うまくいっているのに苦しい会社の正体【コンサルの視点2】

会社には理念があります。
ホームページにも載っている。
社内にも掲示されている。
朝礼で唱和しているところもあるでしょう。
それでも、現場ではほとんど使われていない。
そんな状態の会社は少なくありません。
理念があるのに、機能していない。
これは珍しいことではなく、むしろよくある状態です。
では、何が起きているのか。
多くの場合、理念が「掲げられているだけ」になっています。
つまり、存在はしているが、
意思決定や日々の行動と結びついていないのです。
例えば、
迷ったときに理念に立ち返ることがない。
会議の中で理念が話題に出てこない。
評価や判断の基準に使われていない。
こうした状態では、理念はただの言葉としてそこにあるだけになります。
もう一つの特徴は、
理念が「誰の言葉か分からない」ことです。
立派な文章ではあるけれど、
経営者の実感として語られていない。
社員にとっても、自分ごととして捉えにくい。
その結果、覚えられず、使われず、
次第に存在感が薄れていきます。
理念は、本来とても実務的なものです。
判断に迷ったときの基準であり、
会社の方向を揃えるための共通言語です。
それが機能していないということは、
組織の中に「共通の判断軸」がない状態とも言えます。
では、どうすればいいのか。
新しく理念を作り直すことも一つの方法ですが、
それ以上に重要なのは、
「使われる状態」をつくることです。
言葉として理解されるだけでなく、
自然と口に出る。
場面の中で使われる。
そこまでいって初めて、理念は機能し始めます。
理念は、掲げるためのものではありません。
使われて初めて意味を持つものです。
もし今、理念が少し遠い存在になっていると感じたら、
それは見直すべきタイミングかもしれません。
何を書き換えるかではなく、
どう使われるか。
そこに目を向けることで、
理念の役割は大きく変わっていきます。


