本郷中学校・2年目の1日入試の結果とこれからのこと

小田原漂情

小田原漂情

テーマ:総合学習塾・言問学舎

 本コラムは、学齢期のお子様を持つ保護者のみなさまに有益な受験・進学情報を提供することを、ひとつの役割と任じております。2013年(平成25年)より、言問学舎からも近いJR巣鴨駅を最寄りとする本郷中学校・高等学校について、特に中学校の2月1日入試参入をテーマとして、何回か記事を書かせていただきました。

 特定の学校に肩入れする意図はありませんが、昨今の男子中学入試最前線でもっとも大きな話題と言える同校のうごきに関しては、これから中学受験に挑む受験生と保護者のみなさまにとって十二分に有益な情報であり、公式の情報を入手できる立場としてお知らせする使命もあると考えて、お伝えして来た次第です。今回お伝えする内容も、同校の公式の資料を、ご承諾いただいた上で引用しますので、みなさまのお役に立てるかと思います。

 ご存じの方も多いと思いますが、本郷中学校は昨年、2014年2月1日から、「1日入試」に参入しました。前年までは、第1回入試を2月2日に実施する「2日校」として、独自の位置を占めていたのです。同校が「1日入試」にかじを切るまでの過程を、縁あって十年あまり、私は見つづけて来ました。

 その「1日入試参入」初年度、注目された応募者数は、308名でした。その結果に対して「十分成功を収めたと言えるのではないか」と、昨年のこの時期にお伝えしたのですが、今年の2月1日の応募者は415名となり、34%、107名の増加という結果です。第2回(2月2日)、第3回(2月5日)の応募者数をあわせて一覧にすると、以下の通りです。

        第1回(2/1) 第2回(2/2) 第3回(2/5)  計
2014年     308       691       662      1661
2015年     415      1020       777      2212

 各回で大幅に増加しており、合計でも33%、551名の増加です。応募者数が受験市場の動向を反映するわけですから、本郷中学校の2月1日入試参入は、完全に受け入れられたと見ることができそうです。

 さて、すこし先のこととして中学受験をお考えの保護者のみなさまのために、「これからの本郷中学校」という視点でお話しさせていただきます。「2日校」であった時代、2日の第1回に本郷中を受けるのは、もちろん同校を第一志望とする人も一定数以上いましたが、日程上、第二志望の受験生が多かったものと思われます。中学入試全体の傾向として、「1日(午前)」に第一志望校を受ける受験生が、もっとも多いからです。

 もちろん、伝統的に2日、3日を入試日としている学校もありますから、1日(と2日)に第二志望(と第三志望)を受け、本命を2日、3日にする受験生もいます。現在は3日に都立中高一貫校(および千代田区立九段中等教育学校)の適性検査がありますから、それらの学校と私立中学との組み合わせも、多いことでしょう。とはいえ、主流を占めるのはやはり「1日が本命」の受験者であり、そこへ都内「2日校」トップクラスの本郷中が割って入る時、どれだけ受験生が集まるか、そしてその学力層は?ということが、業界・市場の注目を集めたのです。

 どれだけ集まるか、ということについては、初年度、2年目で結果が出ており、3年目の来年で、第一段階の評価は固まることでしょう。次に「学力層は?」という問いですが、その最も顕著な答えが出るのは、じつは5年後です。昨年の2月1日入試初年度に入学した学年が、大学入試でどのような結果を出すかが、最も雄弁な結果だからです。

 しかし、その間に受験期を迎える方々は、その結果を待つわけにいきませんね。そこで、本郷中学校・高等学校の昨年と今年の大学合格実績を、参考にしてみたいと思います。

        東京大学合格者数   国立難関4大学合格者数 
2014年     9(8)             29(24)
2015年     9(7)             30(23)
 ※( )内はうち現役。国立難関4大学は、東大、京大、一橋大、東工大

 ちなみに2012年、2013年は、東大が現浪あわせて7名→7名、国立難関4大学は20名→24名と、同校が特進コースで目標としている最難関大学の実績が、上昇中です。私大最難関の早慶上理は4年間で280名→269名→478名→421名と、直近2年間で大幅に実績が伸びています(私大は「合格数」です)。

 当然、この実績を出したのは「2日校」として受験し、入学した人たちです。1日入試で入学した人たちの受験の結果が出るのはまだ先ですが、「1日入試参入」のためにさまざまな施策を実施する中で学力、実績を伸ばして来た本郷中学校・高等学校が、満を持して1日入試を実施し、さらに高い位置をめざしている過程が今であるということが、同校のこの十数年の経過を見る上で、明らかに言えることだと思います。

 男子でこれから中学受験をお考えになるご家庭は、ぜひ本郷中学校を視野に入れておかれると、良いのではないでしょうか。また同校は80名募集で高校入試も実施しています。1年次に数学を1.8年分学習するなど(2年で中学からの生徒と合流するため)、入学するには心がまえが必要ですが、内申素点5科18から受験できる推薦入試など、都内で内申の伸びに悩む受験生にも、注目の受験先と言えるでしょう。

◇学校説明会等、詳細は、同校のホームページをご覧下さい。
 本郷中学校・高等学校ホームページ


国語力に定評がある文京区の総合学習塾教師
小田原漂情
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小田原漂情
専門家

小田原漂情(学習塾塾長)

有限会社 言問学舎

自らが歌人・小説家です。小説、評論、詩歌、文法すべて、生徒が「わかる」指導をします。また「国語の楽しさ」を教えるプロです。みな国語が好きになります。歌集・小説等著書多数、詩の朗読も公開中です!

小田原漂情プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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