東京音楽学校

小田原漂情

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テーマ:小田原漂情

 先日お知らせしました通り、このほど教え子が東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校に合格しました。もちろん言問学舎では、中3の一年間の学科の指導、国・数・英の学科試験の指導を、受け持ってのことです。

 じつは私個人としては、この高校への合格に、特別な感慨があります。

 それは、私の敬愛する故藤山一郎先生が、現在の東京藝術大学音楽学部の前身である東京音楽学校のご出身だということです。先生ご在世の頃のVTRなどを拝見しますと、当時は「上野音校」と呼ばれていた、などのお話がよく出て来て、懐かしいです。

 もちろん、東京音楽学校は東京藝術大学音楽学部となったのであり、今回教え子が合格した同学部附属音楽高等学校は戦後あらたに開校されたわけですから、両者が直接つながっているわけではありません。とはいえ、今回の受験に関連しても、略称「藝高」のほか、「音高」という呼び方も耳にしてみると、やはり藤山先生が学ばれた東京音楽学校の系譜につらなる学校、という思いを抱かずにはいられませんでした。

 せっかくの機会ですから、簡単にご紹介させていただくと、藤山先生は東京音楽学校の声楽科を首席で卒業されました。卒業後はクラシックの声楽家としての活躍を期待されましたが、在学中にアルバイトで吹き込んだ『酒は涙か溜息か』(昭和6年=1931年)などが大ヒットしたため、流行歌手の道を選ばれたのです(デビュー曲は同じ昭和6年の『キャンプ小唄』です)。

 このアルバイトは、本名の「増永丈夫(ますながたけお)」でなく、「藤山一郎」名での吹き込みでしたが、そこは音楽学校のこと、歌声から発覚してしまい、「あわや退学」のピンチとなりました。が、目的が家業の苦境を救うためということで1か月の停学処分という寛大な処置で許された、というエピソードが伝えられています。

 塾での受験勉強中も、合い間を見つけて楽典の勉強に精を出す教え子の姿に、写譜のアルバイトもなさった藤山先生の若き日のお姿を思い浮かべたりもした、この一年でありました。教え子の合格を心より祝いつつ、このような感興を味わわせてくれたことに少しく感謝もしたいと、思っています。

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小田原漂情
専門家

小田原漂情(学習塾塾長)

有限会社 言問学舎

自らが歌人・小説家です。小説、評論、詩歌、文法すべて、生徒が「わかる」指導をします。また「国語の楽しさ」を教えるプロです。みな国語が好きになります。歌集・小説等著書多数、詩の朗読も公開中です!

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