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小田原漂情

国語力に定評がある文京区の総合学習塾教師

小田原漂情(おだわらひょうじょう) / 学習塾塾長

有限会社 言問学舎

コラム

「当事者」の覚悟を持つこと

2021年8月9日

テーマ:小田原漂情

コラムカテゴリ:スクール・習い事

今日は8月9日、長崎で平和祈念式典が行なわれました。言問学舎ホームページの塾長ブログを転載させていただきます。常体のままの文章であることをおゆるし下さい。


 今日は長崎平和祈念式典をテレビで見てから出社した(ここ数年、8月6日と9日は午前中に夏期講習の授業を入れないようにしている)。長崎ではこの1年に亡くなられた被爆者の方が3,202人、これまでに奉安された、名簿に記された人の総数が189,163人に上ったという。

 例年通りの印象的な「献水」(水を求めながら亡くなられた方たちに清らかな水を捧げる)や児童合唱のほか、「平和への誓い」を、被爆当時16歳で、現在は92歳でいらっしゃる岡 信子さんが述べられた。凛としたお声で、当時の詳しい状況を語って下さり、強く胸に迫るものがあった。

 また、田上富久市長の長崎平和宣言では、93歳で世を去られたカトリック修道士、小崎登明さんの遺された言葉が紹介された。長崎市ホームページに掲載されている長崎平和宣言から、その全文を引用させていただく。

 <世界の各国が、こぞって、核兵器を完全に『廃絶』しなければ、地球に平和は来ない。
 核兵器は、普通のバクダンでは無いのだ。放射能が持つ恐怖は、体験した者でなければ分からない。このバ
 クダンで、沢山の人が、親が、子が、愛する人が殺されたのだ。
 このバクダンを二度と、繰り返させないためには、『ダメだ、ダメだ』と言い続ける。核廃絶を叫び続け
 る。
 原爆の地獄を生き延びた私たちは、核兵器の無い平和を確認してから、死にたい。>

 「世界の各国が、こぞって、核兵器を完全に『廃絶』」するために、今年「核兵器禁止条約」が発効した。が、核保有国に加え、日本もこの条約を批准しておらず、せっかく成立した条約の実効性に疑問符がつけられている。だが、田上市長の長崎平和宣言は、明快に次のように述べたのである。

 <この生まれたての条約を世界の共通ルールに育て、核兵器のない世界を実現していくためのプロセスがこ
 れから始まります。来年開催予定の第1回締約国会議は、その出発点となります。>

 そして、日本国政府と国会議員に対し、「第1回締約国会議にオブザーバーとして参加し、核兵器禁止条約を育てるための道を探」ること、さらに「一日も早く核兵器禁止条約に署名し、批准すること」を、はっきり「具体的に」求めたのである。具体的とは、こうしたことを言うのである(6日の首相あいさつ中の「具体的」「現実的」に対して)。

 さらに長崎平和宣言は、昨年からの世界のコロナ禍に関連し、「危機を乗り越えるためには、一人ひとりが当事者として考え、行動する必要があることを学びました。」と述べている。やはり今日8月9日も、ひとりひとりが考え、行動することが重要なのだということが、結論として受けとめられた。しかも長崎平和宣言は、「当事者として」考え、行動することを求めている。私も今までの歩みを点検し直し、さらに具体的に歩をすすめるべきであると思い至った、今年の長崎平和祈念式典であった。

令和3年(2021年)8月9日
小田原漂情

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