マイベストプロ大阪

コラム

お箸の持ち方 NGな持ち方 嫌い箸 その1

2018年8月17日 公開 / 2019年8月13日更新

テーマ:和食のテーブルマナーの基本

嫌い箸とは・・・お箸を持った時に、やってはいけない使い方 
持ち方ではなく、動かし方や使い方の事を言います。また、嫌い箸 という言い方も、様々で ”箸の禁忌(きんい)” ”忌箸(いみばし)” とも言います

 

1. 振り上げ箸


   箸先を上げること

どんな時に多い所作でしょうか?
例えば、食べ物を口に運んだ後、 ”あ~、美味しい♪” と余韻に浸っているとき
例えば、”何を次に、食べようかな~” と考えているとき





食事中だけでなく、食べる所作の間に、こうやって箸先を上げてしまう

画面上でも見る光景かもしれません


思わず、 

”箸先を上げないで~” 

と心の声が叫んでしまいます

お箸は、上げるのではなく、下げて使うもの
上げるのは食べ物を口に運ぶ時だけ

上を向いているとき、上にするとき 下げるとき

どなたかの視線を刺したり、当たったりと危険で、不快にさせる一因になります

また、箸先を上げる行為は、子供がしやすいことから、幼稚にも見えますね

振り上げ箸


2. 寄せ箸


   お箸で器を引き寄せる動作


寄せ箸


さて、この動作、”これはしないな” と、スルーしがちな動作ですが、ここには深い意味があります
是非、お読みいただきたい嫌い箸の一つです

確かに、この所作は見かけないものかもしれませんが、”これは危険” 以外の理由を考えてみましょう

そう、

物は決して、引きずってはいけない



これがとても大切

お椀がちょっと遠かった

など、少し物を動かすときに、持ち上げずに、ちょっと引く(引きずって)

少しでもたくさんでも、滑りが悪かったときは、倒す危険もありますし、

一番に ”傷になる” ものです

日本料理では、器を動かしたり、持ち上げたりするのが特徴的です

また、器の素材も、木であったり、それに漆が塗ってあったり、陶器 磁器 ガラス

様々な硬さのものを使います

御膳や折敷も木で漆が塗ってありますよね

硬さの違うものが出会うということは、硬さの違いで、片方 時には両方を痛めます

また、目には見えない傷でも、同じように繰り返すことによって、傷になるわけです

今自分が1回引きずったくらいで、傷がついてなし、と考えるのではなく

5年10年 50年 100年先を考えて、使えるように


日本の美術品は、見る美術ではなく、使う美術である

器は、食べ物が乗ってこそ、完成形であり それを使うことによって、時代が付く(使った趣が出る)

また、その時代が、歴史になる

という考えです

では、安価なものは、良いのか?

それは違います

今、数百年前の美術品でも、その当時においては 価値の無いもの というものも多いものです

その時代に、何の価値もなかったものでも、現代ではその時代を教えてくれる大切な美術品となっているように

今、自分たちが、安価だから、そんなにきちんと扱わなくてもいい と考えるのは、自分本位ではないでしょうか?

未来、どうなっているかは誰にも分らないし、結果も知りえません

でも、その知りえない未来に託せるものだと思えば、どんなものもどう扱うべきかは、自然と分かるはずです

テーブルマナーは、その場、その時だけにとどまらず、壮大な時代を、文化を守るためにでもあるのではないでしょうか?

3. 渡し箸 橋箸


   手元箸(食事をするときに使う、個人個人のお箸)を 器に渡して置くこと


渡し箸2

イラストのように、食事の終了後、ここに置く

または、取り皿に渡すこともよく見受けられます

これは、もともと、御膳 もしくは 折敷(おしき)に器をのせて食べていた
庶民なら、箱膳でしょうか

ですので、お箸の置く位置は、御膳の隅に掛けるか、直接置くのが 定(てい)の場所であることから

器の上には置かない というルールになったわけです

では、テーブルの上で 置く場所がなくなった今 食卓の上ではどうすることが良いのでしょうか?

箸袋があれば、それで箸置きにするのも良し
もちろん、箸置きを使うも良し
御膳 折敷の代わりをしている ランチョンマットの上に直に置くのも良し
器に掛けるなら(低い器に限り) 箸先を器に掛けるもの良し
懐紙を箸先に置くのも良し
懐紙で箸置きを作るのも良し

家ではめんどくさい という方もいらっしゃるかもしれませんが

何事も、”めんどくさい” と言ってしまえば、元も子もありません

”食べること” は面倒ではないのに、丁寧に感謝の気持ちを表すことを 面倒と言わず

習慣にしてみては如何でしょうか?

食の稽古(テーブルマナーコース)詳しくはこちら

和食の基本コラムはこちら

この記事を書いたプロ

石田宙子

心を豊かにするマナー指導の専門家

石田宙子(北浜サロン)

Share
関連するコラム