似ているけど意味が全然違うIT用語、間違えておぼえるとトラブルの元です!誤用しやすい例とは
パソコンが"できる"ということはどういうことを言うのか?
●以前、パソコンの上達法について述べましたが、最近スマホから「パソコン 上手くなりたい」という検索語でアクセスが来るようになっています。そこで、もう少し掘り下げてパソコンが"できる"ということはどのようなことかお話したいと思います。
●パソコンが得意であるとか上手だとか普通に言いますが、"できる"と言う場合もあります。では"できる"は何を指しているのか、また具体的にどのようなことを言うのでしょうか?
●一般的には、タイピングが早い人のことを言うようですが、他にはパソコンを自作しているなど、趣味系の人のことを言う場合もあります。また、職業で一定のソフトを使いこなしている場合も言うかもしれません。
パソコンが「できる」3つの要素
●ITのトラブル解決や導入、運用管理、保守を業務としているサポートエンジニアから見て、パソコンが"できる"ということを定義すると以下の3つが要素として上げられます。
- パソコンの能力に見合った使い方をしている
- 早くて的確な検索能力
- OSとアプリケーション、ハードウェアのバランスを考えて運用している
●この要素には、一般的に言われている以下の要素は実は入っていません。
- 「タイピングが早い」
- 「ワードエクセルが得意」
- 「無料で便利なソフトをたくさん知っている」
- 「便利なWebサービスをいくつも知っている、使いこなしている」
- 「ブログをやったり、SNSサービスにいくつも登録している」
- 「ホームページを作成できる」
- 「パソコンやタブレットなどをたくさん持っている」
- 「ネットワークでフォルダを共有して複数台で使っている」
- 「写真、ビデオを編集、アップロードできる」
●残念ながらこれらのことはエンジニア視点からはパソコンが"できる"人の要素ではありません。
これらはパソコンが"できる"というよりパソコンが"使える"という範疇になります。
●一定のソフトのつかいこなしや操作上の慣れの上で"使える"事ですので、ここで言うところのパソコンが"できる"というのとは少し違います。
●パソコンはソフトウェアだけでは動きません。ハードウェアだけでも動かず、すべてを総合して動いています。まずそのことを理解して使用しているかどうかが重要です。それが"できる"という要素の柱になります。
●ネットワーク共有設定で端末を複数台使っているからと言って、理想的な環境を構築できているかどうかは疑問です。高価なソフトウェアを購入しても、ハードウェアの対応がなされていないとそのソフトの能力を引き出すことはできません。また、プログラミングが得意でもノートパソコンくらい分解できてほしいですね。
ハードとソフトのバランスを考えた運用が「できる」条件
●プロドライバーのある方が以前、車の専門紙上でこのようなことを言われていました。
「車のコーナーリング性能はタイヤと路面の摩擦係数で決まる。どんなに良いタイヤやサスペンションでも、限界を超えれば自然の法則に従ってプロとかアマチュアなんて関係なく滑り出し、スピンを始める。しかし、プロがちがうところは、その係数を体感で把握しコントロールし、超えないギリギリを維持してスピンさせずに限界最速で走りぬくことが出来るということだ。」
※そのままではないような気がしますがこのような内容でした。
●これは、物と人間との関係の真理を的確に突いています。要するにプロが"できる"ということは何も超人的な振る舞いを言っているのではなく、法則や原理などを把握し知っていてどこが限界かもきちんとわかっている、そしてその中でコントロールが出来るということなのです。
●そこには、自然の法則に対する深い理解のほかに畏怖の念や「謙虚であれ」という哲学的な要素まで含まれていて、単に上手ということとは違って一線を画している境地が窺い知れます。
●分かり易く言えば、剣豪宮本武蔵と佐々木小次郎の決闘の話で「小次郎破れたり!」という場面がまさに"できる"の意味に近いと思います。よく昔から時代劇で「お主、できるな」というセリフがありますが、その意味には、「上手だ」というより本質を理解している事に対しての称賛の意が含まれていると思います。
●ではパソコンが"できる"ようになるためにはどうしたらいいのでしょうか?
後編へ続く・・・https://mbp-japan.com/saga/pc-pro/column/4006093/
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「パソコンがおそい、固まる主な原因」
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