木質ペレットボイラーの燃料、種類と選び方
木質ペレットは、ストーブだけでなくボイラーにも用いられていることはご存知でしたか?ここではペレットボイラーの特徴、仕組みや用途をお伝えします。
ペレットボイラーとは
ペレットボイラーとは、製材端材や、建築廃材、間伐材といった木材を原料にした木質ペレットを燃料に用いる温水ボイラーです。木質ペレットを直接燃焼させ、使用目的に応じて温水や温風、蒸気を出すことができる熱交換器です。
ペレットは他の木質燃料と比較してもエネルギー密度が高いだけでなく、形状が均一で扱いやすく、含水率が15%程度と低いのが特徴です。そのためペレットボイラーの燃焼室構造はとてもシンプルで、装置なども比較的安価です。全自動運転ができるため制御も容易で、さまざまな施設に導入しやすいところがメリットです。
ペレットボイラーのしくみ
サイロ(燃料タンク)に入っている木質ペレットが、スクリュー式の搬送装置によってサービスサイロに運ばれ、バーナー部に送られていきます。
点火方法は、電気ヒーターを使用するものと化石燃料の点火用バーナーを使用するものとがあります。点火したら、確実に着火したかを火災報知器が確認します。
ペレットが燃焼するのは、バーナー上部にあるロストルというところ。ロストルが回転して灰を落としクリンカ―の発生を防ぐ構造のものや、灰が自動排出される機能が付いたものもあります。
また、煙管に燃焼ガスが流れ缶体中の水との熱交換が行われることで、煙管ボイラーで水が温められます。水管ボイラーや貫流ボイラーでは、水管の中の水と燃焼ガスで熱交換が行われます。また、貫流ボイラーでは水管の中で沸騰させることで蒸気を出します。
熱交換した後の燃焼ガスは、やがて温度が下がって排ガスになります。排ガスは集塵機を通ってばいじんが取り除かれ、煙突から排出されます。
なお、燃焼パワーは「高燃焼」「低燃焼」そして「停止」など、温度や蒸気圧に応じて自動制御されます。
ペレットボイラーの用途
ペレットボイラーは、給湯や水を温めるのに使われるのはもちろん、冷暖房、殺菌などに用いられる蒸気の供給と、さまざまな用途で活躍しています。
操作性の高さ、比較的コンパクトな大きさからいろんな業種の施設に導入されており、最近では温泉や温水プール、農業ハウス、酒造工場(蒸留)などで利用が進んでいます。
今回は、ペレットボイラーの特徴、仕組みや用途をお伝えしました。ぜひ今後ペレットボイラーへの興味・関心を高めていただければと思います。