「建築って何?(37)」マンションの給水方式

高塚哲治

高塚哲治

テーマ:建築の仕組み

 各住戸に飲み水を供給するマンションの給水方式は、水道本管から供給される水をいったん貯水槽に貯める「貯水槽方式」と、水道本管からダイレクトに各戸に供結する「直結方式」に大別されます。    
「貯水槽方式」は、建築物の地階や1階、または屋外に設置された「受水槽」に水を貯水し、「圧送ポンプ」で水を蛇□まで送水する「ポンプ圧送方式」と、「受水槽」から屋上に設置された「高置水槽」に水を一旦組み上げた上、重力によって蛇□まで送水する「高置水槽方式」があります。今は、「高置水槽」を新たに採用するケ-スは少なくなっています。
 「直結方式」は、水道本管の圧力のみで供給する3~5階建て以下の小規模マンション/アパート/一戸建て住宅向けの「直結直圧方式」と、「増圧ポンプ」によりの圧力を増圧した上で、高層住宅の蛇□まで供給する「直結増圧方式」があります。
 「直結増圧方式」を採用するには、建築物の規模や立地条件、地域により制約があることから、所轄の水道局に事前確認する必要があります。東京都水道局においては、概ね200世帯のマンションまでは採用可能な状況にしているようです。
 水は、建築物内の給水管を通り供給されます。給水管は、各戸ごとに設置される「量水器」(水道メーター)により分けられ、「量水器」(水道メーター)の上流側を共用部、下流側を専有部分と区分けすることが一般的です。
 古いマンションの給水管には「鉄製」のものが使われていることから、鉄の腐食により飲み水を汚してしまうことがありますが、最近では耐食性の高い「ステンレス鋼管」や錆が発生しない「樹脂管」が使用されています。



設計監理/調査鑑定/CM(コンストラクションマネジメント)
タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所

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高塚哲治
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高塚哲治(建築家)

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大手設計会社での豊富な経験を生かし、多くの欠陥住宅問題を手がけ、日本ではまだなじみの薄いCM(コンストラクションマネジメント)を広く世間に発信し、遂行している

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