「空家対策特別措置法(空き家法)」一部施行
新年、改めて地震の「震度」と「建築物」について考察しましょう。
「建築基準法」で想定している建築物の耐震性能は、「中くらいの地震」と「大きな地震」の2段階からなっています。「中くらいの地震」というのは、その建築物が建っている間に、数回程度出会うであろうと思われる「中地震」であり、「大きな地震」とは阪神大震災のような極めてまれに起きる「大地震」です。こうした地震による被災状況は、「中地震」の場合、多少壊れても修理して住み続けることができ、「大地震」では、建築物が使えなくなるくらい壊れたとしても、逃げる間がないほど急な壊れ方はしないものと想定されています。要するに、【法を守っていれば「大地震」に遭遇しても大丈夫】=【死亡することは無い】ということであり、建築基準法は決して【「大地震」でもビクともしない】ということを規定しているわけではありません。
この耐震性能は、1981年に導入された「新耐震基準」からは変わっていません。阪神大震災のときも、2階建ての「木造戸建て住宅」の倒壊率が5割近かった激震地域でも、「新耐震基準」に移行した1985年以降の建築物の倒壊率が1割強にとどまったという調査結果もあり、「新耐震基準」が最低基準としては十分と認識されています。
しかし、「建築基準法」は《最低基準》であり、どんなに強い地震に対しても、「使いものにならないほど壊れては困る」と考える人もいます。そのような人は、耐震性能を法が求める以上に割り増して「大地震」後にも住み続けることのできる家や、免震技術を用いて「大地震」時にもほとんど壊れない家を目指すという考え方が必要になります。
(図は、「日経PBムック」から抜粋)
設計監理/調査鑑定/CM(コンストラクションマネジメント)
タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所