私立大学受験の<センター利用>について

小田原漂情

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テーマ:総合学習塾・言問学舎

 大学受験の際に「センター試験」が存在することは、どなたもよくご存じのことですね。前身は国公立大受験の「共通一次試験」であり、いまの大学受験生の親御さんの世代は、ほとんどがこの共通一次の世代に属する方だと思います。

 さて、センター試験に「私大も参加」ということがニュースであったのは、これもずいぶん前のことですね。現在、「センター利用入試」のない私立大学(その大学の全学部で)を探すのが難しいほど、私立大学での「センター利用」は浸透していると思われます。

 この「私大のセンター利用入試」ですが、受験当事者以外には、その存在は知っていても、今一つ実態はわかりにくい、というのが、本当のところかと思います。けっこうな「進学校」の高校2年生でも、実際自分が受ける時にどうなるか、ということは、知らないことが多いのです。

 別段目新しいことではないのですが、かいつまんでその実態をご紹介します。標準的なモデルで、「私大のみ」を受験する場合です。この場合、

  文系  国語・英語および地歴公民のうち1科目
  理系  数学・英語および物化生地のうち1科目
 
 の、合計3科目のみを、国公立受験者(5教科または6教科7科目受験者)同様、同時期に出願して、受験すればよいのです。
 
 そして、センター試験実施日の前後に(出願締切日は大学・学部・方式によって異なります)、希望する大学・学部に出願します。出願先の大学・学部では、出願した受験生の成績が大学入試センターから送付されるのを受け取り、その結果に基づいて、合格者を決定します。

 ここで(多分)わかりにくいのは、自己採点、予備校のセンターリサーチ、そして実際の結果の関係ではないでしょうか。自己採点はあくまで本人が採点するものですから、実際の答案と違っている場合もありますので、100%信じる人は少ないでしょうね。

 予備校の「リサーチ」ですが、これも各予備校の「予測」です。しかも「自己採点」に基づきます。従ってその時点での合否の見通しと、大学入試センターから各大学に送られた答案の採点結果での、その大学・学部ごとの実際の受験者の当日の受験結果による合否判定とが、必ず一致するはずはありません(ちなみに今年の東大理科Ⅰ類の一次では、某予備校の予測が1点単位でぴったり当たったようです)。

 つまるところ、「私大のセンター利用」とは、受験学部・学科の指定する科目を受験し、その結果によって、一般入試とは違うタイミングで合格の可能性が得られるということです。メリットとしては、一度の受験で複数の出願ができるため、(多少)少ない労力で合格の可能性を複数得られることが挙げられます。大学・学部ごとの出題の傾向に合わせる必要がないのですから、この点はたしかなメリットと言えるでしょう。

 デメリット、と言い切ることはないかも知れませんが、私大のみの受験者がセンター利用をする際に念頭におくべきは、国公立受験者の存在です。東大を例にとれば「足切り」が最低8割ラインですから、大半の国公立大受験者は、悪くてもまんべんなく8割、あるいは「ならして」8割以上の得点力をつけるような勉強をしています。そのなかで「必要な3科目」の点数を満たす受験生が、私大センター利用の合格をとりやすいのは、自明のことと思われます。

 従って私大のみの受験者がセンター利用で合格を志すときは、一般入試とは異なる目標設定をする必要があります。そして「センター対策」には、それに特化した勉強法も必要です。

 また、センター利用の発表は、一般入試とほとんど変わらない時期になります。実態としては、「一般入試を受けている最中」、「一般入試の発表と前後して」、結果が届くことも多いのです。

 これらのことを押さえた上で、センターを含めた入試に来春チャレンジする方は、今後の計画を考えてみて下さい。

※「進学実績」に2月14日発表の結果を付け加えました。ひきつづきご覧下さい。

また、過去の合格実績をまとめてご覧になる場合は、言問学舎ホームページの合格実績をご覧ください。

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国語力に定評のある文京区の総合学習塾教師
小田原漂情

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小田原漂情(学習塾塾長)

有限会社 言問学舎

自らが歌人・小説家です。小説、評論、詩歌、文法すべて、生徒が「わかる」指導をします。また「国語の楽しさ」を教えるプロです。みな国語が好きになります。歌集・小説等著書多数、詩の朗読も公開中です!

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