「上棟式」:「建築って何(80)」
2013年の「プリツカー賞」の受賞者に、伊東豊雄さんが選ばれました。日本人では6人目となります。
【「作品」という概念はもう消えたほうがいい】【近代主義は借り物だったのではないか?】《日経アーキテクチュア2013-3-10》という、最近の伊東さんの考え方は正鵠を得ています。建築という重要な責務を負う我々は、社会や個々人と真摯に向き合う姿勢が、今強く求められているのです。
「プリツカー賞」 (The Pritzker Architecture Prize) は、アメリカのホテルチェーン「ハイアットホテルアンドリゾーツ」のオーナーである「プリツカー」一族が運営する「ハイアット財団」 (The Hyatt Foundation) から建築家に対して授与される賞です。
第1回受賞者は米国建築家「フィリップ・ジョンソン」(1979年)です。メキシコ建築の巨匠「ルイス・バラガン」(1980年)、スペインの「グーゲンハイム美術館」設計の建築家「フランク・ゲーリー」(1989年)、フランスの「ポンピドゥーセンター」でおなじみの建築家「レンゾ・ピアノ」(1998年)らが歴代「プリツカー賞」の受賞者です。最初の女性受賞者はソウル東大門(トンデムン)のデザインプラザを設計したイラク出身の「ザハ・ハディッド」(2004年)です。
「プリツカー賞」は「ノーベル賞」のシステムをそのまま借用しています。毎年1月に候補者選定をします。40カ国以上、500人以上の建築家を候補に挙げ、7人の審査委員団が秘密投票で受賞者を選定するというものです。発表は3月末に行われ、授賞式は5月に開かれます。受賞式が開かれる場所は、昨年の受賞者が決めます。受賞者は10万ドルの賞金と建築家「ルイス・サリバン」がデザインしたブロンズメダルを受けとります。
《讀賣新聞2013.03.18夕刊》
《日経アーキテクチュア2013-3-10》
タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所