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原聡彦

医療経営指導の専門家

原聡彦(はらとしひこ) / 医業経営コンサルタント

合同会社 MASパートナーズ

コラム

医療法人の役員と株式会社など営利法人の役職員との兼務についてvol.116

2011年10月20日 公開 / 2018年9月17日更新

テーマ:医療経営の処方箋

コラムカテゴリ:ビジネス

厚生労働省は2011年9月22日に開催された社会保障審議会の医療部会に現行の医療法人制度の課題に関する見直し案を提示しました。本日は「医療法人の役員と株式会社など営利法人の役職員との兼務について」お伝えします。

1.現状と課題
【現状】
・ 兼務に当たっては、医療機関の開設・経営に影響を与えることがないものとしている。
・ 都道府県における運用例として、「商取引がある場合は兼務を認めない」、「取引内容が適正であれば兼務を認める」などがある。
・ また、営利法人から出資を受けている場合は、「兼務を認めない」とする例が多い。
・ 兼務を認める場合であっても、「全役員の過半数を超えない」との要件を定めている例がある。

【課題】
・ 開設時に確認しても、継続的に確認することが難しい。
・ 医療法人の役員変更の場合、事後に届け出る仕組みがあるが、法人の内部手続を経て変更されているため、問題が判明しても指導が難しい


2.今後の取り扱い
地域によるバラツキの是正や指導の透明性を確保するため、医療法人の役員と営利法人の役職員との兼務について、例えば以下のとおりとすることについてどう考えるか。

・ 取引関係がある場合は、原則として認めないが、やむを得ない場合などにあっては、その取引が適正であることを条件として兼務を認める。
・ 医療法人が出資を受けている場合にあっては、兼務を認めない。
・ 医療法人が融資を受けている場合にあっては、事業再生の場合などに限り、兼務を認める。その場合、全役員の過半数を超えないなどの条件を付ける。


医療法人制度の今後の方向性を示す議論が始まりました。今まで都道府県レベルでバラつきのあったことや見逃されていた部分が厳格化されようとしています。厚生労働省は関連法令の改正や通知の発出を視野に入れて今後、医療法人を巡る議論を深めていく方針ですので動向を見守りたいと思います。

最後までお読み頂きありがとうございます。感謝!

この記事を書いたプロ

原聡彦

医療経営指導の専門家

原聡彦(合同会社 MASパートナーズ)

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