半年続いた不眠が、3か月で熟睡できた理由

野口由美

野口由美

テーマ:症例紹介

48歳の会社員の女性は、半年前からひどい不眠に悩んでいました。

「とにかく全然眠れないんです」

睡眠薬を使ってなんとか眠れたとしても、
途中で何度も目が覚め、一晩中うとうとしたまま朝を迎えてしまいます。

そのため、日中はしんどくてたまりません。

すると、眠れない夜が怖くなってきます。

さらに、また眠れないのではと不安でたまらなくなり、
仕事を休職するまでになっていました。

「最近は、眠っているのは1~2時間なんです」
と涙ながらに話されます。


不眠の背景にある低血糖

食事内容をお聞きします。

朝は「パンとコーヒー」昼は「パンやパスタ」という日が多いと言われます。

食事の傾向や血液検査結果を合わせると、「低血糖、たんぱく質不足、ビタミン・ミネラル不足」が考えられました。

低血糖のとき、体は血糖値を保とうとしてアドレナリンなどを分泌します。

すると、

•体が緊張する
•動悸がする
•不安が強くなる
•夜中に目が覚める

といった状態になり、
寝つけなくて、何度も目が覚めることがおこるのです。

そこで、

三食を規則正しくとること、
ごはんとみそ汁を基本に、
たんぱく質や野菜を組み合わせること、
甘いものやパン・麺類に偏らないこと、
コーヒーをやめること

などに取り組んでいただきました。

眠れるようになりました

1か月後、
「途中で目は覚めますが、3時間続けて眠れるようになりました。
そしたら、体がとても楽になったんです」


2か月後、
「一日そわそわしていた不安がなくなり、落ち着いていられるようになりました」

ずっとしんどくて会えなかった友人と食事に出かけられるようになったそうで
「たくさんお友達と会っています」
とのこと。

うれしい変化です。

熟睡って、こういうこと


3か月後、
「ものすごく長く眠ったなぁ、と思ったら、3時間しか寝てないんですよ(笑)。
熟睡って、こういうことなんだな、って思ったんです。
まだまだ眠れるわぁ~って思ったら、すぐに眠れるし・・
眠れるっていいな(笑)」
と笑顔で話してくださいました。

以前は1~2時間しか眠れなかったものが、5~6時間眠れるようになったと喜んでおられます。

以前は、よく悩んでいた頭痛も最近はまったくなくなり、頭痛薬が必要なくなったと言われます。

頑張りすぎていた


短時間勤務で復職したとき、職場の方から、
「来てくれてうれしい」
「よかった」
「ありがとう」
と言われ、
短時間しか仕事していない自分がみんなから認められている、
必要とされているとわかり、涙が出たそうです。


「そこまで頑張らなくてもよかったのに、ずっと必死で働いていました」
「一人で抱え込まなくてもよかったんですね」
と、ご自身の仕事の仕方にも気づかれました。


「いつも自分のことは後回しにしていた」
「もっと頑張らなければならないといつも思っていた」
とも話されました。

「自分を大切にしようと思った」との発言を聞いて、
私もとってもうれしくおもいました。


眠れるようになったことは、もちろんとてもよかった。

けれども、私がそれ以上にうれしく感じたのは、

「自分は、いつのまにか一人で抱え込み、必死で頑張りすぎてしまう」

ということに、ご本人が気づかれたことです。

自分がどんな時に無理をしやすいのかがわかれば、次に体調が崩れそうになったとき、早めに立ち止まることができます。

食事を整える。
睡眠を優先する。
仕事量を調整する。
人に相談する。
休むことを自分に許す。

そうやって、自分で自分の体を立て直すことができるようになります。

これから先も自分の体調をご自分で整えることができるようになるのです。

私が診療で大切にしていることに気づいていただけて、
とってもうれしく、忘れられない診察になりました。


※患者さんのご了承をいただき、個人が特定されないよう一部の情報や表現を変更しています。
※ご紹介した経過は一例であり、変化には個人差があります。

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野口由美
専門家

野口由美(医師)

クリニック千里の森

患者一人ひとりの個性を重視した「患者ファースト」の治療方針のもと、薬に頼らない医療を提供。近代西洋医学の最前線で培った豊富な知識、自身の体験を裏付けに、幅広い選択肢の中から最適な治療法を提案します。

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