立原道造「逝く昼の歌」を朗読しました!

小田原漂情

小田原漂情

テーマ:小田原漂情

 捨てて来たあの日々と 愛していたものたちを
 私は憎むことを学ばねばならぬ さうして
 私は今こそ激しく生きねばならぬ

 立原道造にしてはめずらしく、強い、はげしい調子を含んだ作品です。引用したのはソネット(十四行詩)の第4連ですが、第3連の、「美しい空 うつくしい海 だれがそれを見てゐたいものか!」という最終行を、受けています。

 前回(7/23)、「ゆふすげびと」に関連してご紹介した、信濃追分の「鮎子」と呼んだ女性との別れなどを経て、立原は、「捨てて来た」日々や「愛していたものたち」を憎むことを学び、「私は今こそ激しく生きねばならぬ」という決意を詩にうたうのですが、2年数か月後には、満24歳の若さで世を去ります。

十数年前のことですが、立原道造に関する講演会が、旧鷗外記念本郷図書館でひらかれました。その際、ゲストとして、堀辰雄夫人の多恵子さんが臨席しておられ、私は挙手のうえ発言を許可してもらい、多恵子さんにお言葉をいただくことができました。立原の詩を朗読していて、そのこともなつかしく思い出しています。


 

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

小田原漂情
専門家

小田原漂情(学習塾塾長)

有限会社 言問学舎

自らが歌人・小説家です。小説、評論、詩歌、文法すべて、生徒が「わかる」指導をします。また「国語の楽しさ」を教えるプロです。みな国語が好きになります。歌集・小説等著書多数、詩の朗読も公開中です!

小田原漂情プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

国語力に定評がある文京区の総合学習塾教師

小田原漂情プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼