大人の教養4 風呂敷の包み方 結び方 SDGs
教養とは 学問や知識を身に付けることによって備わる、心の豊かさ
風呂敷に種類や用途によって使い分けることが少なくなってきました
ですが、この風呂敷には 日本の 包む文化 のもとになる素晴らしい心が込められています
風呂敷で体表的な素材 綿と正絹で比べてみましょう
綿と正絹では、どう使い分けるか
それは、
綿 - 自分のものを包み(例えば、カバンやコートについた外の塵や埃を、建物に持ち上げないように また荷物を小さくするためにまとめて包む)相手のテリトリー(家やお店)に入る
正絹 - 相手の手に当たる時に使う(例えば、ご祝儀袋を包んだり、贈りものを包むときに使う)
最近では、ご祝儀袋など 包んだものを相手の目の前で、風呂敷を外して渡す ということも言われますが、間違いではありませんが、あくまでもそれは略式
相手を想い、略式にする場合があります
例えば、受付に長蛇の列があり、包んだものを渡し 外して 返してもらう
ということをしていると、受付の方も急ぎ足になりますし、お待ちの方にも時間を待ってもらうことになる
そんな時に、わざと自分を謙譲し(謙ってーへりくだって)
”裸で失礼いたします” と、自分理由で 相手を気遣う
本来は、清浄の白 を大切にする和の文化 その真っ白な奉書(お祓いをした部厚めの和紙)で作ったご祝儀袋 その真っ白を汚さないために(自分の手で触って汚さないために) 上等の布で包み そのご祝儀袋に着物を着せる(風呂敷で包む)
また、その風呂敷を手に取って、御祝いの為にこんなに素敵な着物を着せてくれた(風呂敷に包んでくれた)と、御祝いの言葉だけでなく 言葉以外の祝い方の表現として喜ばれるものですから、手前で自分で外して、渡してはいけません
もちろん、先ほど申しましたように、相手を思えばこそ、略式にするのは 良いマナーです
ですが、例えば、相手に手間になるから、であるとか、外して返すのが面倒だろうから、
というのは相手を想っているのではなく、見下している事になります
手間になると思うのは、面倒なことはしない人 と言っているのと同じですよね
また、その風呂敷の価値も分からないだろうから、と言っているようにも聞こえるものです
ビジネスの場では、本来の目的が、この 祝いの気持ちや 正常の白を大切にする というのが最優先ではなく
商談を取る 利益を上げる 話を進める といったものが優先されますので、そこを略式にするのは、当然の事でしょう
ですが、日常の場で このビジネスルールを使ってしまうと、利益優先の姿勢と勘違いされてしまいます
形はこうです
1. 風呂敷(小風呂敷)に包んだまま、お渡しし、風呂敷(小風呂敷)を返してもらう
2. 風呂敷(小風呂敷)を台に敷いて、お渡しし 風呂敷(小風呂敷)を返してもらう
3. 風呂敷(小風呂敷)を渡す前に外し、”裸で失礼いたします” と声を掛けて、そのまま渡す
また、最近では 金封ばさみ と言われる、封筒型のご祝儀袋入れがございますが、これは、あくまでも小風呂敷を略式化したもの
それを入れたままお渡しするのは、もともとから相手を略式扱いにしている事になってしまいますので、外して3.の方法にされること、もしくは、2.にされることをお勧めします
その場に応じて、対応できる柔軟な姿勢を大切に
では、大きい風呂敷の話に入りましょう
大きな風呂敷 綿の場合
先ほども話したように、自分の荷物を包む まとめる
以外にも、塵除け として、相手に渡すもの(例えば贈り物)を外に持ち歩くときに塵除けとして包んで、相手に渡すときに正絹のものと変える
そして、役目がなくなった風呂敷は、軽くはたいて(外で)ご自身の荷物を包んだら、一石二鳥ですよね
また、お帰りの際に荷物が増えた(例えば、お土産をもらったなど)場合は、それを包んで帰れば良いでしょう
綿の風呂敷を、バック風に結んでみたり、小雨くらいなら、被っても構いませんし、瓶ものの手付の包装もできます
現代においては、これを ”包装紙” というものが、代わりをしているのも事実です
でも、その包装紙は、何の代わりをしているかということを、理解していれば、いわゆる 内熨斗か、外熨斗か 判断できると思います
まず、贈りものには 掛け紙 と言って 表書き(上書きとも言いますが)何の贈りものかを書き、誰からかの名前を書く紙があります
熨斗紙という方がいらっしゃいますが、熨斗無しのものも存在しますので、掛け紙 覚えてくださいね
この状態から、風呂敷に包む 掛け紙ももともとは、奉書(お祓いをした部厚めの和紙)で包みますから、自分の手の穢れを付けないように、着物を着せる(風呂敷で包む)わけですから、包装紙は、この風呂敷(正絹の)の役目をしているのです
例えば、先ほど申し上げた、略式の話ですが、風呂敷を目の前で外す というのが一番の正式なやり方だとすれば、皆さんは、この包装紙を客の目の前で破るでしょうか?
違いますよね
本質を考えると、やるべき行為はわかってくるのです
では 手提げ袋は、何の代わりなのでしょうか?
そう、外を歩くときの塵除け それは綿風呂敷ですよね
ということは、この袋(本来なら、綿の風呂敷)は、相手に渡さないのはもうお分かりだと思います
御玄関で、外したら良いでしょう
また、外でお渡しする際に、相手もお帰りの塵除けがないと不便、もしくは袋があった方が良いと思うときであれば、(できれば新しいもの)を箱の底に敷いて、台にして、”お持ち帰りにお使いください” と、お伝えになると良いでしょう
こうなってくると、内熨斗と外熨斗の選び方も、分かりやすくなりますよね
風呂敷に包むのであれば、外熨斗
風呂敷を使わない場合は、内熨斗
過剰なやり方も野暮になってしまいます
過剰包装は、自分が差し上げるものを、無意味に格上げし、偉そうに見えてしまいます
必要なものを必要な分包装する
現代は、誰に向かうものなのかを考えずに、取りあえず綺麗に包む 文化になりつつあります
自分に向かうものであれば、簡易包装もあり
相手に向かうものであれば、丁寧に(過剰になり過ぎにも注意)
では、他の素材についてもお話しましょう
素材は、綿 麻 正絹 いまでは、ポリエステルやレーヨンのものもありますが、これは何の代わりになっているかで判断すると良いでしょう
例えば レーヨンは絹のような肌触りから、正絹扱いで最下位の位置
ポリエステルと分かるようなものは、綿の位置づけでも良いと思います
この中でも 麻は 涼やかものですので、夏の仕様で 柄ゆきや大きさで 綿扱いにもなるし 正絹扱いにもなります(正式な場合を除く)
色々な話を致しましたが、この風呂敷は、現代のごみ問題にも、とても役立つ大切なものだと考えております
風呂敷や小風呂敷を使うことによって、包装紙や紙袋を削減できる
また、この必要なものへの包む文化と、必要でないときは、簡易にする とメリハリをつけていけば、要らない包装は沢山出てくると思います
風呂敷も、正絹の風呂敷が、くたびれた際は、綿扱いにするなど おさがり という文化にも発展します
物を大切に扱う 素晴らしい和の文化 これは、使い捨てをする包装や、ビニール問題にも良い影響とも言えます
今の便利さを優先して生まれた問題、少し考えをアナログにしてみては如何でしょうか?
最先端が良いものも、もちろんありますし、否定しているものでもありません
でも、こういった、今にも通じるやり方は、戻す勇気も大切です
そして、これは、一人の力は小さく、何も変えられないかもしれませんが、その一人の力が、たくさん集まれば、大きな力になります
是非、沢山の方に 教養として実践し 広がって欲しいものです
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