人も動物も寛容になれるといいですよね

山路美晴

山路美晴

テーマ:人と犬猫

身近に動物がいる暮らし


以前、TCC セラピーホースパークというところに見学に行きました。

こちらは、引退したサラブレッドを保護する施設です。
昨年までは栗東市内にある仮の施設で、ポニーとのふれあいで障害のある子供達の療育活動を行なっていましたが、新しくオープンした施設でいよいよサラブレッドの保護を始めたそうです。

日本では馬はあまり馴染みのない動物ですよね。
乗馬はお金がかかるし、余裕のある人がクラブに入ってするもの、というイメージ。

あとは、競馬。
こちらはギャンブルですから、あんまり牧歌的な雰囲気ではないですよね。

犬でも猫でもウサギでもそうなんですが、割りと子供の頃から身近にいると馴染みやすいし、仲良くなるのも早いと思います。

周りにいる大人が動物好きなら子供さんも好きになるし、その逆だと「怖い」「苦手」となりやすい傾向があります。

(虫なんかでもそうですよね。)

馬も、やはり身近にいない動物ですから、一般的には「大きくて怖い」「蹴られたら怪我をしそう」と思われがちです。
本当は犬猫以上に人の心によく寄り添う優しい動物なのですが…

いろんな動物が身近にいることで、人間社会に自然に受け入れられる…
そんな世の中になったらいいな〜と思います。


草原の馬


社会が不寛容になっているからこそ


コロナ禍で、世の中が不寛容になっていると言われます。
世間では、マスク警察や自粛警察など、ちょっとでも世間の規範(自分が思い込んでいるものもあるかもしれないのに)からはずれると厳しく糾弾するような方々がいるようです。

でも、これは今に始まったことではなく、もう何年も前から
「小学校や保育園が近くにあると子供の声がうるさいからよそに行ってほしい」
とか、
「除夜の鐘がうるさい。深夜に迷惑」
など、昔は生活に身近にあった物音ですら排除するような傾向にあります。

それが、コロナ禍で人々の気持ちが鬱屈したせいでよけいに目立つようになってきたのかもしれません。

犬や猫に対する反応も同じで、排泄や鳴き声に対して昔よりもより厳しい目が向けられているように感じます。

こんな窮屈な世の中だからこそ、他人に寛容になれるといいのに、と思います。
昔からよく言いますよね、
「子供叱るな来た道だ 年寄り怒るな行く道だ」と。

私は、動物に寛容になれる社会は人にも寛容になれると思うのですが、いかがでしょうか。
それはたぶん、お互いに相手を理解しようと努める社会で、人間同士も住みやすい世の中だと思うんですよね。


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山路美晴
専門家

山路美晴(獣医師)

滋賀ペット治療院

鍼灸・整体など東洋医学に基づく診療で、動物本来が持つ“自分で治ろうとする力”を引き出す。ローラー鍼などの「刺さない鍼」やお灸を用いて、家庭でペットのケアを行う講座を各地で開催している。

山路美晴プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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