「建築って何?(36)」屋根の話:屋根各部の名称

高塚哲治

高塚哲治

テーマ:建築の仕組み

 屋根各部の名称に関する説明です。
【こう配屋根の部位】
①棟:「切妻屋根」「寄棟屋根」「入母屋屋根」等のこう配屋根の屋根面が交わる部分。屋根頂部の 稜線の名称。位置によって大棟(一般に棟ともいう)、隅棟がある。
②隅棟:隅降りともいい、「寄棟屋根」「入母屋屋根」「方形屋根」等の屋根面出隅の稜線。降り棟 のことをいう。
③谷:こう配屋根がL形、T形等の場合にでる屋根面の入隅部分の総称。
④流れ:水はけの傾斜(度合)をいう。屋根の棟から軒までの傾斜、排出溝の排水の傾斜、水上から水 下までの傾斜等の名称。
⑤軒:外周壁面より外に差し出した屋根の部分の総称で、外周壁面、外部建具を風雨から守ること  や、屋内に入る直射日光を調節する役目をする。
⑥軒先:軒端ともいう。軒の先端部分。
⑦軒裏:軒の屋根面の裏面部分、木造建物では軒裏を化粧することを化粧軒裏あるいは化粧天井とい う。軒裏に見える「たる木」「野地板」等に飽がけするなどの化粧をしたもの。また、軒裏に天井 を張ると軒天井という。
⑧けらば(螻羽):切妻屋根の妻端の部分。
⑨妻:妻側といい端(つま、へり、きわ、はし)の同義であり、建築では建築物や部分の側面をい  う。棟と同方向の壁面、切妻屋根の三角形の壁面、戸袋や出窓の側面等の名称。
⑩屋根裏:小屋裏ともいい、屋根の裏側。小屋又は、小屋組の空間、屋根と天井の間の空間をいう。



【陸屋根の部位】
①ペントハウス(penthouse):塔屋ともいう。屋上に突き出している建築物の部分であり、屋上へ の出入口、階段室、エレベーターの昇降路及び機械室、空調設備のクーリングタワー、高架水槽、 換気・装飾塔などが設けられる。
②パラペット(parapet):陸屋根、屋上、吹抜廊下等の先端の壁立ち上がり部分(胸壁ともいう) の総称であり、陸屋根の防水層端部からの雨もりを防ぐのに必要な部分でもある。また、屋上の手 摺(手すり壁)を兼ねることもある。
③屋上(おくじょう):屋根の上。常時人が安全に利用できるようになっている屋根部分。
④ベランダ(verandah):外周壁に沿って張り出している長い廊下状の濡れ縁。
⑤バルコニー(balcony):外周壁から突き出してつくった、屋根のない手すりで囲まれた露台で、 通常2階以上の屋内から露台へ常時出入ができるものをいう。



設計監理/CM(コンストラクションマネジメント)/調査鑑定
タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所

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高塚哲治
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高塚哲治(建築家)

タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所

大手設計会社での豊富な経験を生かし、多くの欠陥住宅問題を手がけ、日本ではまだなじみの薄いCM(コンストラクションマネジメント)を広く世間に発信し、遂行している

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