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原田恭兵プロは四国放送が厳正なる審査をした登録専門家です

【子どもとスマホ】どうしてスマホ?キッズケータイではダメですか?

原田恭兵

原田恭兵

テーマ:子育て

「塾に通い始めたから、連絡が取れるようにしたい」

「習い事の送迎のときに連絡したい」

「一人で出かけることが増えて心配」

子どもに携帯電話を持たせる理由はいろいろあると思います。

どれも保護者として当然の心配ですし、
子どもと連絡を取れる手段を持たせることには大きな意味があります。

ただ、子どもたちと毎日接している中で、私は一つ疑問に思うことがあります。

「連絡を取るため」なら、
本当にスマートフォンでなければいけないのでしょうか?

電話をしたい。

メッセージを送りたい。

子どもの居場所を確認したい。

それが目的なのであれば、
キッズケータイなど、
もっと機能を限定した端末という選択肢もあります。

それでも、
なぜ最初からスマートフォンなのでしょうか。

今回は、
子どもにスマホを持たせる前に、
保護者の方に一度考えていただきたいことを
書きたいと思います。

「連絡手段」と「スマートフォン」は同じではありません

まず考えてほしいのが、

子どもに連絡手段を持たせることと、
スマートフォンを持たせることは同じではない


ということです。

スマートフォンを渡せば、
電話やメッセージだけではなく、

SNS。

YouTubeなどの動画。

ゲーム。

Webサイト。

さまざまなアプリ。

なども利用できるようになります。

もちろん、
設定によって利用を制限することはできます。

それでもスマートフォンは、
本来「電話をするためだけの機械」ではありません。

「子どもと連絡を取りたい」という目的のために
スマホを渡すということは、
それ以外の多くの機能も同時に
子どもの手元に置くことになります。

だからこそ、

「スマホを持たせるか、持たせないか」

を考える前に、

「そもそも、わが家が子どもに携帯端末を持たせる目的は何なのか?」

を考えてみてほしいと思います。

子どもたちはスマホで「電話」だけをしているわけではない

スマホを持たせる理由は「連絡のため」でも、
子どもが実際に使う目的はそれだけとは限りません。

SNSを見る。

動画を見る。

ゲームをする。

友達とやり取りをする。

興味のあるものを検索する。

スマートフォンは、
一台でさまざまなことができます。

それは大きなメリットです。

しかし子どもに持たせる場合には、

その「何でもできる」という便利さが、
本当に今必要なのか


も考える必要があります。

特にYouTubeやSNSなどは、

「10分だけ」

と思って見始めても、
次々と新しい動画や投稿が表示されます。

オーストラリア政府のeSafety Commissionerも、
SNSの年齢制限の理由の一つとして、
利用者をより長く画面にとどめるよう促す設計上の特徴を挙げています。

これは、

「子どもの意思が弱いから長時間使ってしまう」

だけの問題ではないということです。

スマホと学力の関係について分かっていること

未来舎では以前から、
スマートフォンと学習の関係を重視しています。

東北大学加齢医学研究所と仙台市教育委員会による研究では、
児童生徒のスマートフォン・通信アプリの使用時間と
学力の関係が調査されてきました。

研究では、
家庭学習時間や睡眠時間などを考慮しても、
通信アプリの使用時間が長い子どもほど
学力が低い傾向が報告されています。

ただし、ここは誤解してほしくありません。

「スマホを持たせたら必ず成績が下がる」と
断定できるわけではありません。

学力にはさまざまな要因が関係します。

それでも、

子どもにスマホを長時間自由に使わせることと
学習との関係について、
保護者が一度立ち止まって考える必要はある

と私は思います。

スマホは「触っている時間」だけの問題ではありません

もう一つ重要なのが集中力です。

OECDがPISA2022の結果を分析した報告では、
学校でデジタル機器によっ
て気が散ることと学習成果との関係が取り上げられています。

特にスマートフォンについては、
学校で頻繁に使用する生徒ほど
注意がそれやすい傾向などが報告されています。

ただし、
OECDもこうした結果だけから
単純な因果関係を断定することには慎重です。

大切なのは、

スマホの問題を「何時間使ったか」だけで考えないこと

だと思います。

勉強中に通知が来る。

友達から返信が来ていないか気になる。

動画の続きが気になる。

SNSの反応が気になる。

実際にスマホを操作していなくても、
意識がスマホへ向いてしまうことがあります。

受験生に限らず、勉強するときには、

勉強以外のことを気にしなくてよい環境を作ること

が大切です。

世界では「16歳までSNSを待つ」という国も出てきました

そして、
子どもとスマートフォンを考えるうえで、
世界では大きな変化が起きています。

オーストラリアでは、
2025年12月10日から、対象となるSNSについて、

16歳未満がアカウントを作成・保持することを防ぐための
合理的な措置を、SNS事業者に義務づける制度


が始まりました。

対象には、

Facebook
Instagram
TikTok
X
YouTube
Snapchat
Reddit

などが含まれています。

ここで重要なのは、

「16歳未満の子どもや保護者を罰する制度」ではない

ということです。

子どもや保護者に罰則を科すのではなく、対象となるSNS事業者側に対応を求めています。

そしてオーストラリアのeSafety Commissionerは、
これを単純な「禁止」ではなく、

SNSアカウントを持つ時期を16歳まで遅らせる

という考え方で説明しています。

これは非常に興味深い考え方だと思います。

「ダメ」ではなく「まだ早い」という考え方

子どもから、

「友達はみんなスマホを持っている」

「みんなSNSをやっている」

と言われることもあると思います。

そこで、

「ダメ」

とだけ言うと、
子どもは納得しにくいかもしれません。

しかし、

「一生使わせない」のではなく、
「今はまだ早い」


という考え方ならどうでしょうか。

オーストラリアの制度でも、
保護者に向けて
「yesかnoかではなく、not yet(まだだよ)と言える」
という趣旨の説明がされています。

スマートフォンも同じではないでしょうか。

高校生になったら。

受験が終わったら。

自分である程度管理できるようになったら。

家庭によってタイミングは違っていいと思います。

「周りが持っているから」ではなく、
「わが家ではいつから持たせるのか」を考える。

それでいいと思います。

では、連絡はどうすればいい?

そこで選択肢になるのが、
キッズケータイなどの機能を限定した端末です。

ここで私が言いたいのは、

「必ずキッズケータイにしてください」

ということではありません。

家庭によって必要な機能は違います。

ただ、

「塾が終わったら連絡してほしい」

「迎えに行く時間を知らせたい」

「何かあったとき電話してほしい」

「子どもの居場所を確認したい」

という目的で携帯端末を持たせるのであれば、

その目的を達成するために、
本当にスマートフォンが必要なのか

は考えてみてもいいのではないでしょうか。

必要なのが連絡手段なら、

まず必要最低限の機能から始める。

そして成長に合わせて、できることを増やしていく。

そういう順番も一つの選択肢だと思います。

一度スマホを持たせてから戻すのは難しい

ここは、子どもたちと接していて特に感じるところです。

スマホを持っていなかった子に、

「まだスマホは持たせない」

と言うのと、

一度自由にスマホを使っていた子に、

「今日からスマホをやめよう」

と言うのでは、意味がまったく違います。

SNS。

動画。

ゲーム。

友達とのやり取り。

それまで当たり前だったものを途中から取り上げれば、
子どもが反発するのも当然です。

だからこそ、

スマホを渡してからルールを考えるのではなく、
渡す前に考えてほしい


と思います。

いつから持たせるのか。

何のために持たせるのか。

SNSはいつから使わせるのか。

夜は何時までなのか。

どこに置くのか。

こうしたことを先に家族で話し合っておくことが大切です。

「みんな持っている」は、持たせる理由になるでしょうか?

おそらく一番難しいのがここです。

子どもから、

「みんな持っている」

と言われます。

保護者としても、

「うちの子だけ持っていないと仲間外れになるのでは?」

と心配になると思います。

その気持ちはよく分かります。

だから、
この問題に簡単な正解があるとは思っていません。

SNSにも、友達とつながったり、
情報を得たり、
自分を表現したりするメリットがあります。

オーストラリアの制度でも、
SNS以外のメッセージング、教育、オンラインゲームなど
一部サービスは対象外とされており、
子どものオンライン活動をすべて禁止する制度にはなっていません。

大切なのは、

「スマホを持たせるか、持たせないか」
の二択にしないこと

だと思います。

連絡手段は持たせる。

でもSNSはまだ待つ。

動画を見る端末は家庭の共有端末にする。

スマホを持たせる年齢を遅らせる。

いろいろな選択肢があります。

スマホを持たせる前に、一度だけ考えてほしい

スマートフォンは非常に便利な道具です。

これから子どもたちが成長していくうえで、
デジタル機器を使いこなす力も必要でしょう。

だから、

「子どもにスマホを持たせることが悪い」

と言いたいわけではありません。

私が保護者の方に考えてほしいのは、

「どうして今、スマホなのか?」

ということです。

連絡するため?

居場所を確認するため?

友達が持っているから?

子どもに頼まれたから?

その理由を一度考えてみてください。

もし、

「子どもと連絡を取りたいから」


なのであれば、

本当にスマートフォンである必要があるのでしょうか。

キッズケータイなど、
必要な機能に限定した端末から始める方法もあります。

そしてスマホを持たせる時期が来たら、
そのとき改めて使い方を一緒に考える。

「持たせない」ではなく、
「持たせる時期を少し遅らせる」。

そんな選択肢があってもいいのではないでしょうか。

すでにスマホを持っている受験生のご家庭へ

すでにスマートフォンを持たせている場合、

「今さらどうすればいいの?」

と思われるかもしれません。

未来舎では、
中学3年生については、
2学期から高校受験が終わるまで、
できる限りスマートフォンを
保護者の方に預かっていただくことをおすすめしています。

夏期講習を通して、
スマホから離れて勉強に集中するようになった生徒たちに
大きな変化が見られたからです。

この内容については、こちらの記事で詳しく書いています。

【関連記事】
「中3の2学期からスマホは親が預かってほしい―夏期講習を終えて感じたこと」
https://mbp-japan.com/tokushima/miraisha1994/column/5233695/

子どもにスマホを持たせる前のご家庭にも。

すでに持たせているご家庭にも。

一度、

「スマホとの付き合い方を家族で考える」

きっかけになればと思います。

未来舎ホームページはこちら

参考資料

・こども家庭庁「青少年のインターネット利用環境実態調査」
子どものインターネット利用状況について毎年度調査している政府統計です。

こども家庭庁「青少年のインターネット利用環境実態調査」

・東北大学加齢医学研究所・仙台市教育委員会
スマートフォンや通信アプリの利用と児童生徒の学力との関係について調査しています。

東北大学「スマホで無料通信アプリを使用すると学力が低下することを明らかにしました」
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2015/03/award20150319-01.html?utm_source=chatgpt.com

・OECD「Students, digital devices and success」
PISA2022をもとに、デジタル機器による注意散漫などと学習との関係を分析しています。

OECD「Students, digital devices and success」

・Australian Government eSafety Commissioner
オーストラリアでは2025年12月10日から、対象SNSに16歳未満のアカウント保有を防ぐ合理的な措置を求める制度が施行されています。

オーストラリア政府「Social media age restrictions

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原田恭兵
専門家

原田恭兵(塾講師)

学童塾 (株)未来舎

子ども達一人一人をよく見ること、いいところがあったらすぐ褒めること、コミュニケーションをしっかり取ることを重視しています。だからこそ、それぞれの伸ばすべき個性を生かし、人間力と学力を育みます。

原田恭兵プロは四国放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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