会社員のまま始める2030年勝ち組ビジネス|起業18フォーラム新井一代表が語る「今すぐ動くべき5つの理由と具体的戦略」
ターゲットを変えるのは逃げではない
――新井さん、週末講座の準備で「子育てが一段落した人向け」と決めたのに、実際に申し込んだ3人が定年前後の男性だった、という相談です。一度決めたターゲットは変えてもいいのでしょうか?
新井:変えていいですよ。ただし、気分で変えるのではなく、相手の動きで決めます。起業準備をしていると「最初に決めたことを変えたら、ぶれているように見える」と感じる人が多いですね。でも、払ってくれた人、問い合わせの内容、繰り返し頼まれた用事が同じ方向を向いているなら、見直す理由になります。
――3人申し込んだだけでも、もう変えてよいですか?
新井:そこは急がなくていいです。3人は大事な反応ですが、まだ少ない。先に数えるのは、決めた層に案内文を何回見せたかです。決めた相手に十分見せていないなら、ターゲット変更ではなく、まだ検証前ですよ。
講座を作り直す前に案内文だけを変える
――では、反応が違う層から来た時、最初に何を変えればいいのでしょう?
新井:講座の中身ではなく、案内文の呼びかけからです。パソコン講座なら、教えられる中身は同じでも、「誰のどんな困りごとに役立つか」は変えられます。子育て後の方に向ける文章と、定年前後の男性に向ける文章では、最初の一文が違いますよね。
――中身まで変えなくていいのですね。
新井:はい。別の要望が何度も出てくるまでは、中身を動かしすぎないほうがいい。案内文の見出し、冒頭の一文、相手の困りごと。この3つだけをそろえて、反応を比べます。ここで毎週のように中身まで変えると、何に反応があったのか分からなくなりますから。
見るのは払った人、聞かれる中身、頼まれ方
――変えるかどうかの判断材料は、どこに残しておけばいいですか?
新井:3つです。1つ目は、直近3カ月でお金を払った人。2つ目は、問い合わせで聞かれたこと。3つ目は、想定外なのに何度も頼まれた用事です。どれも、頭の中で悩むより表にしたほうが早いですよ。
――「私は誰に向けたいか」より、「誰が動いたか」を見るのですね。
新井:そうです。日本政策金融公庫の2025年度新規開業実態調査でも、現在の事業に決めた理由は「これまでの仕事の経験や技能を生かせるから」が43.8%で最多でした。ただ、この数字は顧客を決める順番を示すものではありません。経験や技能は残したまま、誰に役立てるかを見直せばいいのです。
2年続けた案を変えて動き出した人もいる
――「せっかく考えた案を手放すのが惜しい」という気持ちもありそうです。
新井:ありますね。起業18フォーラムにも、英語力とアプリ開発の経験を掛け合わせる案を2年続けた方がいました。けれど、実際には事業を始めるところまで進まなかった。そこで生活の周りを見直したら、子育て中の家庭に、家の直しごとを頼める先がないと分かったのです。
――まったく別の方向に見えますね。
新井:でも、本人の経験や調べる力は残っています。向ける先を、地域で家の直しごとを頼みたい人へ移しただけです。受けられる用事を13カテゴリ、120項目以上に仮で分け、これから依頼や聞き取りで絞っていく。ターゲット変更は、過去を捨てることではありません。使う場所を変えるだけです。
変えたあとは同じ文面で一定期間を見る
――最後に、今日から何をすればいいでしょうか?
新井:まず、同じ案内文を見せた人数と、申し込んだ人の年代、頼まれた用事を一つの表にしてください。その結果が最初の想定と違うなら、見出しと冒頭の一文だけを書き直します。
――書き直したら、すぐまた変えたくなりそうです(笑)
新井:そこを我慢する(笑) 案内文の相手を変えたら、確認する期間と閲覧数を仮に決め、その間は文面を変えずに置きます。途中で表現を何度も直すと、相手を変えた効果なのか、言葉を変えた効果なのか分からなくなります。問い合わせが0のまま区切りを迎えたら、元の相手と新しい相手のどちらへ向けるかを記録から決める。ターゲットは、思い込みではなく、払った人と頼まれた用事から決め直していいですよ。最初の決定を守ることより、目の前の反応を読むことのほうが大事です。
起業家インタビュー(聞き手:伊藤純子)
新井一氏プロフィール
起業18フォーラム代表。「会社員のまま6カ月で起業する」方法を伝える起業支援キャリアカウンセラー。キャリア26年以上の実績を持ち、延べ60,000人の会社員の起業をサポート。会社員時代に始めた事業で培ったノウハウ、多数の起業家を生み出してきた実践的技術を武器に、起業支援&集客マーケティングの専門家として活動中。
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