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武居知行

管理組合の強い味方になるマンション管理士

武居知行(たけいともゆき) / マンション管理士

株式会社メルすみごこち事務所

コラム

報道には注意して欲しい

2024年2月24日

テーマ:マンション管理士の独り言

コラムカテゴリ:住宅・建物

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240222/k10014368181000.html
こちらのニュースによると、修繕積立金の最低積立額を指導していくという方針のようで、その後の値上げ幅も10%以内にするようにしていくということのようです。
一見こちらの名ようは良いことのように思われますが、
① 毎月の支払額が増えることで、新築マンションの売れ行きに影響が出る
これは別の要素もあり今後新築の販売戸数が減少していくことから、それほど大きな影響ではないかと考えます。
② 既存マンションの区分所有者が誤解する

修繕積立金は一定期間に一定の金額を集めなければ修繕工事をすることができません。
ただし、そのためにどのように積み立てるかは決められていません。
最初に安価な期間があれば、その後(徐々に)高い金額を徴収せざるを得なくなります。
一方、最初からある程度の金額を徴収していれば、その後の値上げは(ほどんど)必要ありません。
これがいわゆる段階積立方式と均等積立方式の違いということになります。
既存のマンションで修繕積立金が不足しているのは、最初の安価な時期が長すぎたがため、または値上げ予定の時期に値上げ幅を計画以下にしていたためで、その結果大きな値上げをしないと修繕できないというケースがほとんど=つまり値上げしなかった管理組合側にも責任があります。
仮に、この内容のまま決定となると既存のマンションオーナーは理事会が提案する10%以上の値上げ案には徹底抗戦、反対票を投じやすくしてしまいます。
これまでの経験で、25年前後で2倍以上の金額にしないと将来不足してしまうという管理組合は多数存在しています。
現在市場では修繕積立金は徐々に値上げの方向に向かいつつあるように感じますが、このレベル感で報道されるとかえって修繕積立金不足に落ちいるマンションが増えるものと感じています。

この内容は『新築時の条件』のような限定を明確にしなければ、市場が混乱すること間違いなしです。

こんなコラムを書いている間に修繕積立金の改定を検討している管理組合の組合員の方から早速投書があったようです。
案の段階とはいえ、値上げは10%となっている。
提案されている内容は、値上の額が高すぎる。記事を読んで提案し直せとのことです。
やれやれ(汗

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