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原島敏郎

元マネジャーの経験を生かしたコーチングの専門家

原島敏郎(はらしまとしろう)

有限会社ソリスナビタス

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コラム

年上の部下へどう関わっていけばいいのか?

2015年7月4日

コラムカテゴリ:ビジネス

 活力があり全員が一丸となって成果を上げるチームをつくる責任があるのはそのチームのリーダーです。年上の部下に対して意識や意欲が低いと一方的に非難できません。年上の部下のモチベーションが上がらないのは、やはりリーダーの責任です。
 では、どう関わっていけばいいのでしょうか?3つのステップが必要です。
 1.本気でチームをつくるという“覚悟”をもつ
 2.部下一人ひとりを知る
 3.本人がチームに所属する“意味”をもたせる

それぞれについて概略をお伝えしていきます。

本気でチームをつくるという“覚悟”

 今まで多くのマネジャーをコーチしてきました。そのなかで上手くチームをまとめるマネジャーに共通していることが本気度です。今後、年上の部下だけでなく、さまざまな雇用形態の方々や外国人も含め多様な価値観をもつ人たちを一つのチームにまとめ上げなくてはいけません。それだけの本気度、熱意、覚悟が試されます。役職が上がれば上がるだけこの“覚悟”の度合いは大きくなります。

部下一人ひとりを知る

 もちろん日々の観察からその人の強みや大切にしていることなどが見えてきますが、一度しっかりと今までの成功体験を全員に聴く場面をもつことをお勧めします。成功体験というのは、あくまでもその人の中で 「うまくやり終えた」 「充実感があった」 「あの仕事は楽しかった」 などの実感がある体験です。なぜその体験を成功体験にしたかということからその人が大切にしている価値認識がわかります。また困難を乗り越えたとか工夫したとかなどからその人の強みがみえてきます。そこをしっかり承認する。特に年上の部下の方の“武勇伝”をじっくり聞いてあげてほしいのです。

本人がチームに所属する“意味”をもたせる

 会社からの指示でそのチームにいるのですが、それが自分にとってどういう“意味”があるのかが明確になっていないとそのチームへの帰属意識は高まりません。その感情と意識は次の3つです。
1.“成長実感” や “成長予感” をえる。
  なんとなく「そう言えば以前よりうまくできるようになったな」と思うことがあったとしても、成長というのは自分ではなかなか自覚できないものです。それを上司や周囲の人たちから承認をうけることでしっかり“成長実感”をえることが出来ます。
そして「今後このチームにいれば、自分はこういう能力を開発することが出来そうだ」というのが“成長予感”。この2つの成長感をもつと本人のモチベーションが上がります。
2.上司をはじめ他のチームメンバーに対して“仲間意識”がある。
  やはり人は自分が所属する集団の中で、「独りぼっちだな」 と思うのはつらいものです。みんなつながっている、みんな仲間であるという感覚をもつことがそのチームに対する帰属意識につながります。とくに年上の部下と若い人との間ではお互いに距離を感じる傾向にあります。オフサイトミーティングなど会話ができる “場” を意識的につくることが大切です。
3.チーム全員に関わる“役立ち感”がある。
  チームで成果を上げていくうえで自分も貢献している、役立っているという実感です。年上の方であれば、チーム運営でなんらか存在感がある、役割がある、頼りにされているという実感がほしいものです。

 3つのステップと書きました。順番があります。初めに自分の覚悟です。「このチームを絶対いいチームにするぞ」という熱意です。決して強引さではありません。逃げず避けず、真剣に話し合う姿勢です。それをまずもつ。そして信頼関係を構築するために部下全員一人ひとりを知る。そのうえでチームとしてまとまって目標に向かって進んでいくチームのミッション(使命)が、それぞれの部下が “自分にとって ” どんな意味があるのかが見えようにすることが大切です。かつては多くの人たちが上昇志向でした。今でも若手の一定数の人たちはそうかもしれません。しかし年上の部下の方々は 「もう、俺は役職も降りたし、給与もこれ以上あがらない」 となれば、今までの上昇志向という価値観で仕事に対する意欲をもってもらうことはできません。そうなれば、その人なりの意味が必要になってくるわけです。

この記事を書いたプロ

原島敏郎

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