建築物の骨組み

高塚哲治

高塚哲治

テーマ:建築の仕組み

 一般的に建築物の構造の骨組みは、柱(垂直材)や梁(横架材)のような棒状の部材と、これらを接合する節点から構成されています。2本の柱と1本の梁をピン節点(人体における関節のような結合)によって接合し、柱下部と基礎もピン接合によって支持した最も単純な門型の骨組を考えてみます。このような骨組は、通常、木材によって形成されることが多くなりますが、横方向から地震や風圧による外力(水平力)が作用すると、横方向(あるいは菱形)にたやすく変形し、最終的には崩れてしまいます。この骨組は、不安定な構造となります。
 この骨組の対角線に1本の斜材(筋違:すじかい)を挿入すると、今度は横方向から外力を受けたとしても、容易に変形しなくなり、安定した骨組が形成されます。さらに、対角線方向に2本の斜材を挿入すると、もっと安定した骨組となります。不安定な骨組を安定にする別の方法として、ピン節点の近くにピン接合された短い斜め材(方杖:ほうづえ)を挿入することも考えられます。これで、ピン節点によって構成された骨組は、三角形を形成させることにより、安定した骨組となります。この工夫を発展させて、剛節点(変形しない接合)によって柱と梁を接合すると、安定した骨組が得られることになります。この骨組は、フレーム構造とも呼ばれ、鉄筋コンクリート造/鉄骨造の構造材料(骨組をつくるための材料)を用いると容易に建造され、現在の建築物を構成する骨組として最も多く用いられています。
 建築物の骨組では、柱や梁の構成部材が互いに接合された仕口部を構造カ学的にモデル化したものが節点です。この節点には部材の間の角度が自在に変化できるピン節点と部材の間の角度が変化できない剛節点の2タイプがあります。



設計監理/調査鑑定/CM
タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所

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高塚哲治
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高塚哲治(建築家)

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大手設計会社での豊富な経験を生かし、多くの欠陥住宅問題を手がけ、日本ではまだなじみの薄いCM(コンストラクションマネジメント)を広く世間に発信し、遂行している

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