「不純物」と呼ばれるものがいい味を出す
【五行と人生】
前回もちらっとお話ししましたが、東洋医学では陰陽と並んで五行という考え方が基本になっています。
自然界の全ての要素を「木火土金水」の5つに分け、体の中の臓器もこれに対応するという考え方です。
これには、季節や方角、色、味などいろいろなものが分類されているのですが、人の一生もこれになぞらえることができます。
たとえば、春は五行では「木」です。
いろいろなものが生まれ、芽吹き、成長する季節。
色で表すと青。
柔らかく、みずみずしく、初々しいイメージですね。
生き物で言うとまだ幼く若い、まさに「青春」の時期です。
夏は五行では「火」。
火が燃えさかるように心身ともに充実し、発展していく時期です。
色で表すと赤。
人間で言えば働き盛りでエネルギーが旺盛な時期です。
新しく家族を作ったり、仕事も忙しくなる頃ですね。
秋は五行では「金」。
木の実が熟すように生き物も成熟の時期を迎えます。
色で表すと白です。
そして、いろいろな成果物を蓄え、徐々に次の世代へと引き継ぐ準備に入る時期ですね。
冬は五行では「水」。
色は黒です。
水は万物を潤すものですが、冬の時期は水分は少なく、生き物は枯れていく時期です。
人生の最後の時期もこの「冬」の時期にたとえられます。
なので、生き物の最期は「枯れるように死を迎える」のが理想です。
【老いは本当に終わりなのか】
でも、冬の時期はただ枯れるだけではなく、土の下には根っこや種、木の幹の下には新しい芽などを宿し、次の世代の命へとバトンを渡す時期でもあります。
つまり、人生の「老い」の時期にも自分の持つエネルギー(知識や技術も含めて)を新しい命にきちんと引き継ぐ責任があると思うんですよね。
それが「老いた者」の役割だと考えると、老いは必ずしも終わりではないですし、新しいことについて行くのが難しくても経験から最適解を導くことは得意です。
また、年を取った先輩からのアドバイスを、たとえお節介に感じたとしても「老害」の一言で片付けてしまうのは私は何か寂しく感じます。
【でも固執するのはダメ】
老害という言葉はともかく、古い考え方に固執して新しいものを受け入れられないのは確かに「老い」の特徴ではありますよね。
世の中は常に変化していますから、人もその一部として変化を受け入れなければならないと思います。
今は「風の時代」に入ったとか言われて、これからは世の中が今までになく大きく変化していくのだと最近あちこちで聞きます。
自分も変化にちゃんとついて行ける老人になりたいと切に思います。
(この記事は2021年2月のメルマガ記事です。メルマガスタンドの移行に伴い加筆修正してこちらに投稿しました。)
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