お箸の持ち方 NGな持ち方 嫌い箸 その1
嫌い箸とは・・・お箸を持った時に、やってはいけない使い方
持ち方ではなく、動かし方や使い方の事を言います。また、嫌い箸 という言い方も、様々で ”箸の禁忌(きんい)” ”忌箸(いみばし)” とも言います
4. 返し箸 逆さ箸
大皿から受け皿(取り皿)に取る際に、お箸の持ち手の方で取ること・『取り箸』がない際に、手元箸(ご自身で食べる用の箸)を逆さにして取り分けること
さあ、大皿料理の際に、取り箸がないこともあるかと思います
また、この 【返し箸 逆さ箸】も、よく見る光景かもしれません
どうして、取り箸がない際に、そうしてしまうのでしょうか?
それは、手元箸だと、ご自身の口に当たっているわけですから、その箸先で、他の方の食べるものを触るのは、不快になるのでは??と気遣いでされているのかと思います
ですが、どうして、ダメなのでしょうか?
それは、手 というものは、食事前に清めていても、洗っていても、御絞りで改めていたとしても、その後は器や他のものを触っていて、”取る時” には不衛生かもしれない という危険があり、他の方にも完全な安心感が備わっていないからなんです
では、どうすればより良いのでしょうか?
まずは、取り箸をお願いするのも一つの手
取る方のお箸を借りるのも一つの手
でも、相手の方が手元箸を使われているときに、中断させるのも気が引けますよね
また、そういったことが言い出しにくい場面もあるでしょう
例えば会食の場、目上の方ばかりの席
まだ、カジュアルに話すほど、御付き合いが深くない相手
取り箸をお願いしたくても、すぐに定員さんが捕まらない
また、個室で、すぐにお願いできない
様々な場面があるかと思います
そんな時は、目上の方から直箸で取っていただくのも有効的です
でも、そんな折は、何周も取ってしまっては、皆さんの直箸が当たったものを、またメインゲストの方に取ってもらうことになるのは、失礼になりますし、メインゲストの方が、手を付けていないものを目下のものが取るのはいけません
ですから、こんな時は目上のマナーとして、1周で取りきれるように、等分(すべての種類のものを)取るマナーも知っておきましょう
マナーは、目下のものだけが必要なものではなく 目上のマナーもあり、お互いが行合うからこそ、成り立つものです
片側通行のマナーではなく、こういった目上のマナーも教養として、気遣いとしてあるからこそ、上手くかみ合うものなんです
例えば、その中で目上の方が、苦手な食材があり、最後まで取らないのであれば
”○○は、苦手で、皆さんで頂戴してくださいね” とお声を掛けて、他の方がその食材を取れるようにされると良いでしょう
また、メインゲストの方が、5種類のうち2種類のみ取られたのなら
”直箸ですので、全種類お先にどうぞ” と促して差し上げるのも良いかと思います
相手との関係性 また、その店 場所の雰囲気 自分の立場によって 良いマナーの答えは違います
その時にどれだけ自分が柔軟に振る舞えるか また、その選択肢をいくつ持っているか
また、正しく選択できるか
沢山のものを短い時間で決定することが必要になります
テーブルマナーとは、自分が間違わないようにするためではなく、心地よい食事 また、その時の会話やムードを壊さずにスマートに進むためのものでもあります
これが、正しいのだ と、ひとつのやり方や振る舞い方にこだわり過ぎず、また これくらいでいいだろうと、安直に考えずに 遂行することが大切かと思います
お食事の席の、特に楽しい席では、不快感を持たれたとしても、場の雰囲気を壊さないように、嫌な顔をしたり、注意されにくいものです
目をつぶってくださってる方も、いるかもしれません
だからこそ、しっかり身に付けたいものですよね
5. 揃え箸
お箸の先を揃える時に 食器や御膳 折敷(おしき)テーブルなどでお箸を立てて、揃えること
お箸を持ってから、箸先が揃っていない事 あるかと思います
ついつい、お椀のように深さがあるものだと、見えないから と こつっと当てて、揃えられることがあります
この動作、実は 正しい使い方として、目にすることもあります
それは、菜箸を揃える際 使い方としては間違いではありません
でも、手元箸になると、よろしくありません
手元箸は、箸先でつまむもの 決して挟んだり 掬ったりしてはいけません
ですので、箸先は細くて繊細なもの その箸先を何かに当てるということは、痛む原因にもなりますし
音が立つ可能性もあります
また、器を傷つけますよね
器を置いて、両手でそろえる もしくは
このしぐさの折に 揃えられると良いでしょう
ひとつひとつの動作に、意味もありますし、慈愛の心を持って、命を頂く 命を育む
大切な所作の一つですね
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