9月の入塾は、特にこんな方たちに向いています!
国語では、大問五で『方丈記』が取り上げられました。『枕草子』『徒然草』と並ぶ三大随筆と言われながら、いま中学ではほとんど扱われることのない文章で、特に歌人としての著者鴨長明に着目した座談・文章の引用である点に、新学習指導要領にいうところの「伝統・文化」への意識を感じました。
受験生にとっては、あまりなじみのない文章が主題だったことも含めて(『方丈記』も「鴨長明」も初めて見た、という人も、多かったのではないでしょうか)、若干難易度の高い設問だったかと思われます。特に[問一]では、文章全体の理解がきちんとできていないと、①の抜き出しで正解が書けないと思われます。また、②の抜き書きでは、現代文から抜き出すのか、古文から抜き出すのか、指示を見落とさないようにすることがポイントです。これは、特に来年受験の方へのアドバイスですね。
私ごとですが、長く短歌を書いている身として、長明を歌人として知らしめるこの作問に、非常に心惹かれるものがありました。また、今年の(都立共通問題の)受験生は、高校で『方丈記』を読む時に、深い思いを持って読めるだろうなと感じられ、その意味でも「良い問題」だと思った次第です。
なお、今回は平成17年、18年以来久しぶりに「文法」に分類される設問がありませんでした。とはいえ、平成19年に連用修飾と被修飾の出題があった後、四年間は、文中で用いられている副詞や接続詞などと同じ意味・用法で短文を作れ、という内容のものが続きましたから、厳密に「文法」を問う出題は、都立の共通問題では少ないと言って差し支えないでしょう(この形式の問題が出たとして、一問/5点。今年のように出ない年もあるわけです)。
このことから言えるのは、文法を軽視して良いということではもちろんなく、中学段階で必要な内容を、きちんと押さえておくことが重要だということです。なぜなら日本語の文法は、文語文法(古文での文法)が基本であって、口語文法(現代語の文法)は便宜的にまとめた部分が多く、特に中高生にとって、「口語文法の完成形」というものは、無きに等しいものであるからです。
ですから、中学生段階での文法学習は、
①言葉の単位(文章/段落/文/文節/単語)
②文の成分(主語/述語/修飾語等)
③品詞の分類
④動詞の活用
の4点をきちんと身につけることがもっとも重要で、形容詞・形容動詞の活用や助動詞・助詞の区別といったことは、プラスアルファ程度にとどめておくのがよいと言えます(中高一貫校の生徒の場合は、別の進め方があると思います)。それも、高校で文語文法をしっかり学ぶ時のことを考え、基礎理解・土台づくりであることが重要です。この点については、言問学舎ホームページに当初より掲載している文章がありますので、参考までにご覧下さい。
http://blog3.kotogaku.co.jp/「論文・論述等」→「学習塾における国語指導の要諦」
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国語力に定評がある文京区の総合学習塾教師
小田原漂情
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