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原聡彦

医療経営指導の専門家

原聡彦(はらとしひこ) / 医業経営コンサルタント

合同会社 MASパートナーズ

コラム

看護師の求人媒体と面接時の注意点

2018年3月8日 公開 / 2018年9月17日更新

テーマ:院外事務長の視点

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: 退職 手続き

院外事務長として看護師の求人~採用面接をお手伝いさせて頂いております。今回は看護師の求人媒体と面接時の注意点をまとめました。
<相談内容>
内科クリニックの院長(大阪府 開業7年目)より「看護師の募集をするが応募がない。
苦労して採用したナースは自分が考えていた業務とのギャップが大きすぎて半年以内で退職して、なかなか定着しない。なるべくこのようなギャップが出ないように面接時の工夫をしたい。他のクリニックも同じ悩みを持っていると思いますが、ナースの求人に効果のある媒体と面接時の注意点を教えてほしい」というご相談です。そこで今回は看護師の採用募集の媒体と面接時の注意点についてご紹介したいと思います。

1.求人媒体について
・新聞折り込み求人
代表的な新聞折り込み求人です。多くの医療機関で活用されていますが効果は極めて少なくなっております。 

・Web求人
最近、人気のあるWeb媒体として医療介護求人グッピー(以下 グッピー)です。通常の広告媒体は広告掲載期間により広告料が設定されていますがグッピーの場合は広告期間ではなくクリック数による課金されるシステムとなっております。
また、メッセージやデータが詳細に記載されていて、写真も多く掲載されているため、職場の雰囲気をイメージする事ができる内容となっております。求職者からの応募については、即効性はありません。

・専門職サイト
 看護協会が主催している無料の職業紹介媒体があり多くの医療機関が活用されています。ただ、クリニックにおいては求職者の応募は極めて少ないようです。

・ホームページ(以下 HP)の求人
 自院のHPでの求人掲載は有効です。特に院長及びクリニックで働いているスタッフのメッセージなど掲載したい情報を自由に発信できるのでもっとも有効な求人媒体と考えます。応募のあった看護師から面接時に「どの媒体を見て頂きましたか」と尋ねると「自宅から近い職場をインターネットで探しているとHPにたどり着いた」「他の求人媒体→HPを確認して応募しました」など応募者はHP゙を確認しているケースが多い。HPをお持ちのクリニックはぜひ求人情報の掲載を検討して頂きたいと思います。

・ハローワーク
最近ではハローワークが看護師を募集する媒体としてもっとも有効な媒体と考えております。ハローワークで採用できたスタッフにインタビューすると下記の備考欄の記載文が応募動機となったということでした。
・開業2年未満のクリニックであればクリニックの開業時期を掲載する
(例:2013年4月新規開業したクリニックです)
・公共の交通機関から徒歩圏内(例:○○駅から徒歩2分以内)
・未経験者、ブランクのある方も歓迎します。丁寧に指導します。随時、見学受付中。
・地方在住の方に対し住宅手当の支給制度あり。
・定年退職をされた看護師も歓迎します。
・短時間労働も可能です。(週1回、3時間以上)
上記の事項を備考欄に記載することで看護師の応募がありました。特に短時間労働可能という記載でダブりワークで勤務したい。子育て中で週2回なら仕事ができる看護師の応募があり採用できた事例もありました。
※定年退職をされた看護師を採用する場合は採用時に雇用期間の定めを設けて看護師業務のクオリティーを確認して頂くことがポイントです。

2.面接時の工夫について
・当院が求める看護師のお仕事を詳細に伝える
  看護師であっても当院の診療科目については経験のない方の場合もあります。また、経験していても、医師の診療方法はさまざまですので同じ診療科目でも求める業務範囲は違ってくることもあります。そこで、弊社のクライアントの院長先生には、「面接では当院での看護師の仕事を詳細にお伝えください」と提案しております。弊社のクライアントの耳鼻咽喉科の院長先生は面接する際、看護師の業務は採血や点滴はもちろんのこと、聴力検査、めまいの検査など検査業務、そして、洗い物も時にはやってもらう事があるなど、当院に看護師に求める仕事をこと細かく説明されています。また、最近では当院の看護師業務を動画撮影して面接時に動画を見てもらうという取り組みをされているクリニックもあります。
  面接時にはっきり当院が求める仕事を伝えて、それを理解したうえで入職してもらうことで業務に対するギャップは少なくなりますのでお勧め致します。

・7日間の体験期間で見極める
 当院の診療科目を経験したことのない方やブランクのある方を見極める工夫事例として7日間の体験期間をしてもらっているクリニックもあります。面接で詳細を伝えても、面接では「頑張ります!」という回答をしてくださる方が多いと思います。そこで、実際に体験してもらうことで、この職場でやっていけるかどうか本人にも院長にも判断してもらう期間を試用期間とは別に体験期間を設けるという事を本人にも伝えます。仕事を体験してみて「実際に働いてみて想像以上に難しかったのでこの時点で辞退します」など入職前にご本人から申し出がある場合や、当院からも「継続勤務は難しい」というお断りも遠慮なくお伝えすることができるのでお勧め致します。

この記事を書いたプロ

原聡彦

医療経営指導の専門家

原聡彦(合同会社 MASパートナーズ)

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