他のプレーヤーのホールアウトを見届けるのがゴルフマナー
パッティンググリーンにただ一つ空いている穴「ホール」。
「1番ホール」、「2番ホール」というティーインググラウンドからパッティンググリーンまでのコースレイアウトのことではなく、金属製のホールカップ(円筒)のことです。
ここに1打でも少なく沈めるために、ゴルファーは躍起になります。
もともと、レイアウトの「ホール」は、「何番目のホール(カップ)」というところから始まったと言われています。1番目のホールだから、「1番ホール」なんですね。
むかしむかしのホール
昔々の「ホール」はゴルフコースのスタッフがスコップと鉄製のピンを持って、適当な大きさに掘り、そこにピンを差し込んだだけのものでした。
その上、ホールアウトしたら、ボールを拾い上げる時に次のティーイング・グラウンドで、ティーアップするための土を穴の底から取って持って行っていたと言われています。
1744年の世界最古のゴルフ規則、第1条には「ボールをティーアップするには、ホールから1クラブレングス以内にしなければならない」とあります。
当時はまだ、パッティンググリーンの概念がなかったのです。
ティーペグもなかった時代です。ひとつかみの砂をホールの中から取り、その砂を盛り上げてティーアップしていたそうです。
ゴルフの初期の頃は、「プレーヤーは、定められた場所から、ある地点に掘られたホールに向かってプレーし、そのホールの近くから次の標的のホールに向かってプレーする」ということでした。
こんにちのようなティーインググラウンドとパッティンググリーンが分離したのは1893年からと言われています。
ホールのサイズ
なぜ「ホール」は、現在の大きさになったのでしょうか?
ホールによって大きさがまちまちで、しかもホールのふちが崩れてしまうのに困った、センド・アンドルーズの管理者トム・モリスが、近くの水道工事の現場に転がっていた土管の切れ端を持ってきて、それを埋めたと言われています。
この時の土管の内径がたまたま4.25インチ(108㎜)だったのが今でも基準となっているという説があります。真相の程は分かりません。
現在、ルールで定められている「ホール」の直径は4.25インチ(108㎜)、深さは少なくとも4.0インチ(101.6㎜)以上でなければいけません。
ホールカップをはめ込む場合、カップは少なくとも1.0インチ(25.4㎜)以上、パッティンググリーン面よりも下に沈めなければなりません。
テレビの中継を見ると、ホールの上が、グリーンの面まで白く見えています。
これは地表面から1.0インチ以上深く沈められたホールカップの上にふちが崩れないように「カラー」というカバーをつけているのです。
ホールの損傷に対するルール
コース管理では、ホールの位置替え作業を毎日行っています。
理由は、ホールのふちの芝が痛むからです。
直径たった4.25インチですから、ボールをホールから取り出すときに気を抜いていると、つい手の甲がホールのふちに当たって崩れます。だから毎日切り替える必要があるのです。
ゴルフルールでは「グリーン上の損傷はボールマークに限らず、すべての外的影響による損傷は、プレーヤーが無罰で修理できる」とあるので、ホールの縁が崩れている場合、パットをする前なら修復することができます。
しかし、パット前の一瞬ホールを見た程度では、ホールの縁のほんの小さな凸凹に気づかないことも多々あります。そうすると、パットしたボールがホールに入る寸前に方向を変えてしまうケースも出てきてしまいます。
プレーヤーの皆様には、ホールのふちを傷つけないように、ぜひ気を付けていただきたいと思います。
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