都立高校入試の変化の概観と、これからの受験戦略

小田原漂情

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テーマ:総合学習塾・言問学舎

 昨日差し替え後の最終応募倍率が確定した東京都立高校の一般入試(分割前期)は、全日制普通科全体で1.50倍、昨年と同じ厳しい倍率になりました。残り一週間を切りましたが、受験されるみなさんのご成功を、お祈り致します。

 さて、言問学舎では、今回12回目の高校受験だったのですが、きわめて例外的なこととして、通年通塾の中3生のすべての受験が、終了致しました。今年は全員が、結果的に私立第一志望となり、すでに進学先まで決定する運びとなったのです(合格校名は、進学実績の欄に、本日現在の全合格実績として、掲載しました)。

 本日は、言問学舎の高校入試終了(通年生)のご報告とともに、来年以降高校入試を迎えられる方々のために、これまでの私どもの実体験から、都立高校入試を概観してみたいと思います。

 東京都立高校入試に大きな変化が訪れたのは、2008年秋のリーマンショック後、2009年春の入試の時でした。前年まで、都立高校はずっと以前の「都立離れ」から、ゆるやかに「都立回帰」の傾向が進み、全日制普通科の実質倍率は、1.2倍台から1.3倍台へと上昇していました(2008年が1.33倍)。

 ところが2009年に1.38倍(この時の最終応募倍率は1.50倍)に跳ね上がると、その後は1.41倍、1.40倍、1.42倍、1.41倍と、1.4倍台に高止まりしています。昨年は最終応募倍率が1.50倍、実質倍率が1.41倍でしたから、今年もやはり、同程度の高倍率となることでしょう。

 さて、1.3倍台前半ぐらいの時代までは、言問学舎では、「都立は全員合格させる」ことを、第一の方針としておりました。受験校の倍率が1.3倍、1.4倍ぐらいまでであれば、いわゆる合格ラインを超えられるだけの勉強をしていれば、ほとんど失敗することはないからです(倍率が高くなるほど、実際の合格最低点=ボーダーラインが上がってゆきます。2倍近くなれば、合格ラインを超えることもありうるでしょう)。

 しかしながら、2010年以降、実質倍率が1.4倍を超え、1000点満点中700点以上の学校の倍率が軒並み1.5倍を超えるようになってから、厳しいことですが、「都立全員合格」を前提とする受験指導は、むずかしくなりました。

 もちろん、生徒一人ずつに関することとしては、方法は幾通りもありますから、別の話です。今年の中3生たちも、都立をも視野に入れながら、綿密に受験戦略を練り上げて来て、結果的に私立に絞って行くことになったのです(もちろん、中学校の内申との兼ね合いもありました)。都立が激戦で、また来年から選抜方法も変わる中、選択肢がますます多様に広がり、十分な受験戦略が求められることとなります。来春受験のご家庭では、ぜひ早めに志望校選びからスタートして、勉強と高校選び、計画づくりを、うまくすすめていただきたいと思います。

※言問学舎では、来る2月21日土曜日と2月22日日曜日に連続して、今年第2回目の入塾説明会を開催致します。日曜実施の機会ですので、ぜひご参加下さい。詳細は前々回のコラムでご案内しております。受験をがっちり成功させたい保護者のみなさまのご参加を、お待ち致しております。


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小田原漂情
専門家

小田原漂情(学習塾塾長)

有限会社 言問学舎

自らが歌人・小説家です。小説、評論、詩歌、文法すべて、生徒が「わかる」指導をします。また「国語の楽しさ」を教えるプロです。みな国語が好きになります。歌集・小説等著書多数、詩の朗読も公開中です!

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