フリーランス・起業家が絶対に避けるべき「3つのNG顧客タイプ」とは? 起業18フォーラム代表・新井一が語る"お断り基準"の重要性
動画編集は、ソフトを覚えれば稼げるのか
――新井さん、今日は「動画編集で月10万円は本当に届くのか」という相談です。未経験の会社員が始める副業として、かなり人気がありますよね。
新井:人気ですね。動画編集は始めやすく見えますし、パソコン1台でできる印象もあります。ただ、ここで最初に誤解しないでほしいのは、編集ソフトの操作を覚えることと、仕事として選ばれることは別だという点です。
――操作できるだけでは足りない。
新井:そうです。Premiere ProやDaVinci Resolveを覚えるのは、ペンの使い方を覚えるようなものです。もちろん必要ですが、それだけでは「何を書くか」が決まりません。動画編集で仕事になる人は、編集技術だけでなく、誰の動画を、どんな目的で、どう見せるかを考えています。
未経験OK案件だけを追うと単価が上がらない
――元記事では、未経験OK案件に応募して低単価から抜けられないパターンが紹介されていました。
新井:よくあります。スクールに通って、案件サイトに登録して、未経験OKだけに応募する。すると、同じような人がたくさんいる場所で比べられます。比べられる基準は、どうしても価格になりやすい。1本いくら、1分いくら、修正込みでいくら。これだと疲弊しますよ。
――月10万円どころか、消耗してしまいそうです。
新井:はい。だから、いきなり案件サイトの海に飛び込む前に、自分がすでに知っている業界を見たほうがいい。医療、教育、出版、士業、建設、介護、メーカー、金融。会社員として関わってきた分野があるなら、そこが入り口になります。
本業の業界知識が編集の武器になる
――動画編集なのに、本業の業界知識が関係するのですか?
新井:かなり関係します。たとえば医療系の発信なら、専門用語の聞き取りや、誤解を招かないテロップが重要です。出版業界なら、著者インタビューの見せ方、書影の入れ方、読者が反応する切り口が違う。業界を知っている人は、ただ切って貼るだけではなく、意味を整えられるのです。
――編集者というより、発信の補佐役に近いですね。
新井:そうです。発信者が困っているのは「動画を切る人がいない」だけではありません。「自分の専門性が伝わらない」「視聴者に刺さる順番が分からない」「長い話を短くまとめられない」。そこを助けられる人は、単価交渉もしやすくなります。
スクール費用を払う前に確認する3つのこと
――では、編集スクールに申し込む前に何を確認すればいいでしょう?
新井:3つあります。1つ目は、過去5年で自分が関わった業界を3つ書き出すこと。2つ目は、その業界のYouTubeやショート動画を3本ずつ見ること。3つ目は、「自分ならここを直せる」と思った箇所をメモすることです。
――それをやってから学ぶかどうかを決める。
新井:はい。何を編集したいかが見えたあとなら、学ぶ内容も絞れます。逆に、ジャンルが決まらないまま高額スクールに入ると、操作は覚えたのに誰に売るかが残ってしまう。ここが一番もったいないですね。最初は無料ソフトでもいいですし、身近な発信者の動画を1本だけモニターで編集してみるのもいいですよ。
月10万円は、件数ではなく継続で作る
――月10万円を目指すなら、どんな組み立て方が現実的ですか?
新井:単発を積み上げるより、継続案件を作ることです。たとえば月2万円の編集補助を5社。あるいは月5万円を2社。もちろん最初からは難しいですが、業界を絞って、発信者の困りごとに合わせれば見えてきます。
――「動画編集できます」ではなく、「この業界の発信を整えます」と言う。
新井:そのほうが強いです。動画編集は、参入しやすい分、同じ言い方をすると埋もれます。でも、会社員として積んできた業界理解をかけ合わせると、急に別の仕事になります。今夜やることは簡単です。自分の本業に近いジャンルの動画を3本見て、「ここを直したら伝わる」と思う点をメモする。それが、あなたの最初の商品設計になるかもしれません。
――ソフト選びより先に、業界と困りごとを見る。かなり順番が変わりますね。ありがとうございました。
新井:こちらこそ、ありがとうございました。
起業家インタビュー(聞き手:伊藤純子)
新井一氏プロフィール
起業18フォーラム代表。「会社員のまま6カ月で起業する」方法を伝える起業支援キャリアカウンセラー。キャリア26年以上の実績を持ち、延べ60,000人の会社員の起業をサポート。会社員時代に始めた事業で培ったノウハウ、多数の起業家を生み出してきた実践的技術を武器に、起業支援&集客マーケティングの専門家として活動中。
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