【中学2年生】「勉強しなさい」では動かない理由|自分で勉強する子との決定的な違い
「今日、学校で友達とけんかした」
「○○ちゃんが一緒に遊んでくれなかった」
「自分だけ仲間に入れてもらえなかった」
子どもからそんな話を聞くと、
保護者としては心配になるものです。
自分の子どもが嫌な思いをしているのであれば、
できるだけ早く解決してあげたい。
相手の子どもに問題があるのなら、
先生に伝えた方がよいのではないか。
あるいは、
自分の子どもにも
悪いところがあったのではないか。
さまざまなことを考えると思います。
特に小学校低学年のうちは、
自分の気持ちをうまく説明できなかったり、
相手の立場を
十分に理解できなかったりすることがあります。
そのため、
友達との間で意見がぶつかることも
珍しくありません。
では、
友達とけんかをすることは、
子どもの成長にとって
悪いことなのでしょうか。
私は、
友達との意見の衝突そのものが、
必ずしも悪いことだとは考えていません。
むしろ、
考え方の違う相手と関わる経験は、
社会性を育てるきっかけになることがあります。
ただし、
すべてのトラブルを
「子ども同士のことだから」と
見守ればよいわけでもありません。
大人が間に入るべき場面もあれば、
子ども自身が
考える機会を残したい場面もあります。
今回は、
小学生の友達関係をテーマに、
子ども同士のトラブルから育つ力と、
保護者や周囲の大人が大切にしたい
関わり方について考えてみたいと思います。
友達と仲良くすることは、意見がぶつからないことではない
私たちは子どもに対して、
よく「友達と仲良くしようね」と声をかけます。
もちろん、
友達を大切にすることは重要です。
しかし、
「仲良くする」とは、
どのような状態を指すのでしょうか。
いつも同じ意見であること。
けんかをしないこと。
相手の言うことを何でも聞くこと。
私は、必ずしもそうではないと思っています。
例えば、
休み時間に
友達と遊ぶ場面を
考えてみましょう。
ある子は鬼ごっこをしたい。
別の子はドッジボールをしたい。
さらに別の子は、
室内で遊びたいと思っているかもしれません。
それぞれが違うことをしたいと思うのは、
自然なことです。
問題は、
意見が違うことではありません。
その違いに、どう向き合うかです。
自分の希望を押し通そうとする子もいるでしょう。
相手に合わせて、
自分の気持ちを言えなくなる子もいるかもしれません。
また、
意見が合わないと、
すぐに遊ぶことをやめてしまう子もいるでしょう。
こうした経験を重ねながら、
子どもたちは少しずつ
人との関わり方を学んでいきます。
例えば、
「今日は鬼ごっこをして、明日はドッジボールにしよう」
「先に10分だけこっちで遊ぼう」
「今日は別々に遊んで、あとで一緒に遊ぼう」
といった解決方法を考えられるようになるかもしれません。
ここで身につけてほしいのは、
単に我慢する力ではありません。
自分の気持ちを伝えながら、
相手にも気持ちがあることを理解し、
折り合いをつける力
です。
この力は、
教科書を読んだだけで
身につくものではありません。
実際に人と関わり、
思いどおりにならない経験をし、
その中で考えることによって
育まれていく部分があります。
また、
相手の気持ちを考えることは、
自分の気持ちを我慢することと
同じではありません。
「相手が嫌がるから、自分の意見は言わない」
という関わり方ばかりでは、
自分の考えを伝える力が
育ちにくくなるかもしれません。
反対に、
「自分が正しいのだから、相手が合わせるべきだ」
という考え方では、
相手との関係を築くことが難しくなります。
自分も大切にする。
相手も大切にする。
その両方を考えることが、
社会性を育てるうえで
重要なのではないでしょうか。
大人がすぐに解決すると、子どもが考える機会を失うこともある
子ども同士がけんかをしていると、
大人は早く仲直りさせたくなるものです。
「どっちが悪かったの?」
「先に謝りなさい」
「仲良くしないとだめでしょう」
こうした言葉で、
その場を収めようとすることもあると思います。
もちろん、
危険な行動を止めたり、
相手を傷つける言動を注意したりすることは
必要です。
しかし、
子どもが何に困っていたのかを
十分に聞かないまま、
大人が結論を出してしまうと、
子ども自身が
考える機会を
失ってしまうことがあります。
例えば、
おもちゃの取り合いになった場面を
考えてみましょう。
一人の子が先に遊んでいたおもちゃを、
別の子が使いたくなった。
そこで言い争いになったとします。
大人がすぐに、
「先に使っていた子が優先だから、あなたは我慢しなさい」
と伝えれば、その場は収まるかもしれません。
しかし、
それだけでは、
子どもが相手の気持ちを考えたり、
別の方法を探したりする機会は
少なくなります。
そこで、状況が落ち着いているのであれば、
「どうしたかったの?」
「相手の子は、どうしたかったと思う?」
「二人とも楽しく遊ぶには、どうしたらよさそう?」
と聞いてみることもできます。
最初は、
うまく答えられないかもしれません。
「だって、使いたかったんだもん」
と、自分の気持ちだけを話すこともあるでしょう。
それでも構わないと思います。
まずは、自分の気持ちを言葉にする。
次に、相手にも違う気持ちがあることに気づく。
そして、どうすればよかったのかを考える。
こうした過程そのものに意味があります。
また、
子どもがけんかをしたときに、
必ずその場で仲直りさせる必要があるとは限りません。
怒っているときや悲しいときには、
落ち着いて話し合うことが
難しい場合もあります。
そんなときには、
少し距離を置き、
気持ちが落ち着いてから
話をする方がよいこともあるでしょう。
私は、
大人の役割は、
すべてのトラブルに答えを出すことではなく、
子どもが解決方法を考えられるように支えること
だと考えています。
ただし、
ここで誤解してほしくないことがあります。
子どもに考えさせることと、
子どもだけに解決を任せることは違います。
まだ自分の気持ちを言葉にすることが難しい子には、
大人が言葉を補ってあげる必要があります。
相手の話を聞くことが難しい場合には、
順番に話せるように手助けすることも必要です。
大切なのは、
大人が一方的に解決するのではなく、
子どもが解決の過程に
参加できるようにすることです。
その積み重ねが、
次に同じような場面に出会ったとき、
自分で考える力につながっていくのではないでしょうか。
子どもが困っている姿を見ると、
大人はつい先回りして助けたくなるものです。
しかし、
子ども自身が考え、
やり直す経験にも大切な意味があります。
この点については、
以前のコラムでも詳しくお話ししています。
関連記事
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「見守る」と「放置する」は違う。大人が介入するべき場面とは
ここまで、
友達とのトラブルを通して
育つ力についてお話ししてきました。
しかし、
すべてのトラブルが
成長につながるわけではありません。
特に注意してほしいのが、
いじめや暴力、
継続的な仲間外れなどの問題です。
例えば、
特定の子どもが
繰り返し悪口を言われている。
何度も仲間外れにされている。
嫌がっているのに、からかいが続いている。
物を隠されたり、叩かれたりしている。
こうした状況を、
「子ども同士で解決する力を育てたいから」と
見守るだけではいけません。
いじめは、
単なる意見の衝突や
一時的なけんかとは異なります。
子どもが心身の苦痛を感じている場合には、
周囲の大人が状況を把握し、
安全を確保することが重要です。
また、
子ども同士の力関係にも
目を向ける必要があります。
例えば、
一人の子どもに対して、
複数の子どもが
強い言葉を向けている場合です。
表面的には言い争いに見えても、
対等な関係ではないかもしれません。
年齢や体格、立場の違いによって、
一方が自分の気持ちを言えない状況もあるでしょう。
こうした場合に、
「自分たちで話し合いなさい」
と任せることは、適切ではない場合があります。
私は、
大人が介入するかどうかを考える際には、
少なくとも次のことを
確認する必要があると思っています。
その場に危険はないか。
一方の子どもだけが我慢を強いられていないか。
同じようなことが繰り返されていないか。
子どもが安心して自分の気持ちを話せる状態か。
こうした点に問題があるのであれば、
大人が積極的に関わる必要があります。
また、
子どもから友達とのトラブルについて
相談されたときには、
最初から「あなたにも悪いところがあったんじゃない?」と
決めつけないことも大切です。
もちろん、
状況を確認する中で、
自分の子どもにも改善すべき行動が
見つかることはあるでしょう。
しかし、
最初から責められてしまうと、
子どもは次に困ったことがあっても
相談しにくくなるかもしれません。
まずは、
「そういうことがあったんだね」
「そのとき、どんな気持ちだった?」
「今はどうしてほしい?」
と、話を聞くことから始めてほしいと思います。
そのうえで、
必要に応じて
学校や学童の先生と
情報を共有し、
対応を考えていくことが大切です。
子どもの自主性を尊重することは、
子どもにすべての責任を負わせることでは
ありません。
安心できる環境を大人が守ったうえで、
子どもが自分で考えられる機会をつくること。
私は、
それが本当の意味での
「見守る」ことだと考えています。
社会性は「仲良くできたか」だけでは測れない
友達との関わりについて考えるとき、
私がもう一つ大切にしたいのは、
結果だけで判断しないことです。
例えば、けんかをしたあとに仲直りできた。
これは、もちろん良いことです。
しかし、
仲直りできなかったからといって、
その経験がすべて無意味だったとは限りません。
自分の気持ちを言葉にできた。
相手が嫌だった理由を少し理解できた。
次は違う伝え方をしてみようと思えた。
そうした小さな変化にも、成長があると思います。
また、
友達と仲良く遊べているように見えても、
いつも自分の気持ちを
我慢している子どもがいるかもしれません。
周りに合わせることが上手だからといって、
必ずしも人間関係で困っていないとは限らないのです。
反対に、
自分の意見をはっきり伝える子どもは、
友達と衝突することが多いかもしれません。
しかし、
それだけで協調性がないと
決めつけることもできません。
大切なのは、
自分の意見を伝えたあと、
相手の考えにも
耳を傾けられるようになることです。
私は、
社会性とは、
単に周りに合わせる力ではないと
考えています。
自分の気持ちを理解する。
相手の気持ちを想像する。
意見が違うときに、
どうすればよいか考える。
必要なときには助けを求める。
そして、
相手との関係を大切にしながら、
自分自身も大切にする。
こうした力が、
少しずつ育っていくことが
重要なのではないでしょうか。
学童保育のように、
学校や学年の異なる子どもたちが
一緒に過ごす場では、
さまざまな考え方や遊び方に出会う機会があります。
年上の子どもが
年下の子どもに
遊び方を教えることもあれば、
年下の子どもの発想から
新しい遊びが生まれることもあるでしょう。
もちろん、
年齢や経験の違いから、
意見がぶつかることもあると思います。
しかし、
そうした日常の関わりの中にも、
社会性を育てる機会があります。
私は、
子どもたちに、
ただトラブルを起こさないことだけを
求めるのではなく、
人との関わりの中で考え、
学んでほしいと思っています。
そして、
大人には、
その過程を
丁寧に支える役割があると
考えています。
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友達とけんかをした。
遊びの中で意見が合わなかった。
思いどおりにならず、悔しい思いをした。
こうした経験は、
子どもにとって決して
楽しいものばかりではありません。
しかし、
安全が守られ、
周囲の大人による適切な支えがあれば、
自分とは違う考え方に気づき、
人との関わり方を学ぶ機会になることがあります。
保護者の方には、
子どもが友達とトラブルになったとき、
すぐに「どちらが悪いのか」という結論を出すのではなく、
まずは何が起きたのか、
子どもがどう感じたのかに
耳を傾けていただきたいと思います。
そして、
状況に応じて、
子ども自身が解決方法を
考えられるように手助けしてほしいのです。
もちろん、
いじめや暴力など、
安全や尊厳が脅かされる場面では、
大人が責任を持って対応する必要があります。
子どもの成長を信じて見守ることと、
子どもを守ることは、どちらも大切です。
私は、
子どもたちが人との関わりの中で、
自分も相手も大切にできる力を
身につけてほしいと思っています。
そのために必要なのは、
けんかを一度もしないことではなく、
意見が違ったときに
どう向き合うかを学ぶことではないでしょうか。
未来舎では、
学習面だけでなく、
子どもたちが自分で考え、
行動する力を育てることを
大切にしています。
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