くなった』なんて、わけわかんない」で終わりになる可能性が高いと考えられます。本当はこの文章は、黙読でも十分に味わいのある名文なのですが、例にあげたようなタイプの子どもの場合、「わからない」言葉があるだけで、「No!」となってしまうでしょう。多くの子どもたちにとって、それが「勉強」というものであり、その「Noの壁」をこじ開けて子どもたちを引き込むところに、教員の腕の見せ場があります。

 また②として、わかりやすい算数の文章題の例をあげます。

<仲良しグループでケーキを買うため、6人でお金を集めました。1人400円ずつ集めたところ、
1500円のホールのケーキひとつと、クッキーの小ぶくろが6ふくろ買えました。クッキーは1
ふくろ何円ですか。> 

 このような問題で、いっぺんに最後の答えを考えようとして、「わからない」とお手上げになってしまう子がかなりいます。この問題は式を三つ、立てる必要がありますね。

400×6=2400
2400-1500=900
900÷6=150

の三つです。慣れている子は、自分で問題文を小分けにし、順々に式を立てていきます。それができずに全体をまとめて考えてしまおうとする子には、一緒に音読をしながらスラッシュ「/」を入れさせればいいのです。

 仲良しグループでケーキを買うため、6人でお金を集めました。1人400円ずつ集めたとこ
 ろ(ここでスラッシュ「/」!)、1500円のホールのケーキひとつと(はい、ここでまた
 スラッシュ「/」!)、として、この段階で二つ、式を立てさせます。

 最初は400×6=2400。つぎに2400-1500の答えは?はい、900だよね。じゃあ最後に、 
 つづきを読みましょう。クッキーの小ぶくろが6ふくろ買えました。クッキーは1ふくろ
 何円 ですか。900 円で6ふくろ買えるんだから、式は?かけ算、わり算、どっち?
 (ここでは 図解のヒントも有効です)。は い、わり算だよね、900わる何かなあ?
 そう!900÷6イコ ールいくつ?筆算して・・・はい、150 円が正解!となるわけです。

 この時、必ずしも音読が必須であるわけではありません。しかし音読をさせることで、子どもさんが積極的に問題を解くことに参加します。そして効果的に、「はい、ここでスラッシュ『/』」!」と作業をさせることで、リズムよく解き進むことができ、リズムの中でスラッシュ「/」を引くことも体が覚えていきますから、二段階、三段階で解く文章題を途中で区切るということが、効果的に身について行くのです。ここで「音読」は、その補助的な手段として、体に覚えさせるパートナーの役割を果たしてくれます。

 以上、二つの例をあげさせていただきましたが、言問学舎ではこのように、音読を効果的に用いて小、中、高校生に全教科の勉強をわかりやすく教えています。中・高生が説明文・論説文を解く場合でも、音読をして聞かせた場合の方が、正答率が高く、上達も早いことは、国語で受験を成功させている過去の受験生たちが証明しています(中・高生、特に高校生の音読は国語の授業が主体です)。

 小学1年生から大学受験生まで、8月後半の夏期講習の日程の中で体験授業を受け、9月から入塾されるお子さんたちを、お待ちしております。別途、夏期講習のページに各学年の授業日の予定を掲載します(一両日お待ち下さい)。8月16日以降、ご都合の合うところで体験授業を受けていただき、9月からの勉強に備えていただけます。もちろん、この夏休み中の読書感想文の仕上げや、大学受験の総合選抜・AO入試など至急のニーズにもきちんとお応えします。

 塾そのものは15日までお休みとさせていただきますが、メールは休み期間中もお返事を差し上げます。どうぞお気軽に、言問学舎舎主・小田原漂情まで、ご相談下さい。


国語力に定評がある文京区の総合学習塾教師
小田原漂情
文京区の総合学習塾・言問学舎HP

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小田原漂情
専門家

小田原漂情(学習塾塾長)

有限会社 言問学舎

自らが歌人・小説家です。小説、評論、詩歌、文法すべて、生徒が「わかる」指導をします。また「国語の楽しさ」を教えるプロです。みな国語が好きになります。歌集・小説等著書多数、詩の朗読も公開中です!

小田原漂情プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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