「サービス付高齢者向け住宅の役割と運営のポイント」part1

原聡彦

原聡彦

テーマ:医療経営の処方箋

今回は「サービス付高齢者向け住宅の役割と運営のポイント」について3回シリーズでお伝えします。

<1>サービス付高齢者向け住宅とは

【根拠法】高齢者の居住の安定確保に関する法律
【所管官庁】国土交通省と厚生労働省の共管
【契約形態】賃貸借契約
【居室面積】原則25㎡以上
例外18㎡以上(居間、食堂、台所などの部分で十分なスペースがある場合)
【その他】 登録している住宅は有料老人ホームの届け出対象外

<2>サービス付高齢者向け住宅(以下 サ高住)の供給促進に向けた支援措置
1.サ高住の供給に手厚い補助金
・高齢者等居住安定化推進事業として355億円を確保
(2012年度、募集期間2012年 4月10日~2012年11月末予定)

・新設・改修費として建設費の1/10 改修費の1/3(上限100万円/戸)を直接補助

・併設する高齢者生活支援施設(通所介護事業所や訪問介護事業所など)にも同様の補助

2.所得税や固定資産税、不動産取得税で優遇 ※賃貸住宅に限る
・所得税・法人税:5年間にわたり割り増し償却(40%)可能に(専有部分25㎡以上/戸、10戸以上)
・固定資産税:5年間にわたり税額を2/3軽減
・不動産取得税:家屋は課税標準から1200万円/戸を控除、土地は家屋の床面積の2倍に当たる土地面積相当分の価格などを減額(共用部分含め30㎡以上/戸、5戸以上)

3.融資条件の緩和
・サ高住に対する住宅金融支援機構の賃貸住宅融資(低金利:2%台)の実施と要件緩和(別担保の設定を不要に)
・サ高住の前払い金に対して民間金融機関のリバースモーゲージ(死亡時一括償還型融資)を住宅金融支援機構の融資保険の付保対象に追加

政府は2020年の高齢者住宅の整備目標として高齢者人口3%~5%を掲げています。仮に高齢者人口3%の整備目標としても2011年~10年ほどで年間6万戸のペースでの整備が必要となります。そこで、政府はサービス付高齢者向け住宅の供給を加速させるため手厚い補助金や優遇税制などの促進策を導入しています。

補助金の申請も2011年度で1000件を超えているようで、1棟当たり30戸~50戸で考えると3万~5万戸分に相当します。国が想定していた3万戸の整備目標には達しているようです。

今後、サービス付高齢者向け住宅の供給促進は進んでいくと思いますが、競争激化する高齢者住宅の経営環境の下で、継続できる事業を行うために考慮しなければならないポイントがあります。

次回より、事業を継続させるための事業計画策定のポイントについてお伝えしたいと思います。最後までお読み頂きありがとうございます。感謝!

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原聡彦
専門家

原聡彦(医業経営コンサルタント)

合同会社 MASパートナーズ

院外事務長(事務長代行)、院長夫人コーチング、医療法人運営サポート、医院開業支援など、院長先生の経営のブレーンとして財務と人事の面から健全経営を継続できる環境づくりをサポートいたします。

原聡彦プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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