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なぜ経営者自身がAIを使うべきなのか【経営者にとって「今さら聞けない」AIの話4】

橋本貢

橋本貢

テーマ:経営者にとって「今さら聞けない」AIの話


ここまでの3回で、

・AIとは何か
・何ができて、何ができないのか

について整理してきました。

今回のテーマは、より踏み込んだものです。

「AIは、誰が使うべきなのか」

結論から申し上げます。

経営者自身が使うべきです。

これは「できれば使ったほうがいい」というレベルの話ではなく、構造的にそうならざるを得ない、という話です。

■ なぜ“社員任せ”では機能しないのか


AI活用について、

「若い社員に任せればいい」
「ITに強い人材に任せている」

という声はよく聞きます。

一見すると合理的です。

しかし、このやり方には決定的な限界があります。

それは、「問いの起点が現場に閉じてしまう」という点です。

前回お伝えした通り、AIの価値は「問いの質」で決まります。

では、その問いはどこから生まれるのか。

現場ではありません。

経営です。

・何をやめるのか
・どこに集中するのか
・どの価値を残すのか

こうした問いは、現場ではなく、経営者の視点からしか生まれません。

■ AIは“業務効率化ツール”では終わらない


AIを現場に任せた場合、多くはこうなります。

・議事録作成
・資料の要約
・文章の下書き

確かに効率化にはなります。

しかし、それだけです。

本来AIが持っているインパクトは、そんなレベルにとどまりません。

・意思決定のスピードを変える
・検討プロセスそのものを変える
・経営判断の質を変える

ここに踏み込めるかどうかは、「経営者自身が使っているかどうか」で決まります。

■ 「理解していないものは、判断できない」


経営者の役割の一つは、「何をやるかを決めること」です。

しかし、AIに関してはここで問題が生じます。

「自分が使っていないものは、判断できない」という点です。

どこに使うべきか
どこには使うべきでないか
どの程度任せてよいか

これらは、実際に使ってみなければ、感覚として掴めません。

結果として、

・過小評価する(使わない)
・過大評価する(丸投げする)

のどちらかに偏ります。

これはどちらもリスクです。

■ 経営者が使うことで、何が変わるのか


では、経営者自身がAIを使うと、何が変わるのか。

最も大きいのは、「思考の解像度が上がる」という点です。

たとえば、

・自分の考えを言語化する
・他の視点をぶつけてみる
・仮説を検証する
・前提を疑う

こうしたプロセスを、短時間で何度も繰り返せるようになります。

これは単なる効率化ではありません。

思考そのものの質が変わります。

■ 「伝える力」が変わる


もう一つ、見落とされがちな変化があります。

それは、「伝える力」です。

経営者の仕事の多くは、

・方針を示す
・考えを伝える
・意思を共有する

といった「言葉の仕事」です。

AIを使うことで、

・言語化の精度が上がる
・表現の幅が広がる
・伝え方の選択肢が増える

結果として、組織への浸透力が変わります。

これは非常に大きな差になります。

■ AIは“鏡”として機能する


もう一つ重要な視点があります。

AIは単なるツールではなく、“鏡”として機能するという点です。

曖昧な問いを投げれば、曖昧な答えが返ってきます。
整理された問いを投げれば、整理された答えが返ってきます。

つまり、「自分の思考の状態」が、そのまま可視化される

ということです。

これは時に厳しい体験でもありますが、同時に非常に価値のあるフィードバックです。

■ 今、経営者に起きている分岐


現在、静かに分岐が始まっています。

AIを

・触っていない経営者
・使いこなしている経営者

この差は、今はまだ表面化していません。

しかし、

・意思決定のスピード
・検討の質
・アウトプットの量

といった部分で、確実に差が広がり始めています。

そしてこの差は、時間とともに拡大していきます。

■ 最初にやるべきことはシンプル


では、何から始めればよいのか。

難しいことは必要ありません。

・毎日少し触る
・自分の考えを入力してみる
・壁打ち相手として使ってみる

これだけで十分です。

重要なのは、「理解すること」ではなく「慣れること」です。

■ 次回に向けて


ここまでで、「なぜ経営者自身がAIを使うべきなのか」については整理できたかと思います。

次回は、「AIは魔法ではない――間違いとどう付き合うか」というテーマで、AIの限界と向き合い方を扱います。

ここを誤ると、AI活用はうまくいきません。

実務に直結する重要な論点です。

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橋本貢
専門家

橋本貢(経営コンサルタント)

しずおか経営サポート

表面的な課題ではなく、売上・組織・戦略の根本構造を見極め、本質的な打ち手を実行まで伴走支援します。経営者の意思決定に寄り添い、成果に直結する改善を行います。

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