【本の紹介】「すごいね!」だけで大丈夫?子どもの自主性を育てるほめ方・叱り方とは

原田恭兵

原田恭兵

テーマ:書籍紹介

「子どもは、たくさんほめて育てた方が
いいのでしょうか?」

「ほめているつもりなのに、
なかなか自分から行動してくれない」

「つい感情的に叱ってしまい、
あとから後悔することがある」

子育てをしていると、
子どもへの声かけについて
悩むことがあると思います。

子どもが何かできたときには、
ほめてあげたい。

一方で、
間違ったことをしたときには、
きちんと注意したい。

どちらも、
子どもの成長を願うからこその行動では
ないでしょうか。

しかし、
私は、
子どもへの声かけで大切なのは、
ほめる回数や叱る回数ではなく、
その言葉を通して子どもが何を考えるか
ということだと思っています。

今回紹介したいのは、
島村華子さんの著書
『自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方』です。

著者の島村華子さんは、
オックスフォード大学で児童発達学を学び、
モンテッソーリ教育や
レッジョ・エミリア教育の研究に
携わってきた方です。

本書では、
子どもを一人の人格を持つ存在として
尊重しながら、
自主性を育てるための
声かけが紹介されています。

その中でも今回は、
家庭や学習の場面で意識したい
「ほめ方」「叱り方」、
そして子どもの話を聞くことの
大切さについて考えてみたいと思います。

「すごいね!」とほめることが、いつも正解とは限らない

子どもがテストで100点を取ったとき。

初めて一人で着替えられたとき。

絵を上手に描けたとき。

私たちは、
つい「すごいね!」「えらいね!」と
声をかけたくなります。

もちろん、
その言葉自体が悪いわけではありません。

子どもの頑張りを認め、
一緒に喜ぶことは大切です。

しかし、
「すごいね」「えらいね」という評価だけで
終わってしまうと、
子どもが何を頑張ったのかが
十分に伝わらない場合があります。

本書では、
ほめ方のポイントとして、
結果だけでなく、
そこに至るまでの過程や努力、
工夫に注目することが取り上げられています。

例えば、
算数のテストで100点を取った子に、

「100点なんてすごいね!」

と伝えることもよいでしょう。

しかし、そこで終わるのではなく、

「前に間違えた問題を、何度も練習していたね」

「自分で苦手なところを見つけて勉強できたね」

と伝えてみてはどうでしょうか。

すると、
子どもは単に100点を取ったことだけでなく、
そこに至るまでの努力や
工夫にも目を向けられるようになります。

また、
結果が思うようにいかなかったときにも、
同じように考えることができます。

例えば、
テストで目標の点数に届かなかった場合です。

点数だけに注目していると、
子ども自身も「よい点数が取れなかったから、
頑張った意味がなかった」と
感じてしまうかもしれません。

しかし、

「前より計算ミスが減ったね」

「今回は文章問題を最後まで考えられたね」

と具体的な変化を伝えることで、
次に向けて何を続ければよいのかが
見えやすくなります。

もちろん、
努力したことだけをほめて、
結果を振り返らなくてもよいというわけでは
ありません。

できたことと、
これから改善したいことの
両方を確認することが大切です。

私は、
子どもが大人にほめてもらうためだけに
勉強するのではなく、
自分自身で
「前よりできるようになった」と感じられること
が重要だと考えています。

そのためにも、
結果だけを評価するのではなく、
努力した過程や工夫に目を向ける声かけを
大切にしたいですね。

「どうだった?」と聞くことが、子どもの考える力につながる

本書で紹介されているほめ方のポイントには、
具体的に伝えることに加えて、
子どもに質問することも含まれています。

私は、
この考え方が非常に重要だと思っています。

例えば、
子どもが絵を描いて見せに来たとします。

「上手だね!」

と伝えることも一つの方法です。

しかし、そこで、

「この絵は、どんなところを工夫したの?」

「どこが一番気に入っている?」

と聞いてみると、
子どもは自分の作品について考え、
言葉にすることができます。

ここで大切なのは、
子どもの答えを大人が評価することではありません。

子ども自身が何を考え、
どのような思いで取り組んだのかを知ることです。

これは、勉強でも同じです。

例えば、数学の難しい問題が解けたとき。

「よくできたね!」で終わるのではなく、

「どうやって解き方を思いついたの?」

「最初はどこが難しかった?」

と聞いてみる。

すると、
子どもは自分がどのように考えたのかを
振り返ることになります。

このように、
自分の考え方や取り組み方を振り返る経験は、
次に似た問題に出会ったときにも役立つでしょう。

反対に、
何でも大人が答えを教えてしまうと、
子どもが自分の考えを説明する機会は
減ってしまいます。

もちろん、
質問ばかりすればよいというわけでは
ありません。

子どもが疲れているときや、
ただ喜びを共有したいときに、
毎回理由を説明させる必要はないと思います。

まずは、一緒に喜ぶ。

そして、
子どもが話したそうにしているときに、
その考えを聞いてみる。

それくらい自然な関わり方で
よいのではないでしょうか。

大人が一方的に評価するのではなく、
子ども自身が自分の行動を振り返る機会をつくること。

これは、
未来舎が大切にしている
「自分で考える力」にもつながる部分だと
考えています。

叱るときは、子どもをコントロールすることを目的にしない

子育てでは、
ほめる場面ばかりではありません。

約束を守らなかったとき。

危険なことをしたとき。

友達を傷つけるような言動があったとき。

大人が注意しなければならない場面もあります。

しかし、
叱る目的が
「今すぐ大人の言うことを聞かせること」
だけになってしまうと、
子どもがなぜその行動をしてはいけないのかを
考える機会が少なくなるかもしれません。

本書では、
罰によって子どもの行動を変えようとすることの問題点や、
ほうびと罰に頼りすぎない関わり方が扱われています。

ここで、
家庭でよくある場面を考えてみましょう。

子どもが遊んだおもちゃを片づけなかったとします。

そんなとき、

「片づけないなら、もうおもちゃを全部捨てるよ!」

と言いたくなることもあるかもしれません。

確かに、
強い言葉を使えば、その場では片づけるかもしれません。

しかし、
それは片づける必要性を理解したからではなく、
怒られることを避けようとしているだけかもしれません。

そこで、

「おもちゃが床にあると、踏んでけがをするかもしれないね」

「次に使うときに困らないように、どこに片づけようか?」

と伝えてみる方法があります。

もちろん、
年齢や状況によっては、
短く明確に注意する必要もあります。

危険が迫っている場合には、
まず安全を確保することが最優先です。

しかし、
落ち着いて話ができる場面では、
なぜその行動が問題なのか、
次にどうすればよいのかを
一緒に考えることが大切だと思います。

また、
叱るときには、
子ども自身を否定しないことも重要です。

「あなたは本当にだらしない子だね」

ではなく、

「使ったものを片づけずに置いておくと困るよ」

と、問題となっている行動を具体的に伝える。

子どもの人格と、
改善してほしい行動は分けて考える必要があります。

私は、
叱ることの目的は、
子どもを大人の思いどおりに動かすことではないと
思っています。

何が問題だったのかを理解し、
次に自分でよりよい行動を選べるようになること。

そのための関わり方を考えていきたいですね。

自分で考える子を育てるために、まず大人ができること

今回紹介した『自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方』では、
ほめ方や叱り方だけでなく、
子どもの話を聞くことの大切さも
取り上げられています。

この点は、
私が特に大切にしたいと考えている部分です。

子どもに自分で考えてほしい。

自分から勉強してほしい。

困ったことがあっても、
自分で解決できるようになってほしい。

保護者の方なら、
そのような願いを持つことも多いと思います。

しかし、
大人がいつも先に答えを出してしまうと、
子どもが自分の考えを伝える機会は少なくなります。

例えば、
宿題になかなか取りかからない子どもに対して、

「早く宿題をしなさい!」

と指示するだけでなく、

「今日はいつ宿題をする予定?」

と聞いてみる。

子どもが考えた予定が現実的でなければ、
一緒に調整してもよいでしょう。

最初からすべてを子どもに任せる必要はありません。

最初は大人が選択肢を用意する。

次に、親子で相談しながら決める。

そして、
少しずつ子ども自身で判断できるようにする。

このような関わり方も、
自主性を育てる方法の一つだと思います。

一方で、子どもが話している途中に、

「それは違うよ」

「こうした方がいいよ」

と、大人が結論を出してしまうことはないでしょうか。

もちろん、必要な助言をすることは大切です。

しかし、
まずは子どもが何を考えているのかを
最後まで聞いてみる。

そのうえで、一緒に考える。

この順番を意識するだけでも、
親子の会話は変わってくるかもしれません。

大人が子どもの話を聞くことは、
子どもの意見を何でも認めることではありません。

子どもの気持ちを受け止めながら、
必要なルールや約束を伝えていくことも大切です。

私は、
子どもを尊重することと、
何でも自由にさせることは違うと考えています。

子どもが自分で決められる部分は任せ、


その積み重ねが、
自分で考えて行動する力につながっていくのでは
ないでしょうか。

今回の本は、
日頃の何気ない声かけを
見直すきっかけになる一冊です。

「ほめているのに、
なかなか自信がつかない」

「何度叱っても同じことを繰り返す」

「子どもが自分から行動できるようになってほしい」

そんな悩みを持つ保護者の方に、
手に取っていただきたいと思います。

子どもへの声かけを、
明日からすべて変える必要はありません。

まずは一日に一度でも、
結果だけではなく努力や工夫を
具体的に伝えてみる。

子どもの話を途中で遮らずに聞いてみる。

叱る前に、何を伝えたいのか考えてみる。

そんな小さなことから
始めてみてはいかがでしょうか。

未来舎では、
子どもたちが自分で考え、
自分から学ぶ姿勢を大切にしています。

また、
NEXT佐古の学童でも、
子どもたちがさまざまな経験を通して、
自分で考え、
行動する力を育てていきたいと考えています。

子どもを大人の思いどおりに動かすのではなく、
子ども自身が考えて行動できるようになること。

そのために、
私たち大人も日々の声かけを
見つめ直していきたいですね。

今回紹介した本

『自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方』

著者:島村華子

出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン

モンテッソーリ教育や
レッジョ・エミリア教育の考え方をもとに、
子どもの自主性を育てる
ほめ方・叱り方・話の聞き方を紹介した一冊です。

書籍を詳しく見る・購入する

未来舎ホームページはこちら

お問い合わせはこちら

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

原田恭兵
専門家

原田恭兵(塾講師)

学童塾 (株)未来舎

子ども達一人一人をよく見ること、いいところがあったらすぐ褒めること、コミュニケーションをしっかり取ることを重視しています。だからこそ、それぞれの伸ばすべき個性を生かし、人間力と学力を育みます。

原田恭兵プロは四国放送が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

一人一人の個性を見つけ褒めるプロ

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ徳島
  3. 徳島のスクール・習い事
  4. 徳島の学習塾・進学塾
  5. 原田恭兵
  6. コラム一覧
  7. 【本の紹介】「すごいね!」だけで大丈夫?子どもの自主性を育てるほめ方・叱り方とは

原田恭兵プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼