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ChatGPTは何ができて、何ができないのか【経営者にとって「今さら聞けない」AIの話3】

橋本貢

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テーマ:経営者にとって「今さら聞けない」AIの話


前回は、「そもそもAIとは何か」というテーマで、AIは“考えている存在”ではなく、「それらしさを高精度で予測する仕組み」であることを整理しました。

今回は、より具体的に、

「では実際に、AIは何ができて、何ができないのか」

という点を、実務の視点で整理していきます。

■ 「触ってみたが、よくわからなかった」の正体


ChatGPTを一度は触ったことがある、という経営者は確実に増えています。

しかしその一方で、

「すごいとは思うが、仕事にどう使えばいいのかわからない」
「試してみたが、結局使わなくなった」

という声も非常に多いのが実情です。

ここには明確な理由があります。

それは、

「何を任せればいいのかが分からない」

という点です。

AIは万能ではありません。
しかし同時に、「用途が曖昧なまま使うと、価値が見えない」性質を持っています。

■ ChatGPTが得意なこと


まず、AIが得意な領域を整理します。

一言で言えば、

「言語を扱う知的作業の補助」

です。

具体的には、

・文章のたたき台を作る
・長文を要約する
・情報を整理・構造化する
・複数のアイデアを出す
・視点を広げる
・仮説を並べる

といった用途です。

重要なのは、「ゼロから完成品を作る」ことではなく、

“叩き台”や“素材”を大量に、しかも瞬時に出せること

にあります。

この一点だけでも、仕事の進め方は大きく変わります。

■ ChatGPTが苦手なこと


一方で、苦手なことも明確です。

・事実の正確性が求められる判断
・最新情報への完全な対応
・現場固有の事情の理解
・責任を伴う意思決定

これらについては、AIに任せることはできません。

前回触れた通り、AIは「正しいかどうか」ではなく「それらしいかどうか」で答えを出します。

したがって、

“最終判断は必ず人間が行う”

という前提は外せません。

■ 「使えない」と感じる人の共通点


ここで、実務的に重要なポイントがあります。

AIを「使えない」と感じる人には、ある共通点があります。

それは、

「いきなり完成度を求めている」

という点です。

たとえば、

「ちゃんとした文章を書いてほしい」
「そのまま使える資料を出してほしい」

という期待で使うと、違和感が出ます。

なぜならAIは、「完成品」を出すためのものではなく、

“思考の途中工程を加速するもの”

だからです。

■ AIの価値は「試行回数」を増やすこと


ここで視点を少し変えます。

仕事の質を上げる要素は何か。

多くの場合、それは

・試行回数
・比較検討の数
・思考の深さ

です。

しかし現実には、時間の制約によって、

「1案だけ考えて決める」
「深く考える余裕がない」

ということが起きています。

AIはここに作用します。

・10案出す
・別の視点から考える
・前提を変えて再検討する

これを、ほぼコストゼロで繰り返せるようになります。

つまりAIの本質的な価値は、

“答えを出すこと”ではなく、“考える回数を増やすこと”

にあります。

■ 経営者にとっての正しい使い方


では、経営者はどのように使うべきか。

結論はシンプルです。

「考えるために使う」

これに尽きます。

たとえば、

・事業の方向性を言語化する
・施策の選択肢を広げる
・自分の考えを整理する
・他人に説明する前の下書きを作る

こうした用途であれば、AIは極めて強力なパートナーになります。

逆に、

「任せる」
「判断させる」

という使い方をすると、途端にズレが生じます。

■ 「問いの質」がすべてを決める


もう一つ、決定的に重要な点があります。

AIのアウトプットの質は、

“入力する問いの質”

でほぼ決まります。

曖昧な問いには、曖昧な答えが返ってきます。
具体的な問いには、具体的な答えが返ってきます。

これは裏を返せば、

「問いを立てる力」そのものが、価値になる

ということです。

そしてこの力は、まさに経営者が本来持っているべき能力です。

■ 次回に向けて


ここまでで、

・AIの得意不得意
・「使えない」と感じる理由
・本質的な価値の所在

は整理できたかと思います。

次回は、

「なぜ経営者自身がAIを使うべきなのか」

というテーマに踏み込みます。

社員任せでは見えないもの、経営者だからこそ得られる価値について、より踏み込んでいきます。

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橋本貢
専門家

橋本貢(経営コンサルタント)

しずおか経営サポート

表面的な課題ではなく、売上・組織・戦略の根本構造を見極め、本質的な打ち手を実行まで伴走支援します。経営者の意思決定に寄り添い、成果に直結する改善を行います。

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