床の耐荷重
私が支援させていただいているマンションは色々あるのですが、築40年、約200世帯の興味深いマンションがあります。
このマンションは、かなり早期から修繕委員会を設置し、修繕積立金を均等化しています。
理事が気がついたのは最初の大規模修繕工事、10年目。
当時は大手の管理会社に全て任せていたとのことです。(当時日本で一番大きい管理会社だったらしい)
ありがちなお任せ工事で大規模修繕工事工事も終了しましたが、熱心な理事は気がつきました。大規模修繕工事は、管理会社が仕掛け、予算を組み、それを自ら受注するという仕組みは、これでいいのか?
これをきっかけに、いろいろと管理会社との間で紆余曲折があり、修繕委員会が発足することとなります。
そして2回目の大規模修繕工事。
管理会社と改修専業の会社を見積り合わせで比較したところ、圧倒的に他社が安いという結果になったそうです。
当時はコンサルもなくインターネットもありません。
建物の修繕に来た業者の作業に張り付き学び、本を読み、仕事の取引先に工事関係者がいればその方に教えを乞い、修繕委員は学び続けたそうです。
そして全て修繕委員が、施工範囲を一から決め、施工会社を探したそうです。
また、この間管理会社も変更し、小さな管理会社にたどり着きました。
それも、ソフト(事務管理)とハード(設備管理)を分けてそれぞれ得意分野に発注するという独自の方法です。
さらに、修繕積立金は2年毎に10年間かけて、当初の設定より約15,000円を値上げしました。これ、25年前の話です。
『現役で働いているうちに積み立てましょう!』ということで値上げを説明。
中には、「他のマンションより高い」というクレームもありましたが、結果を見ればここ25年値上げなしです!
参考までに、このマンションでは耐震補強もしました。窓サッシも全交換しました。一括受電も導入しました。
一時金もなければ、借り入れもありません。
早期から、区分所有者が意識を持って組合運営を考えれば、必ず良い結果になることを証明するような事案です。
最近、築浅マンションから修繕積立金の将来の準備を相談されることが多くなりました。備あれば憂いなし。
理事は動いただけ必ず結果を残せます。
是非先輩マンションの良いところは倣っていきましょう。
なお、このマンションは近いうちに、『マンションのWA』に登場予定です。